News
Murder Inc.の共同創設者でプロデューサーのアーヴ・ゴッティが54歳で逝去
音楽プロデューサー、起業家で、Murder Inc. Records(現The Inc. Records)の共同創設者として知られるアーヴ・ゴッティ(Irv Gotti)が逝去した。
享年54歳。この訃報は、2025年2月5日にDef Jam Recordingsからの声明によって伝えられた。同社は「次世代のアーティストやプロデューサーへの道を切り開き、ヒップホップとR&Bの音楽シーンを再構築する原動力となった」と彼の功績を称えている。
<関連記事>
・Def Jam:世界一にして唯一無二のヒップホップ・レーベルの軌跡をたどる
・2025年に亡くなったミュージシャン、音楽業界の関係者たち
その経歴
Def JamでA&Rとしてキャリアをスタートさせたアーヴ・ゴッティは、1998年に兄のクリスと共にMurder Inc.を設立し、同レーベルをヒップホップ界を代表する存在へと成長させた。
Murder Inc.からの最初のリリースは、ジャ・ルールの1999年のアルバム『Venni Vetti Vecci』で、全米シングル・チャートのTOP40入りを果たした「Holla Holla」などを収録。さらに彼は、アシャンティを見出し、2003年には彼女のセルフタイトルのデビュー・アルバムの共同プロデューサーとしてグラミー賞を受賞。
彼はこれまでに20曲以上の全米ヒット・シングルをプロデュースし、アシャンティの全米No.1ヒット「Foolish」や「Happy」などの共作者としても名を連ねている。
追悼の言葉
彼の家族はインスタグラムで次のような声明を発表している。
「私たちの最愛の父、アーヴィング・“アーヴ・ゴッティ”ロレンツォが2025年2月5日に逝去したことを、深い悲しみとともにお知らせいたします。彼は家族や友人たちに見守られながら旅立ちました。彼が残したレガシーは、彼を知るすべての人々、そして彼が影響を及ぼした無数の人々の心に永遠に響き続けるでしょう。私たちの父は、真の意味で先見の明を持った偉大な人物でした。彼はヒップホップ業界に革新をもたらし、アーティストやファンにとって新たな時代を築き上げたのです。彼の音楽への情熱と創作への献身は多くの人々にインスピレーションを与え、その功績はこれからも後世に影響を与え続けるでしょう。この困難な時期を乗り越えるにあたり、最愛の父、息子、兄弟、叔父、そして友人を失った悲しみに寄り添うため、どうかプライバシーへのご配慮をお願いいたします。彼の精神が、彼の音楽と私たち皆と分かち合った愛を通して生き続けることが、せめてもの慰めのように思えます。この困難な時期にご理解とご支援をいただき、心から感謝いたします。愛を込めて——アンジー、ソニー、JJ」
Written By Hannah Zwick
- Def Jam:世界一にして唯一無二のヒップホップ・レーベルの軌跡をたどる
- 設立40周年:DEF JAM/デフ・ジャムを仕切った5人の男たち
- 音楽業界究極のプロデューサー、リック・ルービンとアメリカン・レコーディングスの歴史
- リック・ルービンのパンク・バンド、ホーズのデビュー作とデフ・ジャム帝国の誕生
- 創立35周年デフ・ジャムのエポック・メイキングな5曲【丸屋九兵衛連載】
- ヒップホップ・サウンドトラックの名盤8枚+α
- 【独占】LL・クール・Jが語る新作とカルチャーとしてのヒップホップ
- LL・クール・Jとザ・ルーツの名曲をマッシュアップしたNBA公式ソング公開
- 8月11日を“ヒップホップ記念日”にする決議案が米上院で可決