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ザ・フー “ 四重人格 以来最高作”と語る13年ぶりの新作『WHO』発売。“失われた楽曲”についてのピートの長文コメント到着
2019年12月6日、前作から13年ぶりとなるザ・フーのニュー・アルバム『WHO』がリリースされ、デラックス・ヴァージョンに収録される“失われた”楽曲についてピート・タウンゼントが語る長文コメントの日本語訳も公開となった。
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本作『WHO』は、ロジャー・ダルトリー本人が彼らの最強作と位置付け「1973年の 『Quadrophenia / 四重人格』以来最高のアルバムを作り上げた」とコメントし、英メディアも“『Quadrophenia』以来の最高傑作”(Uncut誌)、“1975年の『The Who by Numbers』以来の最高傑作”(The Times紙)など、大絶賛が寄せられている。
アルバムのデラックス・ヴァージョンに収録されるボーナス・トラックとして、これまで“失われた”楽曲とされていた1966年の2曲「Got Nothing to Prove」と「Sand (Demo)」が収録される。「Sand (Demo)」は3枚組カラー・ヴァイナルのみに収録される曲だが、日本盤CDにもボーナス・トラックとして収録される。ピート・タウンゼント(Guitar)はこの楽曲について当時を振り返って言う。
「2曲とも、1966年の夏頃にできた曲で、バンドのメンバーには拒絶されなかったかもしれないが、私の創作上のメンターでもあるザ・フーのマネージャー、キット・ランバートが受け入れてくれなかったんです。1967年に曲がお蔵入りになりそうになったとき、私は“Got Nothing to Prove”を、1965年にマーキーで僕らのサポート・アクトをしてくれたジミー・ジェイムス&ザ・ヴァガボンズに頼みました。彼に聴いてもらうためにトゥイックナムの自宅でデモテープをかけたのを覚えています。彼らのマネージメントをまだピーター・ミーデンが請け負っていた頃だった。彼が我々のPR担当だったのは1964年のほんの短い間だったけど、私は特に影響を受けたんです。ジミーはこの曲を気に入ってくれて、もっとR&Bっぽくしてテンポを遅く変えてみたらどうかと言ってくれたけど、それでも状況は変わらなかった。思うにキットは、この曲が、現実世界の私よりもっと年上で、自分に満足しきった男が歌っているように聴こえたんじゃないかな。ロジャーもそう思ったかもしれない。でも、今なら上手くいく。あの頃では駄目だっただろう。デイヴ・サーディと私は、ジョージ・フェントンに、この曲に“スウィング60’s”バンド風なアレンジをほどこして、より面白いものにしてくれないか、それにきっちりオースティン・パワーズ的なファンタジーにもしてくれと頼むことにしました。その結果、すっかり気に入ったものになりました」
「“Sand”も同じ頃にできたものです。単純なアイデアから生まれた曲で、夏のビーチでヴァケーション中にロマンスが生まれるんだけど、雨が降る自宅に帰ってくると恋人たちは続かないという内容。この曲も、キットはアルバムに入れるのも止めておこうと言ったので、ただしまい込まれていた。私はずっとこの曲を好きだったけど、パソコンがもっと有能になって、デモテープに影響するようなテープが伸びる問題なんかを解決できるようになるまで待っていたんです。私はこの曲を、自宅にあるスタジオで、何となくザ・フーならこの曲をこんなふうに演奏し、こんなふうにレコーディングしただろうと自分で感じるように蘇らせた。そういうわけで、バック・ヴォーカルや、リッケンバッカーのエレクトリック・ギターや、アコースティックの12弦ギター、それに正確にその時代を思い起こさせるように、フィードバックさせた部分も加えています。これらの2曲は本来なら私のアルバム『Scoop』に入るような曲かもしれないが、私はA&Rのリチャード・オドノヴァンに示したかったんです。つまり彼なら、そして私も感じていることですが、この2曲が新しいザ・フーのファンに、初期のすべてのザ・フーの曲のようなロー・ファイの良さや、私が自宅のスタジオでワンマン・バンドを経験したときの純粋な喜びを気づかせてくれるだろうと。以前はそういうのが普通だったから。結局のところ、これはザ・フーの歴史です。そして、偏執的なコレクターだけに向けられたものでもないんです」
ニュー・アルバムのリリースに伴い、キース・ムーンの生前最後のパフォーマンスとなった「Won’t Get Fooled Again」と「Baba O’Riley」の1978年の映像が公開されている。
ザ・フー『WHO』
2019年12月6日発売
CD / iTunes
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