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キング牧師殺害直後に行われたジェームス・ブラウンによる歴史的ライブがレストアされフルで初公開
ジェームス・ブラウン(James Brown)が1968年4月5日にボストン・ガーデンで行った歴史的なコンサートが初めてレストア(修復)、リマスターされ、彼の公式YouTubeチャンネルでフル公開された。
公民権運動の指導者として人種差別に対する非暴力闘争を推進していたキング牧師がメンフィスで暗殺され、アメリカ全土で暴動が巻き起こったわずか24時間後となる4月5日に開催されたこのコンサートは、アメリカの社会史における非常に不安定な時期に、ソウル界のゴッドファーザーが示した冷静なリーダーシップと、その重要性から、瞬く間に伝説として語り継がれるようになった。
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コンサートは中止されるところだった
若くしてボストン市長に就任したばかりだったケヴィン・ホワイトは、この緊急事態を受けて同コンサートの中止を検討していたが、周囲の説得によって開催されることになった。また、ボストン市民が外出を控え、自宅でこのコンサートを観てくれるようにという願いのもと、このコンサートの模様はWGBH-TVによって市内全域に生中継された。結果としてこの賭けは功を奏し、この日のボストンでは通常より犯罪が少なかった。
このコンサートで行われたスピーチは、そのパフォーマンスと同じくらい感動的で心を打つものであり、ジェームス・ブラウンは、この夜のボストンでの暴動を抑止し、市内の平静を保つのに貢献したと広く評価されている。当日、ステージに侵入しようとした黒人の若者たちを警察が力任せに押し戻そうとした時、ジェームス・ブラウンはこう言った。
「ちょっと待て、ちょっと待ってくれ。さあ下がって、紳士らしく振る舞ってくれ。今、俺が警察に下がるように頼んだのは、自分の仲間たちならちゃんと敬意をみせてくれると思ってるからなんだ」
同コンサートは、2008年に公開されたデヴィッド・リーフ監督によるPBSのドキュメンタリー番組『The Night James Brown Saved Boston』の題材にもなっている。ジャーナリストのジェームズ・サリヴァンは、自身の著書『The Hardest Working Man: How James Brown Saved the Soul of America』の中で、当時のボストン市議会で唯一のアフリカ系アメリカ人議員だったトム・アトキンスが、ケヴィン・ホワイト市長に対し、次のように述べ、説得をはかったことを書き記している。
「ジェームス・ブラウンの公演を中止してはいけません。もしそんなことをしたら、14,000人もの若者たちがボストン・ガーデンにやって来て、公演が中止されたことをドアの貼り紙で知ることになります。仮に彼らがキング牧師の暗殺に怒りを感じながら、まだ取り乱していなかったとしても、(キャンセルを直前で知れば)今度は本当に怒り狂うことになってしまうのです」
Written By Paul Sexton
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