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クール&ザ・ギャングのオリジナルメンバー、デニス・トーマスが70歳で逝去
不朽のソウル・アイコン、クール&ザ・ギャング(Kool & the Gang)のオリジナル・メンバーであるデニス・トーマス(Dennis Thomas/D.T./Dee Tee)が、2021年8月7日にニュージャージー州の自宅で亡くなった。享年70だった。
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1951年2月9日、デニスはフロリダ州オーランドで生を受けた。クール&ザ・ギャングの中でもおしゃれな人として知られ、ヒップな服や帽子、そしてゆったりとした態度で仲間やファンから愛されていた。アルト・サックス、フルート、パーカッションを担当し、バンドのショーではセレモニー・マスターも務め、グループの衣装スタイリストでもあり、いつも新鮮な姿を見せてくれた。バンドの初期には、デニスは“緊縮財政派”として、グループの収益を紙袋に入れてホルンの中に入れて持ち歩いていたそうだ。
1964年、ロナルド・ベルとロバート・”クール”・ベルの兄弟と、デニス・トーマス、スパイク・ミッケンズ、リッキー・ウェストフィールド、ジョージ・ブラウン、チャールズ・スミスの7人の10代の仲間が集まり、彼らは、ジャズ、ソウル、ファンクを融合させたユニークな音楽を生み出した。最初は「Jazziacs」と名乗っていたが、その後、様々な名前に変更され、クール&ザ・ギャングに落ち着いた。
グループは1969年に正式に活動を開始し、今ではファンク、ソウル、R&B、ポップスの生きる伝説となっている。現在までに、グラミー賞2回、アメリカン・ミュージック・アワード7回、R&Bトップ10ヒット25曲、全米チャートTOP10ヒットが9曲、ゴールドおよびプラチナ・アルバムは31枚も獲得している。さらに、そのファンクとジャジーなアレンジもあいまって、一時は史上最もサンプリングされたバンドにもなり、彼らの音楽は映画のサントラとしても使用され『ロッキー』『サタデー・ナイト・フィーバー』『パルプ・フィクション』といった名作に使用されている。
クール&ザ・ギャングは、2021年7月4日にロサンゼルスのハリウッド・ボウルで今年のキックオフとなるコンサートを行ったが、悲しいことにこれがデニスとバンドとの別れのステージとなった。
1977年5月の『Blues & Soul』誌のインタビューで、デニスはこう語っていた。
「僕たちは自分たちの音楽をファンキーなものにしたいと思っていました、それが僕らにとっていつも重要なことでした。私たちがまだ取り組んでいない音楽的な分野があり、音楽的に表現していないアイデアがまだまだある。それが、私たちをどんどん先に進ませている理由です。なぜなら音楽の面では、まだまだ開拓できることがたくさんありますからね」
Written By Will Schube
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