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ザ・フーの名ドラマー、キース・ムーンの伝記映画『The Real Me』の製作が本格化へ
米Variety誌によると、かねてから製作の可能性が囁かれていたザ・フー(The Who)のドラマーとして知られるキース・ムーン(Keith Moon)の伝記映画の撮影が今年6月からスタートするという。同映画の仮タイトルは、1973年にザ・フーが発表したロック・オペラ大作『Quadrophenia』(邦題:『四重人格』)の収録曲からとった『The Real Me』で、ピート・タウンゼントとロジャー・ダルトリーが製作総指揮を務める予定だ。
同誌の情報によると、マーティン・スコセッシ監督の『ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』やロン・ハワード監督の『ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years』といったドキュメンタリー作品を手掛けてきたホワイト・ホース・ピクチャーズが製作。
同映画の監督は、『ザ・クラウン』『ホワイトハウス・ファームの惨劇~バンバー家殺人事件~』などで知られるポール・ウィッティントンが、脚本は、『あなたを抱きしめる日まで』でアカデミー賞にノミネートされた英国人作家ジェフ・ポープが務める他、プロデューサーには、ホワイト・ホース・ピクチャーズの共同創設者であるナイジェル・シンクレア、オリバー・ベイゼイ、ジーン・エルファント・フェスタ、そしてザ・フーの長年のマネージャーであるビル・カービシュリーが名を連ねている。
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長年キース・ムーンのドキュメンタリー映画の製作について言及してきたロジャー・ダルトリーは、2018年に出演したBBC 6ミュージックのラジオ番組の中で、映画のキャスティングについてこう語っていた。
「その俳優とその俳優の目にものすごくかかっているだろうね。キースは並外れた目を持っていたので、間違いなく目でキャストを決めなければならないと思うよ」
キース・ムーンの波乱万丈の人生と行き過ぎた行為は、時にドラマーとしての彼の才気と独創性を覆い隠してしまうことがあった。1964年にザ・フーに加入してから、1978年の『Who Are You』に至るまで、バンドのすべてのアルバムに参加した彼は、このアルバムの発売からわずか3週間後に、ヘミネブリンの過剰摂取により32歳の若さでこの世を去った。この薬は、長年彼を悩ませていたアルコールの禁断症状を治療するために処方されたものだった。
最近の関連ニュースとして、ザ・フーは、4月30日に開催される“ニューオーリンズ・ジャズ&ヘリテッジ・フェスティバル”でライヴ活動を再開することを発表している。バンドの同フェスティバルへの出演は、エルトン・ジョン、エド・シーラン、キース・アーバン、トニー・ベネット、レディー・ガガらも出演した2015年以来となる。
Written by Paul Sexton
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バンド最新アルバム
ザ・フー『WHO』
2019年12月6日発売
CD / iTunes
ザ・フー『Quadrophenia(四重人格)』
1973年10月26日
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