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ボブ・ディランが現在お気に入りのアーティストや楽曲を紹介する最新インタビュー公開
18年振りの著書『The Philosophy of Modern Song』を発表したばかりのボブ・ディラン(Bob Dylan)が、自身の公式ウェブサイトでウォール・ストリート・ジャーナル紙のジェフ・スレイトとの貴重な最新インタビューを公開し、現在お気に入りのアーティストや楽曲について明かしている。
同インタビューの中で、彼はメタリカ、レナード・コーエン、ブレンダ・リー、エミネムらを好きなアーティストとして紹介している他、フランク・シナトラのクリスマス曲、フリーのブルース・ロック曲、エラ・フィッツジェラルドの不朽の名曲などを自身のお気に入りの楽曲として挙げている。
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ディランお勧めの曲
ボブ・ディランは同インタビューで次のように語っている。
「CD、衛星ラジオ、ストリーミングでも音楽を聴いているけど、とりわけ昔の真空管レコードプレーヤーで聴く、古いレコードのサウンドが好きなんだ。何も探していない時に、直感的に出くわす楽曲もある。タイニー・ヒル、テディ・エドワーズなんかもそう。無名なアーティストや無名な曲もあるね。フランク・シナトラが録音したジミー・ウェッブの“Whatever Happened to Christmas”という曲は、60年代に録音されたものだと思うんだけど、最近知ったばかりなんだ」
「エラ・フィッツジェラルドの“A-Tiskit, A-Tasket”や女性版エルヴィスとも言えるジャニス・マーチンもそう。彼女の曲を聴いたことがある? ジョー・ターナーは、ちょっとしたニュアンスなんかに毎回驚かされるんだ。ブレンダ・リーはよく聴いている。何度聴いても、初めて聴いた時のような新鮮さがあるよ。彼女の音楽には古のソウルが宿っているんだ。最近では、テディ・バンという素晴らしいギタリストを発見した。ミード・ルクス・ルイスとシド・キャトレットのレコードで聴いたんだ」
ボブ・ディランは、その折衷的な感覚で新旧のアーティストについて言及している。「パフォーマーやソングライターがいろんな楽曲を薦めてくれるんだ」と彼は語る。
「ある日突然出会ったアーティストもいれば、ライヴを観た人もいる。オアシスの兄弟は両方好きだし、ジュリアン・カサブランカス、クラクソンズ、グレイス・ポッターも好きだ。メタリカのライヴは2回観たし、ジャック・ホワイトとアレックス・ターナーのライヴはすごく観たくで足を運んだよ。ザック・デピュティは最近知ったんだ。彼はエド・シーランのようなソロ・ライヴをするんだけど、演奏するときは座っているんだ。それから、ロイヤル・ブラッド、セレステ、ラグンボーン・マン、 ウータン・クラン、エミネム、ニック・ケイヴ、レナード・コーエン、言葉や言語に感情が宿っている人、私と同じようなビジョンを持っている人のファンだね」
偉大な吟遊詩人、ボブ・ディランによるその他のセレクションには、1960年代と70年代の珠玉の名曲、元ガンズ・アンド・ローゼズのベーシストのソロ曲、そしてクラシック楽曲なども含まれている。
「私のプレイリストには、60年代に録音されたキンクスの“Waterloo Sunset”やフリーの“The Stealer”も、レッドベリーやカーター・ファミリーの曲と共に長年入っている。ダフ・マッケイガンの“Chip Away”は、私にとって深い意味がある、写実的な曲だね。ドヴォルザークの“Moravian Duets”は、発見したばかりだけど、100年以上前の曲なんだ」
Written By Paul Sexton
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