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アメリカからジャマイカに移住しレゲエ音楽に貢献したジョニー・ナッシュが逝去。その功績を辿る

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Photo: Michael Ochs Archives/Getty Images

1960年代後半から70年代にかけて多くのヒット曲を生んだヒューストン出身の米歌手で俳優のジョニー・ナッシュ(Johnny Nash)が80歳で逝去した。以前から健康状態が優れなく、2020年9月6日に彼が亡くなったことを彼の息子が米メディアに伝えた。

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Johnny Nash – I Can See Clearly Now (1972) Stereo Promo Video

彼が影響を与えた多くの後世のスターたちの一人であるボーイ・ジョージは、自身のソーシャルメディアに次のように追悼を捧げている。

「レゲエ界のレジェンド、ジョニー・ナッシュよ、安らかにお眠りください。70年代初頭に僕が恋に落ちたラヴァーズ・ロックとレゲエ・ミュージックの魅力を教えてくれたアーティストの一人で、多くの素晴らしい楽曲とシルクのような声の持ち主でした」

ジョニー・ナッシュは「Hold Me Tight」や全米No.1ヒット「I Can See Clearly Now」、全英1位を記録した「Tears On My Pillow」などの代表曲で知られている。彼はまた、初期のボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズとレコード契約を結び、ボブ・マーリーの名を世界に広める手助けをした他、自身がレコーディングした「Stir It Up」のカヴァーがヒットを記録。ジャマイカのキングストンでレゲエ・ミュージックを録音した初のジャマイカ国外アーティストの一人としても知られており、ロックステディのビートとサウンドを世界中に普及させるために多大な貢献を果たした。

JOHNNY NASH – Stir It Up (1972)

 

10代でレコード・デビュー

13歳の頃から地元テキサスのローカルTV番組に出演していたジョニー・ナッシュは、1950年代半ばに影響力を持っていたアーダー・ゴッドフレイのタレント番組での後押しもあり、1957年にABCパラマウント・レコードからリリースした「A Very Special Love」が全米ポップ・チャートTOP30入りしたことで成功への足掛かりを掴んでいく。

やり手のビジネスマンとして、当時成長しつつあった大衆メディアを把握していたジョニー・ナッシュは、1959年には映画『Take A Giant Step』に俳優として出演し、後に自身のレーベル“JoDa”を立ち上げている。1959年初頭になると、ポール・アンカ、ジョージ・ハミルトン四世らと組んだスポークン・ワードのシングル「The Teen Commandments」で再び全米TOP30入りを果たした。

自身のレーベル“JoDa”から1965年にリリースした「Let’s Move & Groove (Together)」は、全米R&Bチャートでヒットを記録。その後ジャマイカでレコーディングを行うようになった彼は、当時まだほとんど知られていなかったボブ・マーリーとコラボレーションするために、彼とマネージャーのダニー・シムズが共同設立したJADレコードとレコーディングと出版の契約を結ぶ。JADレコードが契約したその他の人気アーティストには、家族で構成されたハーモニー・グループ、カウシルズ(The Cowsills)などが含まれている。

Johnny Nash – Cupid

 

1968年にアメリカではJAD、イギリスではリーガル・ゾノフォン(Regal Zonophone)からリリースされメジャー・ヒットとなった「Hold Me Tight」によって海外でもブレイクを果たしたジョニー・ナッシュは、その後は母国アメリカよりもイギリスで定期的にヒットを放つようになり、現在はメジャー・マイナー(Major Minor)からリリースされている「You Got Soul」やサム・クックの「Cupid」 カヴァーは全英チャートでTOP10入りした。

BBCの音楽番組「トップ・オブ・ザ・ポップス」やイギリスの様々なバラエティ番組にゲスト出演したことでお馴染みのスターとなったジョニー・ナッシュは、「Stir It Up」やザ・ウェイラーズがバッキングを務める不朽の名曲で全米チャートで4週1位に輝いた「I Can See Clearly Now」などで再びチャート席巻。同名のアルバムには、ボブ・マーリーが作曲した「Guava Jelly」「Comma Comma」「You Poured Sugar On Me」という3曲も収録されている。

Johnny Nash – Hold Me Tight (HD)

ポップ、ソウル、レゲエの影響

アメリカでのヒットは続かなかったが、ジョニー・ナッシュがイギリスで獲得したファン・ベースは、「There Are More Questions Than Answers」や、レゲエからの影響を感じさせる彼の多くの楽曲のひとつで、1975年に全英1位を獲得した「Tears On My Pillow」など、彼に更なる成功をもたらした。

彼は1976年に「(What A) Wonderful World」のカヴァーで再びサム・クックに敬意を表し、1978年にエピック・レコードからリリースした『Johnny Nash Collection』で全英アルバム・チャートでTOP20入りを果たしている。

彼はその後何年もの間、新曲を発表することはなかったが、彼のウェブサイトには、2006年に彼の地元ヒューストンにあるシュガーヒル・レコーディング・スタジオとティエラ・スタジオで再び歌っていたと記されている。近年は、シュガーヒル・スタジオで、1970年代と1980年代のアナログテープのデジタル化に取り組んでいたという。

Written By Paul Sexton




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