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映画『ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド』からジョージ・ハリスンの名曲誕生秘話公開
インド滞在期のザ・ビートルズと共に過ごしたポール・サルツマン監督によるドキュメンタリー『ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド』が、2022年9月23日より日本劇場公開されることが決定した。
その映画からジョージの曲として「Lady Madonna」のB面としてではあるが、初めてシングルに採用された「The Inner Light」の誕生秘話をお届け。この楽曲の世界初披露はインドであり、レコーディングに参加したフルート奏者の証言、そしてレコーディングに臨むジョージをとらえた貴重な場面写真を公開。
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インドとザ・ビートルズ
ザ・ビートルズ5枚目のアルバムで主演第2作目となった映画のサントラでもある『Help!』でインドの楽器シタールと出会っていたジョージは、1967年に妻のパティから、インドの導師マハリシの存在を教えられた。
その年ジョージはインドを訪れるが、ザ・ビートルズの育ての親でもあるブライアン・エプスタインが急死したため緊急帰国。その半年後の1968年1月、インドを再訪したジョージは、ボンベイ(現在のムンバイ)のスタジオでジェーン・バーキン主演の映画『ワンダーウォール』(1968)のサウンドトラック『Wonderwall Music(不思議の壁)』のレコーディングに臨んだ。
この時の空き時間に収録されたのが、1968年3月15日イギリスでリリースされたザ・ビートルズのシングル「Lady Madonna」のB面に収録された「The Inner Light」のインド楽器のパートだったのだ。アビイ・ロード以外のスタジオで収録されたザ・ビートルズ初の曲であり、ジョージにとって初となるザ・ビートルズのシングル収録曲となる。
映画『ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド』の本編には、1968年にジョージが行ったインド楽器のレコーディングに参加し、フルートを吹いたハリプラサード・チョウラシアが登場する。“愛と深い友情と彼の奏でる音楽”で結びついたというジョージについて、チョウラシアは「彼は聖人だった。音楽の聖人だ。だから彼の音楽を聴けば多くのことが理解できた」と、真摯に音楽作りに臨んだ姿に深い感銘を受けたと語っている。
さらに、ザ・ビートルズの4人と8日間を過ごしたサルツマン監督が「The Inner Light」が世界で初めて披露されたのはインドだったと劇中で明らかにしている。シングルリリースの約一ヶ月前、ムンバイで録音した音源を持ち込んだジョージは、マハリシとメンバーたちの前で「The Inner Light」を歌ったという。“内なる輝き”を歌うこの曲は老子道徳経から着想を得たとされている。
インド滞在期のザ・ビートルズの素顔に迫るドキュメンタリー映画『ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド』は、2022年9月23日より公開。
Written by uDiscover Team
『ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド』
監督・脚本・製作:ポール・サルツマン
ナレーション:モーガン・フリーマン
製作総指揮:デヴィッド・リンチ
出演:デヴィッド・リンチ、パティ・ボイド、ジェニー・ボイド、マーク・ルイソン、ルイス・ラファム、ローレンス・ローゼンタール、リッキ・クック、ハリプラサード・チョウラシア、デヴィアニ・サルツマン
2020 年/カナダ/英語/79 分/カラー/1.78:1/5.1ch
原題:Meeting The Beatles in India
字幕:大西公子
字幕監修:藤本国彦
配給:ミモザフィルムズ
【公式サイト】 http://mimosafilms.com/beatles/
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