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クイーン「Bohemian Rhapsody」やTV番組/MVを手掛けたブルース・ガワーズが逝去。功績を辿る
9シーズン以上の『アメリカン・アイドル』をはじめ、数え切れないほどのテレビ番組や特番、そしてクイーンの不朽の名曲「Bohemian Rhapsody」のPVをはじめとする多くのミュージック・ビデオを手掛け、エミー賞やグラミー賞に輝いたイギリス出身のディレクター、ブルース・ガワーズ(Bruce Gowers)が2023年1月15日、急性呼吸器感染症による合併症のため、サンタモニカで逝去した。82歳だった。
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彼の家族は次のような声明を発表している。
「彼はいつも無限の熱意、エネルギー、情熱、喜びを仕事に注いでいました。彼は共に働くクルーたちを愛し、愛され、同僚としての寛大さでも広く知られ、常に彼のチームに所属する才能溢れる人々を励まし、昇進させていました。面白く、恐れ知らずで、素晴らしく率直な彼の存在は、数え切れないほどの伝説的エピソードの中に記憶され、彼の魅力的な精神はこれからもずっと生き続けることでしょう。彼にとって、コントロール・ルームやバハマの船の上、そしてもちろん家で犬や友人、家族と一緒にいる時が一番幸せでした」
ブルース・ガワーズは、2002年のシリーズ1から2011年のシリーズ10まで、『アメリカン・アイドル』の累計234エピソードを監督し、2009年には同番組でエミー賞の“最優秀音楽バラエティ監督”を受賞。また、1986年に監督を務めたヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの「Heart of Rock and Roll」のミュージック・ビデオでグラミー賞に輝いたほか、1994年には、CBSの特番『Genius: A Night for Ray Charles』の演出でDGS賞を受賞している。
映像ディレクターとして、ミュージック・ビデオ隆盛期の最前線にいた彼が手掛けた作品で最も有名なのは、クイーンの「Bohemian Rhapsody」で、彼はこのビデオにより、バンドの世界的名声獲得に多大な貢献を果たした。彼は2018年のデイリー・メール紙の取材にこう語っていた。
「ミュージック・ビデオは音楽のイメージを変えました。誰もがビデオを作っていて、バンドはビデオが良ければ売り上げやチャートが上がっていました」
その生涯
1940年12月21日にスコットランドのニュー・キルブライドで生まれたブルース・ガワーズは、プリンスの「1999」やマイケル・ジャクソンの「Rock With You」など、ミュージック・ビデオの歴史において最も愛され、最も視聴された多くの映像作品の監督を務めてきた。
彼が手掛けてきた主なMV作品は以下の通り
・ザ・ローリング・ストーンズ「Fool To Cry」
・ロッド・スチュワート「Hot Legs」
・ビー・ジーズ「How Deep Is Your Love」
・ラッシュ「Tom Sawyer」「Limelight」
・10cc 「I’m Not In Love」
・チャカ・カーン「I’m Every Woman」
他にもスーパートランプ、ELO、マイク・オールドフィールド、ジェネシス、TOTO、スティクス、ジャーニー、ジョン・クーガー(メレンキャンプ)、KISS、REOスピードワゴンらのミュージック・ビデオを手掛けている。
また、TV特番のスペシャリストとして、マイケル・ジャクソン、ブライアン・ウィルソン、ブリトニー・スピアーズ、フリートウッド・マック、ポール・マッカートニーらの番組を監督し、2005年の世界規模のチャリティ・コンサート「LIVE 8」のテレビ中継の指揮を執った他、ジェリー・サインフェルド、エディ・マーフィ、ロビン・ウィリアムズ、ビリー・クリスタルらの特番を手掛け、第57回および第59回のエミー賞、ACM、VH1、ビルボード、MTV VMAなど、数多くのアワードを受賞している。
Written By Paul Sexton
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