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インプレッションズの元シンガーで政治家でもあったジェリー・バトラーが逝去。その功績を辿る
R&Bグループ、インプレッションズ（The Impressions）の元リード・シンガーで、シカゴの有能な政治家としても活躍したジェリー・バトラー（Jerry Butler）が85歳で逝去した。死因は公表されていないが、彼はパーキンソン病を患っていた。
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その生涯
ミシシッピ州に生まれ、シカゴで育ったジェリー・バトラーは、地元の教会の聖歌隊で歌い始め、1950年代半ばにカーティス・メイフィールドと出会ったことがきっかけでインプレッションズに加入し、1958年にはグループのヒット曲「For Your Precious Love」を手掛けている。その後、約3年間の活動を経て円満にグループを脱退し、ソロ・キャリアをスタートさせた。
ソロ・アーティストとしての成功を掴むまでには苦労もあったが、フィリー・ソウルのケニー・ギャンブルとレオン・ハフ（ギャンブル＆ハフ）に出会い、1962年の名盤『The Iceman Cometh』を共に作り上げたことで、すべてが完璧にかみ合った。
このアルバムからは「Only the Strong Survive」や「Never Give You Up」などの大ヒット曲が生まれた。彼はまた、ソロ活動を通じて他のアーティストのための楽曲も数多く手掛けてきた。彼が作曲したオーティス・レディングの名曲 「I’ve Been Loving You Too Long」は、アレサ・フランクリン、エタ・ジェイムス、ザ・ローリング・ストーンズなど、音楽界の大物たちによってカヴァーされている。
音楽界での約20年にわたるキャリアを経て、政界へと進んだジェリー・バトラーは、1994年にイリノイ州クック郡のコミッショナーに就任。同僚であるラリー・サフレディンはChicago Reader紙の取材に対し、「彼が政治の世界に入った理由はただひとつ、彼は、自分が与えられた数々の恩恵によって発言力を持つことができ、それを人々のために使うべきだと感じたからだと思う」と語っている。
政治家として軸足を移した後も、彼の音楽界での評価は変わらず続いた。1991年にはインプレッションズのメンバーとしてロックの殿堂入りを果たし、2015年にはソロ・アーティストとしてR&Bの殿堂にも加わり、2023年には同殿堂から生涯功労賞（Lifetime Achievement Award）を授与されている。
ジェリー・バトラーの訃報を受けて、シカゴ・サンタイムズ紙の取材に応じたスモーキー・ロビンソンは「我々の時代における偉大な声の持ち主の一人」と彼を称え、ギャンブル＆ハフも「私たちの親愛なる長年の友人であり、そのクールでスムースなヴォーカルと立ち居振る舞いから、“アイスマン”と呼ばれていたジェリー・バトラーの死を深く心より悼みます。彼は唯一無二の音楽界のレジェンドでした」と哀悼の意を表している。
ジェリー・バトラーは、彼のバック・シンガーを務めていた妻アネットと60年間連れ添ったが、彼女は2019年に他界。息子のランディとアンソニーを後に残した。
Written By Sam Armstrong
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