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CDなのにハイレゾ? 画期的な高音質盤シリーズ「ハイレゾCD」が登場
2018年6月20日にユニバーサル ミュージックのクラシック、ジャズ、ロック、ポップスの名盤100タイトルが「ハイレゾCD」として発売されることが発表となった。
「ハイレゾCD」とは、ハイレゾ音源をクオリティそのまま小さくできる最新のエンコード方法を用いたMQA-CDと、最新の高音質盤であるUHQCDを掛け合わせたもの。SACDと違って通常のCDプレイヤーでも再生可能で音の違いも楽しめるうえ、MQA対応機器やソフトでデコードすれば実際のハイレゾ音源として聴くこともできる。
それぞれ100タイトルはDSDマスターを使用したものを中心にピップアップ。そしてハイレゾCD(Disc 1)と通常CD(Disc 2)に同じ楽曲を収録して聴き比べることができる2枚組タイトルも発売。こちらはロック&ポップス、ジャズ、クラシックの3ジャンル分が発売され、2枚組ながらお試し価格でそれぞれ1000円となっている。
より細かい情報が掲載された特設サイトも公開となった。
hires-cd.jp
■「ハイレゾCD」解説
「ハイレゾCD」という名前を聞くと、オーディオに通じてる人ほど“怪しい”と思うだろう。そもそもハイレゾとは、CD以上のスペック/音質を誇る音楽ファイルを意味する言葉だからだ。例えば192kHz/24bitや96kHz/24bitのハイレゾ音源であれば、CD規格(44.1kHz/16bit)と比べて圧倒的なダイナミックレンジと帯域幅を有するが、その引き換えにファイルの大きさは何倍にも膨れ上がってしまう。それ以前に、そもそも規格が異なるので通常のCDプレーヤーで再生することはできない。
しかし、今度6月20日にユニバーサル ミュージックから発売される「ハイレゾCD 名盤シリーズ」は、正真正銘CDにハイレゾ音源が入っていて、しかも普通のCDプレーヤーで再生できるのだという。いったいなぜだろう?
それを可能にしたのは、MQAという技術。イギリスで開発された最新のエンコード方法で、巨大なハイレゾ・ファイルをCDに入れられる大きさまで“折り畳む”ことができるのだ。折り畳んだファイルを“広げる”にはMQA対応の機器やPCソフト、専用デコーダーなどが必要になるが、CD規格に準じているのでそのままCDプレーヤーで再生することができる。もちろんリッピングも可能だ。
MQAがすごいのは、普通のCDプレーヤーで聴いただけでも音の違いを楽しめるということだ。その秘密が時間軸情報の精度向上。MQAでエンコードすることによって、デジタル変換に伴う時間的な音の滲みがクリーニングされ、2ch音源がより3D的に表現されるというのだ。
そしてもう一つ、「ハイレゾCD」が高音質と謳われる理由がある。それはUHQCDを採用していること。SHM-CDやブルースペックCDなど、素材や製法を見直すことでプレーヤーの読み取り精度を向上させる高音質/高品質CDの最新型で、その再現能力は、超高価なクリスタル・ディスク(ガラスCD)にも迫るという。
手持ちのCDプレーヤーで聴いても高音質で再生できるうえに、条件が整えばハイレゾ再生まで可能になる画期的なCD。その“条件”を整えるためのMQA対応製品は、最新技術ゆえまださほど多くはないが、例えばソニーのハイレゾ対応ウォークマンZXシリーズや、Androidスマートフォンisai V30+ LGV35などの先端機器に続々と採用され始めており、いまやハイレゾ音源のトレンドにもなりつつある。今回、世界最大のレコード会社であるユニバーサル ミュージックが、クラシック、ジャズ、ロック、ポップスの名盤100タイトルを発売することで、ハードの方もさらに活況となっていくだろう。
「ハイレゾCD 名盤シリーズ」
発売日:2018年6月20日
全100タイトル/生産限定盤
税抜価格 3,000円(2枚組4,000円)
グリーン・カラー・レーベルコート/ジュエルケース+クリアファイル帯仕様