New Releases
マムフォード&サンズが語る、6年半ぶりとなる新作アルバム『Rushmere』
2010年代にネオ・フォーク・ムーヴメントを巻き起こし、その圧倒的な歌で本国UKのみならずアメリカで話題となったマムフォード&サンズ(Mumford & Sons)による通算5作目のスタジオ・アルバム『Rushmere』が2025年3月にリリースされた。
<関連記事>
・マムフォード&サンズの経歴:“ニュー・フォーク”を越えて生み出されるサウンドと新作
・新世代の「ニュー・フォーク」:席巻したUKフォーク・ロック・リバイバルとは?
アルバムのコンセプト
アルバム・タイトルである”ラシュミア”は彼らが出会った場所にある池の名前である。メンバー・チェンジを経て初のリリースとなるアルバムだからこそ、そんな彼らにとって”始まりの場所”がタイトルとして冠されることになったという。
6度のグラミー賞受賞経験のあるデイヴ・コブをプロデューサーに迎え、ナッシュヴィルやジョージア、UK等でレコーディングされたこの新作アルバムについて、マーカス・マムフォードは次のように語っている。
「このアルバムの核となる要素は、僕ら3人が一緒に音を出し、6、7年ぶりにまた一緒に歌ったことだと思う。そして、バンドとしてのDNAを再び見つけることができたことだと思う。このアルバムには、部屋の中で僕ら3人だけがマイクを囲んで演奏している、無駄をすべて削ぎ落したような瞬間がいくつもあるんだ」
ベン・ラヴェットはバンドメンバーの友情をこう振り返る。
「みんなあまり覚えていないみたいだけど、もともと僕たちは友達で、ただコラボレーションする関係だった。だから、マムフォード&サンズを結成する前から、みんなで一緒に遊んでいたんだ」
メンバーによる収録曲解説
バンジョーを大々的にフィーチャーし、これぞマムフォード&サンズという高揚感を持った魅力に溢れるタイトル・トラック「Rushmere」について、テッド・ドウェインはこう語っている。
「“Rushmere”は、僕らがとても楽しんで演奏している曲なんだ。みんながこの曲をライブで歌ってくれて本当に嬉しいよ」
マーカス・マムフォードは、アルバムの1曲目を飾る「Malibu」について次のように説明する。
「この曲は2023年にロスで再会した時に最初に書いた曲。この曲がとても自分たちらしいと感じることができたし、デイヴ・コブとのレコーディングではこの曲のそういった部分を捉えることができたので、アルバム“Rushmere”のオープニングを飾るべき曲だと思えたんだ。お気に入りの1曲だよ」
また、ベン・ラヴェットはバンド・メンバーの友情が新作アルバムの制作に繋がった経緯についてこう明かしている。
「2023年1月に“ちゃんと集まって意図的に行動してみよう”ということで音楽を作ることにしたんだ。でもその時は正直なところもう一度みんなで一緒に過ごす機会を得ることが目的だった。マーカスの家はとても居心地のいい環境だったしね。でも実際に始めてから30秒くらいで“結構良いんじゃない?”となり続けてみることにしたんだ。実はこのアルバムに収録されている2曲はまたこうして連絡を取るようになってからたった4日間で生まれたものなんだ。友情が僕たちを再び結びつけ、こうして活動することを選択させるような衝動のようなものだった」
そんな衝動が形になった「Caroline」や「Where It Belongs」の制作過程ついてテッド・ドウェインは次のように述べた。
「“Caroline”はナッシュヴィルのRCAスタジオAでライヴ・レコーディングを元に制作したもの。この曲には、生演奏のようなプロダクションが必要だと思い、その思いをもとにして作られたんだ。デイヴ・コブとZoom越しに初めて会った時にバンドが一緒に演奏しているところをしっかり聴かせるためにどうしたらいいのかいろいろと話してくれたので、とてもワクワクしたことを覚えているよ。この曲はそれをよく体現していると思う」
「“Where It Belongs”は、このアルバムの制作にあたって最初に録音した曲のひとつ。デヴォンで、マイク1本で録音したんだ。僕がコントラバスを、ベンがキーボードを、そしてマーカスがきれいにギターで弾き聴かせた。そして、2回目にこの曲を演奏した時にデイヴが“よし、できた”と声をかけてくれたんだ。自然に物事がまとまるのはいいこと。思いもひとつになり、あまり間違った音も弾かなかったから、うまく仕上がったと思う」
バンドの今までとこれから
バンドはアルバム・リリースに先駆けて欧州、北米、オーストラリアの9都市で小さな会場でのスペシャル・ライヴを行ってきた。その様子はバンドのSNSにアップされているが、メンバー同士、バンドとオーディエンスの間、どちらにおいてもその”始まり”に戻るような機会となった。アルバム・リリース後には大規模なワールド・ツアーが待っている。これまで2度の来日を果たしており、3度目の来日にも期待が募る。
マムフォード&サンズは2009年にアルバム『Sigh No More』でデビュー。フォーク・サウンドとロック・ミュージックをブレンドし高揚感溢れる圧倒的な歌を聴かせるというユニークなスタイルで一大ムーヴメントを巻き起こした。全英、全米のアルバム・チャートで1位獲得、グラミー賞や英ブリット・アワードの主要部門受賞、世界中のフェスティヴァルのヘッドライナー出演等、20世紀に生まれた偉大な音楽スタイルを新しい形で21世紀へとバトンを渡し、シンプルな歌の力で世界の人々を繋いできた。
ベン・ラヴェットは現在のバンドへの思いをこう語る。
「僕たちがマムフォード&サンズとしての旅を続けたいんだ。バンドは、僕らの友情を体現している」
Written By uDiscover Team
マムフォード&サンズ『Rushmere』
2025年3月28日発売
CD / iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music
- マムフォード&サンズの経歴:“ニュー・フォーク”を越えて生み出されるサウンドと新作
- 00年~10年代の「ニュー・フォーク」:世界を席巻したUKフォーク
- マムフォード&サンズとファレルのコラボ曲「Good People」がリリース
- ファレル・ウィリアムスの経歴 : トッププロデューサーとなった存在
- ザ・キラーズのブランドン、最新ベスト盤『Rebel Diamonds』について語る
- キラーズのブランドン・フラワーズ:21世紀を代表するロックのカリスマ
- ザ・ラスト・ディナー・パーティー、“実在”で道を切り開いてきた新人バンド
- ザ・ラスト・ディナー・パーティー、デビューAL『Prelude To Ecstasy』発売決定
- 今年を代表する1枚、ボーイジーニアスのデビューアルバム日本盤CD発売決定
- 三姉妹バンドのハイムが3rdアルバム『Women in Music Pt. III』 発売
- イージー・ライフ:UKバンドの枠組みからはみ出す5人組の魅力とは
- 2021年注目の新人UKインディー・バンド、ザ・ラザムス