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チャーリー・パーカーの人生を描いたオペラ『Charlie Parker’s Yardbird』が来年シアトルで上演
ジャズの巨匠、チャーリー・パーカーからインスパイアされたオペラが、2020年2月22日、シアトル・オペラで開幕することが発表された。作曲家兼サクソフォーン奏者のダニエル・シュナイダーと、数々の受賞歴を誇る詩人で劇作家のブリジット・ウィンバリーが手掛けるこのオペラ『Charlie Parker’s Yardbird』は、同年3月7日まで上演される予定だ。
チャーリー・パーカー役を演じるのは、ジョシュ・スチュワートとフレデリック・バレンタインという2人のテナー・サックス奏者で、後者のフレデリック・バレンタインは、今年5月に同会場で上演された『カルメン』でドン・ホセ役を演じていた。オペラ『Charlie Parker’s Yardbird』のチケットはseattleopera.orgで発売中。
このオペラは、チャーリー・パーカーの遺体が身元不詳のままニューヨーク市の遺体安置所に横たわっているシーンから始まり、その後、彼のゴーストは、彼のニックネーム“バード”にちなんで名付けられたニューヨークのジャズ・クラブ“バードランド”が全盛期だった1940年代から1950年代と彷徨い戻っていく。そこで観客が目にするのは、チャーリー・パーカーが、自らの恐れやインスピレーション、そして彼の天才的な創造力を時に手助けし、時に妨げる2人の女性を再訪しながら、最後の傑作を完成させようともがき苦しむ姿である。
今作の劇作家ブリジット・ウィンバリーは、「当初、私はこのオペラをチャーリー・パーカーの実生活を描き出すものにしたいと考えていましたが、単なる伝記劇にはしたくはありませんでした。ですから、息子、夫、ミュージシャン、そしてひとりの男性としてのチャーリー・パーカーという人物について、より理解を深められるようなプライベートでのエピソードを探し求めました。彼の母、アディー(アンジェラ・ブラウン演じる)は、彼女の息子が抱いていた、リンチされてしまうことへの恐怖や、息子がミュージシャンになったことへの誇りと愛について歌い、彼が亡くなる時、彼女はその心の痛みについて歌います。彼女の物語を通じて、私たちはチャーリー・パーカーについて理解するようになるのです」と語る。
このオペラの中では、チャーリー・パーカーの音楽自体が使われているわけではないが、上演期間中の金曜日と土曜日の公演終了後には、地元シアトルのジャズ団、Seattle JazzEDが、名高い彼の作品群から抜粋した楽曲をロビーで演奏する予定になっている。この他にも、2月24日にはチャーリー・パーカーの人生と音楽的功績を讃えるイベントが、シアトルのロイヤル・ルームで開催され、それに先立って同月20日には、シアトルのSIFF Cinema Uptownで映画『Bird』の上映会が行われる予定だ。
シアトル・オペラの常勤研究員であるナオミ・アンドレは、「“The Life and Times of Malcom X”、“Margaret Garner”、そしてもちろん今回の“Charlie Parker’s Yardbird”と、今日におけるオペラは、優れた才能を持った黒人たちを、また彼らの物語を紹介する上で、ますます重要な芸術形式となっています。解放と行動主義の表現空間になり得るオペラにおいて、黒人たちやありとあらゆる有色人種の人々は、ここオペラハウスの中で故郷に帰った時のような経験ができるはずです」と語っている。
1920年8月29日に生まれたチャーリー・パーカーの生誕100年を祝うべく、2020年には、“Bird 100”として、一年をを通して彼の人生と功績を讃える様々なイベント開催や記念商品のリリースが予定されている。
Written By Paul Sexton
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