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キングストン・トリオで唯一存命の創設メンバーだったボブ・シェインが85歳で逝去。その半生を辿る

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キングストン・トリオで唯一存命の創設メンバーだったボブ・シェインが、2020年1月26日に85歳で逝去した。彼の妻ボビー・チルドレスによれば、彼は肺炎を患っていたという。

1950年代前半にサンフランシスコで結成したキングストン・トリオは、1958年から1963年にかけて、全米1位に輝き、1998年には「グラミーの殿堂」入りを果たした彼らの代表曲「Tom Dooley」(1958年)をはじめとする17枚ものシングルを全米チャートに送り込んだ。

Tom Dooley (Remastered)

 

サンフランシスコ近郊のメンロー・カレッジの学生だったボブ・シェインは、同じ授業を受けていたニック・レイノルズに出会い、故郷ハワイでの音楽仲間で当時スタンフォード大学に通っていたデイヴ・ガードに彼を紹介し、グループを結成。1860年代にルーツを持つ殺人をテーマにした“マーダー・バラッド / 人殺しのバラッド”で、妻を殺害したことで絞首刑となった男について歌った「Tom Dooley」、そして全米チャートで15位を記録した「M.T.A.」や「Scotch and Soda」といった彼らの代表的ヒット曲では、ボブ・シェインがリード・ヴォーカルとギターを担当し、ビーチ・ボーイズの「Sloop John B」のインスパイア元となった「The Wreck Of The John B.」でもそのしなやかな歌声を披露している。

ブルース・ポロックは、自身の著書『When Rock Was Young』の中で、彼らの音楽についてこう言及している。

『彼らは、学生仕込みの下品なユーモアをふんだんに盛り込み、辛口のウィットとハワイのネイティヴ・リズム(デイヴとボブはハワイ出身)、そして流行りのカリプソ(彼らのグループ名はジャマイカの首都であるキングストンから付けられた)を隠し味にしたフォーク・ミュージックで人気を博した 」

Where Have All The Flowers Gone?

 

1662年、キングストン・トリオは、ピート・シーガーの「Where Have All The Flowers Gone」カヴァーで全米チャート21位を獲得し、このプロテストソングの原型とも言える楽曲を大衆へと広めた。その後も彼らは、全23作のアルバムを全米チャートへと送り込み、うち全米No.1を獲得した5作のアルバム『The Kingston Trio』(1958年)、『The Kingston Trio at Large』(1959年)、『Here We Go Again!』(1959年)、『Sold Out』(1960年)、『String Along』(1960年)で通算46週にもわたってチャート首位に君臨し、1959年には4作が同時に全米TOP10入りを果たすという快挙を達成した。

1967年のキングストン・トリオ解散後は、しばらくソロ活動を続けていたボブ・シェインだったが、1969年に、ロジャー・ガンビルとジョージ・グローヴと共にニュー・キングストン・トリオを結成。1982年には、この2つのグループのメンバー全員がテレビ特番のために集結し、復活コンサートを行った。その後もボブ・シェインは、2004年の引退まで様々なメンバーと音楽活動を続けていた。

Written By Tim Peacock



 キングストン・トリオ『The Kingston Trio – Capitol Collectors Series』

  

 

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