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世界中の音楽のルーツをリサーチし、探索した音楽ドキュメンタリー「American Epic」
バーナード・マクマホン監督、ロバート・レッドフォードやジャック・ホワイト、T-ボーン・バーネットらの才能を集めて制作された「American Epic」がアメリカの放送局PBSで、2017年5月16日にプレミア放送される。このプロジェクトは3つパートからなり10年かけ、世界中の音楽のルーツをリサーチし、探索したものを編集したものである。
このシリーズは、すでにハリウッド・リポーターなどをはじめとするメディアから賞賛を受けている。ハリウッド・リポーターは「音楽的、教育的にも豊富な祝宴」と称した。また、ロンドン映画祭では、「イギリス人ドキュメンタリー監督バーナード・マクマホンが彼の素晴らしいAmerican Epicシリーズでなにか本当に特別なものを作り上げた。あなたが、もしも何らかの音楽のファンであるならば、これは見逃してはならない」と称賛。このシリーズのナレーションを務めるロバート・レッドフォードは、「アメリカの素晴らしいまだ語られていない物語」と称した。
このプロジェクトは、まだクラシックやブロードウェイの音楽が征服していたメインストリームにカントリーやブルース、フォークを紹介した1920年、30年代の現場の記録を再体験するものだ。この記録は、アパラチア山脈のカントリー・シンガー、ミシシッピ、デルタのブルース・ギタリストたち、南部のゴスペルを歌う伝道師たち、ルイジアナのケイジャン・フィドル演奏者たち、テキサスのメキシコとの国境沿いのテハノのグループ、アリゾナのネイティヴ・アメリカンの打楽器奏者、ハワイのミュージシャンたちによって構成される。
こういった事象をまとめたドキュメンタリーはほとんど存在していなかったが、このシリーズでは今まで見られたことのない過去の映像や写真、音楽の先駆者たち、その家族と目撃者たちへの独占インタビューなどを通じて、開拓者的なミュージシャンたちの生活がどのようなものだったのかを明らかにしている。こういったアーティストの中には、カーター・ファミリーやチャーリー・パットン、ミシシッピ・ジョン・ハート、ホピ・インディアン・チャンターズ、ブロー・ファミリーなどが含まれている。
シリーズの中では、1920年代に行われた最初の電気を使ったレコーディング・システムを再現しており、20のコンテンポラリー・アーティストがディスクに楽曲を録音するために招かれた、このアルバムはジャック・ホワイトとT-ボーン・バーネットによってプロデュースされた。このレコ―ディングに参加した主なアーティストは、エルトン・ジョン、ベック、ウィリー・ネルソンと故マール・ハガード、アラバマ・シェイクス、そしてプロデューサーのジャック・ホワイト自身である。
他にも、スティーヴ・マーティン&エディ・ブリケル、ポーキー・ラファージ、ジ・アヴェット・ブラザーズ、ラファエル・サディーク、アシュリー・モンロー、リアノン・ギデンズ、ロス・ロボス、アナ・ガブリエルやベティ・ラヴェットらが参加。この20のリストを完成させるのはジ・アメリカンズ(最近初のヨーロッパ・ツアーを行ったばかり)、フランク・フェアフィールド、ロスト・バイユー・ランブラーズやジェロン・‘ブラインド・ボーイ’・パクストンである。
「“American Epic”はアメリカへのラヴ・レターのようなものです」とバーナード・マクマホンは語る。「これは、アメリカの歴史における素晴らしい瞬間のひとつに関する物語です。当時の国中の労働者、マイノリティ、地方の人々の声が、初めて聴かれる時がきました。豊かな文化、技術的革新、企業家精神、そして言論の自由など、イギリス人の私がアメリカについて素晴らしいと思っている全てを称賛するのです」。
3つのパートはそれぞれ5月16日、23日、30日に放送され、‘The American Epic Sessionsは6月6日に放送される。このシリーズはイギリスでは、今月BBC4で放映される。