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エルトン・ジョンのミュージック・ビデオ・コンペティションの勝者が決定
昨年12月に、世界中の才能ある映像制作者にむけて「Bennie and the Jets」、「Rocket Man」、「Tiny Dancer(邦題:可愛いダンサー(マキシンに捧ぐ))」のミュージック・ビデオを公募したが、エルトン・ジョンと彼のソング・ライティング・パートナーのバーニー・トーピンが3人の優勝者を決定した。
彼らのソングライティング・パートナーシップ50周年を記念して、この2人はYouTubeと共に、まだ発見されていない才能にこの曲で命を与える企画 ‘Elton John: The Cut’を開始した。これらはミュージック・ビデオのストリーミング前に流されるもの。
「Rocket Man」はアニメーション、「Tiny Dancer」は実写、そして「Bennie and the Jets」では、振付(ダンス)にフォーカスしたものを制作するという条件のもと、50以上の国々から応募が寄せられた。
初めの審査は、それぞれのカテゴリーにおけるYouTubeの主要クリエイター3人によって行われた。カート・ヒューゴ・シュナイダーが実写を、パリス・ゲーブルが振付(ダンス)を、PESがアニメーションを審査。その結果を、彼らが選んだものをオスカー受賞映画『ムーンライト』の監督バリー・ジェンキンス、ドリームワークス・アニメーションの最高責任者ジェフリー・カッツェンバーグ、グラミー賞受賞のミュージック・ビデオ監督メリナ・マトソウカス、そしてバーニー・トーピンとエルトン・ジョンからなる最終審査員が選考をおこなった。
選考の基準を聞いたところ、バリー・ジェンキンスは「選ばれた人はみな曲の本質、概要の本質などに関して考えを持っていたことと、それらを自らの作品で明示していた。僕にとっては、すべての優勝者がそれを兼ね備えていると思うよ」と答えている。
ビデオの完成版が公開されるまでの間、YouTubeには選考の過程や、選抜候補作リストを選ぶ過程のビハインド・ザ・シーンズが公開された。(*YouTube右下の字幕のアイコンで日本語字幕を表示できます)
エルトン・ジョンの1973年のヒット「Bennie and the Jets」を視覚化するために、審査員たちが選んだのは、賞の受賞経験もあるミュージック・ビデオ、コマーシャル・ディレクターのジャック・ホワイトリーとそのクリエイティブ・パートナーであり、コリオグラファーのローラ・ブラウンヒル。このUKを拠点にしたチームは、歌詞やテーマを通して曲の神話が入り込む大きな回転木馬兼ゾエトロープ(回転覗き絵)スタイルのセットで行われる未来的なタレント・ショウを提案。 ビヨンセの画期的な映像作品「Formation」や「Pretty Hurts」などのビデオを手掛けている、メリナ・マトソウカスはこの作品に関してこう語っている。「(ジャックとローラ)の論及、音楽、歴史、芸術に関する知識には非常に感銘を受けました。みんな見るや否や彼らのアイディアに引き寄せられたのです」。
「Tiny Dancer」の映像には、もう一人のUKの才能、マックス・ウェイランドが選ばれた、彼は、振付のカテゴリーでも選考される寸前であった。「Tiny Dancerは、、、カリフォルニア人である必要があったんだ」とエルトン・ジョンは言った。「マックスは、我々に可能な限りベストなストーリーを提示してくれた。 彼はこの曲の本質をとらえていたんだ。それに彼は振付のカテゴリーでも選ばれそうだったんだよ、とにかく、才能ある若者だね」。マックス・ウェイランドのストーリーは、骨の髄までLAだ、そして、曲を通じて、人生の一切れをとらえるように、その町の有名な交通渋滞をフィーチャーしている。彼は今までに、ザ・ヴァクシーンズやレジー・スノウなどのミュージック・ビデオも監督している。
アニメーション・カテゴリーの「Rocket Man」では、ドリームワークスのジェフリー・カッツェンバーグと他の審査員たちは、マジッド・アディンが、1972年発売された『Honky Chateau』に収録されたこの名曲をアニメーション化するための勝者であるとすぐに認めた。イランの大学でアートを学んだあと、亡命が認められる前に、アディンはイギリスに移住して働く権利を得た。その背景から、この曲の詞と個人的なつながりをアニメーションで描いている。彼のストーリーでは「Rocket Man」をその家族や過去の暮らしを懐かしむ亡命者として描いている。
「とにかく感動させられました。(マジッドは)この曲の中に、とても重要な何かを見つけ、そして彼の人生や旅と関連付けたのです」とジェフリー・カッツェンバーグは語った。「この曲の文脈で全く思いつかなかったことです。彼は特別なことをやり、行動したのです」。
それぞれの「ビデオの完成版は来月公開される。