ジョン・モラレスによるマーヴィン・ゲイ「I Want You」のリミックスが公開

マーヴィン・ゲイ（Marvin Gaye）が、2番目の妻となるジャニス・ハンターへの愛を謳ったソウルフルな楽曲「I Want You」を、リミックスのゴッドファーザーの一人であるジョン・モラレス（John Morales）がリミックスした楽曲が配信開始となった。4曲入りのこの曲『I Want You: The John Morales M+M Mixes』は未発表のボーナス・ミックス2曲が収録されている。

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ジョン・モラレスによる「I Want You (John Morales M+M Main Mix)」は数年前にヨーロッパ限定のアナログ盤限定として初めて公開され、YouTubeでは1000万回以上再生される需要の高いトラックとなったが、これまで一般発売されることはなかった。その他に、この楽曲のインスト、2曲の未発表ミックス「I Want You (John Morales M+M Breakdown Mix)」と「4 I Want You (John Morales M+M Pianopella Mix)」が収録されている。

ジャケット写真は、アーニー・バーンズによるレイト・ルネッサンス様式の象徴的な絵画で、現在でも広く認知されているオリジナルLPのジャケットを使用している。ジャニス・ハンターはこうコメントを寄せている。

「“I Want You”はあらゆる言語で語られ、歌われる不朽のフレーズです。そうでないとしても、私たちはその言葉を考えたり感じたりしたことがあります。あるいはそのすべてを。私たちは今、この曲に込められた愛と情熱の力を証明するために、ジョン・モラレスから音楽のお菓子を贈られました。マーヴィンは解釈のマスターであり、リオン・ウェアの歌詞とメロディーに彼の心と魂、肉体と精神を捧げていたのです」

「『I Want You』のアルバム全体は、私にとって非常に個人的なものです。私はこのアルバムが録音されるのを見たり聞いたりする特権を得ました。この作品に関わった全ての人に永遠に感謝しています。マーヴィン、レオン、T-Boy、アート・スチュワートも喜んでいると思いますし、レオンの恋人キャロル、そして私はもっと大切にしたいことがあります」

ジョン・モラレスはこう語っている。

「私はこのプロジェクト全体と、それが実現したことにとても興奮しています。“I Want You”は、ずっと私のお気に入りのマーヴィン・ゲイの曲の一つでした。だから、作業のために彼のすべての分離したボーカル・トラックを聴くことができたとき、そこにはもっと多くのものがあることに気づきました。そして私はリスナーに多次元的な経験を与えたいと思ったんです」

オリジナル曲のプロデュースも担当したレオン・ウェアと、ダイアナ・ロスの弟であるアーサー・ティーボーイ・ロスが書いた「I Want You」は、マーヴィンの最も人気のあるシングルの1つとなっている。1976年にリリースされたこの曲は、Hot Selling Soul Singlesチャートで1位、全米シングルチャートで15位を記録。そしてDisco Singles Chartではトップ10に入り、ディスコヒットにもなった。同名のアルバムはソウルチャートで1位、全米アルバムチャートで4位を記録した。

サンプリングでの使用

この曲のサンプリングは、この楽曲の長寿に拍車をかけている。最近では、ケンドリック・ラマーの「The Heart Part 5」で大きくサンプリング。また、マドンナとマッシヴ・アタックによるカバー、アイス・キューブ「What Can I Do?」でのサンプリングを筆頭に、スリー・6・マフィア、アリシア・キーズ、トゥー・ショート、メアリー・J.ブライジ、ロビン・シック、ペット・ショップ・ボーイズなど、多くのアーティストがカバーやオマージュ、サンプリングを行っている。

M+Mの遺産

ジョン・モラレスとセルジオ・ムンジバイは元祖「M+M（Morales and Munzibai）」で、デバージ、テンプテーション、ティナ・ターナー、メイズ feat. フランキー・バリー、Jockey Beverlyなどの曲をミックス。フランキー・ビヴァリー、ジョセリン・ブラウンなど数多くの楽曲をミックスし、ヒットバージョンとなっただけでなく、リミックス界でも尊敬を集めている。1991年、セルジオ・ムンジバイが亡くなったあと、モラレスは「M+M」の遺産を引き継ぎ、高名な英ガーディアン紙に“技術の真のマスター”と呼ばれるまでになっている。

Written By Tim Peacock

マーヴィン・ゲイ『I Want You: The John Morales M+M Mixes』
2022年8月26日配信
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