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アビイ・ロードの象徴的“スタジオ・ワン”が改修工事を終え再オープン。新たな歴史の幕開け

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Photo: Robert Alexander/Getty Images

ロンドン北西部にあるアビイ・ロード・スタジオの象徴ともいえる伝説の“スタジオ・ワン”が、大規模な改修工事を終えついに再オープンした。2024年後半に改修のため史上初の閉鎖を迎えていたが、この度レコーディング・セッションの舞台としてその扉が再び開かれる。

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現地時間3月27日、同スタジオの再オープンを祝うために、コンテンポラリー・ダンスと音楽が融合した祝典イベント“Synergy In Motion”が開催。振り付けはロイヤル・バレエ団のジョセフ・トゥーンガが担当し、映画『スパイダーマン:スパイダーバース』などで知られる作曲家のダニエル・ペンバートンによる映画音楽に、アビイ・ロードのアーティスト・イン・レジデンス、ジョーダン・ラケイがリミックスとアレンジを手掛けた音楽が披露された。

アビイ・ロードでマネージング・ディレクターを務めるサリー・デイヴィスは、このイベント翌日に次のような声明を発表している。

「スタジオ・ワンの再オープンは、アビイ・ロードのレガシーを讃えつつ、未来を見据えた新たなエネルギーを感じさせるものです。昨夜の多分野にまたがる祝典イベント“Synergy In Motion “は、あらゆる場面で革新と創造性を称える新たな時代の幕開けにふさわしいものとなりました」

アビイ・ロードが「世界最大のレコーディング専用スタジオ」として紹介するスタジオ・ワンは、100人規模のオーケストラを収容可能で、主にクラシック音楽や映画音楽のレコーディングに使用されてきた。

過去には、ジョン・ウィリアムズの作品をはじめ、『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』、『スター・ウォーズ エピソード6/ ジェダイの帰還』、さらには『ハリー・ポッター』シリーズのサウンドトラックも録音された。また、ハリー・スタイルズ、U2、ノエル・ギャラガー、リトル・シムズ、サム・スミス、セレステといった現代の著名ミュージシャンたちもこのスタジオでレコーディングを行っている。

今回の改修では、20年間にわたり使用されていたAMS Neve社製の72チャンネル88RS SP2録音コンソールを、新たに84チャンネルの88RS SP3D録音コンソールへと交換。スタジオ内には広範囲にわたる音響処理が施され、音響特性を向上させるための新たなファブリックも導入。また、ミュージシャンたちが常駐するライヴ・ルームには、新たに10列のウール・サージが敷かれ、視認性を高めるための3列×9個のLEDペンダントライトも設置された。

1831年に住宅用タウンハウスとして建設されたアビイ・ロードの建物は、その1世紀後となる1931年にレコーディング・スタジオへと改装され、EMIスタジオとしてオープン。エドワード・エルガーやセルゲイ・プロコフィエフといったクラシック音楽の巨匠たちがレコーディングを行ってきた。

1958年に開設されたスタジオ・ツーではザ・ビートルズがレコーディングを行い、1969年のアルバム『Abbey Road』にその名を冠したことでも知られている。現在、アビイ・ロード・スタジオはユニバーサル ミュージック傘下のヴァージン・レコードが所有している。

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Written By Sam Armstrong


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