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買収されそうな老舗レコード店が舞台の映画『エンパイアレコード』がミュージカルに
若いレコード・ショップの店員の物語を描き、非常に評価の高かった1990年代カルト名作映画『エンパイアレコード』がブロードウェイでミュージカル化されることが決定、2020年に初演を予定している。
1995年に公開された『エンパイアレコード』には、レネー・ゼルウィガー、リヴ・タイラー、イーサン・エンブリー、ロビン・タニー、ロリー・コクレインとジョニー・ホイットワースと印象的なキャストが勢ぞろいしていた。この映画のストーリーは、大きなチェーン店に買収されようとしているレコード・ショップを救おうと企み、落ちぶれたポップ・スターであるレックス・マニングの来店に向けてスタッフが準備をするという1日の出来事を描いたもので、若者の悩み事と向き合いながら物語が展開していく。
ローリング・ストーン誌のインタヴューに応えたミュージカルのプロデューサーであるビル・ワイナーは『エンパイアレコード』が持ち続けてきたパワーがブロードウェイ・ショウにぴったりな理由をこう語った。「この映画は年月とともにカルト的なファンが増え、あらゆる年齢の人々が共感出来る悩みを取り上げています。また、当時は90年代は音楽ビジネスの変化の時であり、それが自分の青春の一部として記憶に残っている人が多い時期です。このミュージカルの話を人にすると、決まってみんな顔が晴れやかになったんです、これは何かあるぞと実感したんです」。
映画『エンパイアレコード』の脚本家、キャロル・ヘイッキネンは自身の脚本をブロードウェイのミュージカルに脚色しなおし、セリフや歌詞を通して様々なキャラクターの人物像をさらに発展させることができる。映画は、彼女が今では日本以外では存続していないタワー・レコードで働いていた経験に基づいているが、ストリーミングが主要になった今日の時代においても、物語の核は共感できるものだとしている。キャロルは「ティーンエイジャーが音楽に対してもつ気持ちは変わっていないと思います。音楽で自分自身を定義するんです」と話している。
もちろん音楽は映画『エンパイアレコード』で重要な役割を果たしていた。A&Mよりリリースされた本作のサウンドトラックには、クランベリーズ、ジン・ブロッサムズ、エドウィン・コリンズとベター・ザン・エズラなど90年代の名作アーティストを含み、さらにAC/DCからザ・ザ、ダニエル・ジョンストンからボディ・カウントまで、様々な楽曲が映画を通して散りばめられていた。メタル・バンドのグワァーも大麻入りのブラウニーによる幻覚の中でカメオ出演している。
『エンパイアレコード』のミュージカル版での音楽や歌詞の担当として、制作チームは注目株のブロードウェイ・スター、ゾーイ・サルナックに打診した。彼女は最近ではミュージカル『Afterwords』で名誉あるジョナサン・ラーソン・グラントを受賞している。ゾーイ・サルナックは映画の中で音楽が様々な方法でキャラクターを作り上げるために活用されていることを指摘。それはレコード・ショップのスピーカーから流れる音楽からレネー・ゼルウィガーが演じるジーナがコヨーテ・シバーズの「Sugar High」のパフォーマンスを披露するシーンまで様々だ。
「インスピレーションを貰えるものがたくさん詰まっているんです」とゾーイ・サルナックは話す。「私は90年代のオルタナティヴ・ロックの大ファンなんです。それに当時はそのジャンルがパンク、グランジ、ポップまで入り混じったとても特別な時代だった。これらのスタイルは、メロディックでありながら自然で、直感的で劇的です。それに他の多くの新しいブロードウェイ・ミュージカルがコンテンポラリーなスタイルを取り入れてきているので、この作品をみなさん気に入ってくれると思います」。
ゾーイ・サルナックは『エンパイアレコード』からの唯一のオリジナル曲であるレックス・マニングの情熱的なヒット曲「Say No More, Mon Amour」はミュージカル版でも活用されるかもしれないと話す。「レックスの落ちぶれたポップの雰囲気を捉えていますし、ファンの皆さんも喜んでくれると思います。でもかっこよくて、思いもしない形で織り込む方法を考えようと思っています。オリジナルに敬意を払いながら、予想外のひねりを加えられたら最高ですね」。
Written by Tim Peacock
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『Empire Records (The Soundtrack)』