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レーナード・スキナード最後の存命創設メンバー、ゲイリー・ロッシントンが逝去。その功績を辿る
レーナード・スキナード(Lynyrd Skynyrd)のギタリストで、最後の存命創設メンバーだったゲイリー・ロッシントン(Gary Rossington)が米時間2023年3月5日、71歳で逝去した。現時点で死因は明かされていないが、バンドは新たなツアーを約4ヶ月後にスタートさせる予定だった。
ゲイリーは、2015年に心臓発作を起こし、2021年には心臓の緊急手術を受けるなど、数年前から健康問題を抱えていた。レーナード・スキナードは次のような公式声明を発表している。
「深い哀悼の意と共に、私たちの兄弟、友人、家族、ソングライター、ギタリストであるゲイリー・ロッシントンが本日亡くなったことをお知らせします。ゲイリーは今ごろ天国でレーナード・スキナードの兄弟たちや家族と一緒に、いつものようにカッコよく演奏していることでしょう」
2016年、ゲイリー・ロッシントンは米ビルボード誌の取材に、健康上の問題を抱えながらも音楽活動を続ける理由についてこう語っていた。
「私の性分だろうね。私はただの年老いたギタリストだし、私たちは一生をかけて、1万時間かけて、演奏の仕方を学び、実際に演奏してきたんだ。だから、一度自分で何かを身につけたら、それに励んで、技術を磨き続けるべきだと思う。引退したら、次に何があるんだ? 私は釣りが好きだが、どれだけ釣りをやってられると思う?」
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その生涯
1951年にフロリダ州ジャクソンビルで生まれたゲイリー・ロッシントンは、1964年にベースのラリー・ヤンストロム、ドラムのボブ・バーンズと“ミー、ユー、ヒム(Me, You, and Him)”というバンドを結成し、音楽活動を始めた。
当時の彼は野球選手になりたかったが、ザ・ローリング・ストーンズを聴いて、本格的に音楽を志すようになったという。一方で、その野球がきっかけで、レーナード・スキナードが誕生した。ゲイリー・ロッシントン、ボブ・バーンズ、ラリー・ヤンストロムの3人は、野球の試合でライバル・チームでプレイしていたヴォーカルのロニー・ヴァン・ザントと出会い、彼らはボブ・バーンズの両親の家のカーポートで一緒にジャム・セッションを行うようになる。
数度のバンド名の変更を経て、彼らは最終的に、当時16歳だったゲイリーが通っていた学校の厳しい教師レナード・スキナーの名前をとって、“レーナード・スキナード”という名前に落ち着いた。レナード・スキナーは、ゲイリーのような長髪の少年には容赦しない方針だったため、彼は停学処分を受け、その後すぐに退学した。
1973年に発売されたバンドのデビュー・アルバムには、彼らの代表曲となった9分間の楽曲「Free Bird」が収録されている。ゲイリー・ロッシントンは、2作目のアルバムからのヒット・シングル「Sweet Home Alabama」のほか、「I Ain’t The One」「Things Goin’ On」「Don’t Ask Me No Questions」「Gimme Back My Bullets」などの楽曲を共作している。
悲劇を乗り越えたバンド
1977年、バンドを乗せた飛行機がミシシッピ州で墜落し、ヴォーカルのロニー・ヴァン・ザント、ギタリストのスティーヴ・ゲインズ、彼の姉でバックシンガーのキャシー・ゲインズ、ツアー・マネージャーのディーン・キルパトリック、操縦士と副操縦士の6人が即死した。
この飛行機に乗っていた他の20名は一命をとりとめ、意識を失っていたゲイリー・ロッシントンが目覚めた時には、飛行機のドアの下敷きになっていたという。この事故により、両腕、両足、手首、足首、骨盤を骨折した彼は、その後怪我からは完全に回復したものの、回復期に大量の鎮痛剤に依存したことにより、以降何年も薬物依存と闘うことになる。
「あんな事が起こった後に、どう生きていけばいいのか想像できなかった。兄弟のような存在を失った時、前に進むことなどできなくなるんだ」
この悲劇的な事故後にレーナード・スキナードは解散したが、1987年に再結成を果たし、その後も何度かラインナップを変えながら活動を続けてきた。バンドの全アルバムに参加した唯一の存命オリジナル・メンバーだったゲイリー・ロッシントンについて、ジョニー・ヴァン・ザント(ロニーの弟で1977年からのバンドのフロントマンを務めている)は、かつてこう語っていた。
「ゲイリー・ロシントンのいないレーナード・スキナードはあり得ないと思う」
ゲイリー・ロッシントンは、アレン・コリンズ、エド・キング、ヒューイー・トーマソンなど、歴代のバンドのギタリストたちよりも長生きした。2004年、ローリング・ストーン誌の「史上最も偉大な100人のアーティスト」ランキングで、レーナード・スキナードは95位にランクインし、バンドは2006年にロックの殿堂入りを果たしている。
Written By Tim Peacock
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