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数々のジャケ写を手掛けたグラフィック・アーティスト、フランク・コジックが逝去。その功績を辿る

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5月 11, 2023

Frank Kozik - Photo: Craig Barritt/Getty Images for Kidrobot

オフスプリングの『Americana』やクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのセルフタイトルのデビュー作など、数々のアルバム・ジャケットのアートワークや大物バンドのコンサート・ポスターを手掛けてきたアイコニックなグラフィック・アーティスト、フランク・コジック（Frank Kozik）が61歳で逝去した。

死因は明かされていないが、この訃報を伝えた彼の妻シャロンによると、彼の死は“予期せぬこと”だったという。彼女は次のような声明を発表している。

「非常にショックで悲しいお知らせですが、フランク・コジックがこの土曜日に突然亡くなってしまいました。フランクは偉大な人物で、彼が活躍した各ジャンルのアイコンでした。彼は自らが関わった全ての業界を劇的に変化させました。彼の創造力は生まれもってのものでした。彼の人生の一部になれたことはこの上なく幸運であり、光栄に思っています。言葉では言い表せないほど彼のことを恋しく思うでしょう。彼は妻、猫、マッチョなクラシックカー、人に助言すること、そしてディズニーランドを愛していました。彼の力強い存在感は、彼を知るすべての人々に惜しまれることでしょう。彼のレガシーは、他の偉大な巨匠たち同様に、彼が残した芸術作品と彼との思い出を通して愛されることでしょう。追悼式の詳細については、近日中にお知らせします。今は、この困難な時期に、私たちのプライバシーを尊重してくださるようお願いします」

Americana

その生涯

1962年1月9日にスペインのマドリッドで生まれたフランク・コジックは、フランコ政権による独裁時代に成長期を過ごした。10代で渡米し、最初は父親と共にカリフォルニアのサクラメントに住んでいたが、その後空軍に入隊し、オースティンに駐屯することになる。

10代後半から独学でアートを学び、電柱に貼られた友人のバンドのモノクロのフライヤーからグラフィック・アーティストとしてのキャリアをスタートさせた彼は、やがて、パール・ジャム、ホワイト・ストライプス、ビースティ・ボーイズ、グリーン・デイ、ニール・ヤング、ニルヴァーナといった大物バンドのコンサート・ポスター（大型シルクスクリーンプリントなど）を手掛けるようになり、サウンドガーデンの「Pretty Noose」をはじめ、数多くのミュージック・ビデオの監督も務めた。

Soundgarden – Pretty Noose

その後、自身のレコード・レーベル“Man’s Ruin Records”を立ち上げたフランク・コジックは、セックス・ピストルズやクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ（デビュー・シングルは同レーベルから発売）の作品を含む、同レーベルからリリースした200作以上のシングルとアルバムのアートワークのほとんどを自らがデザインした。

Queens of the Stone Age – Regular John (Official Audio)

1990年代初頭に入り、玩具やコレクターズ・アイテムなど、他のメディアに注力するために同レーベルを閉じた後は、コレクターズアイテム会社Kidrobotのチーフ・クリエイティブ・オフィサーとなり、D.C.やマーベルとのライセンス提携によるスーパーヒーロー・ヴァージョンなどでも人気を博したキャラクターのLabbit（ビニール製のタバコを吸うウサギ）を含む、500以上の限定フィギュアのデザインを手掛けていく。

彼の作品は、当時のグラフィック・アーティストやコレクターズ向け玩具デザイナーの影響を与え、ナイキやスウォッチといった様々なブランドとのコラボレーションも実現させていった。