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デビュー40周年のボン・ジョヴィ:彼らを後押しした日本のファンとバンドからの日本への愛
ラジオDJ、ライナー執筆など幅広く活躍されている今泉圭姫子さんの連載「今泉圭姫子のThrow Back to the Future」の第80回。今回は、2024年に結成40周年を迎えるボン・ジョヴィと日本との関係について。
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1984年のデビュー
1984年1月24日、ボン・ジョヴィは、アルバム『Bon Jovi(夜明けのランナウェイ)』で、デヴューしました。デビューしてすぐに、KISS、スコーピオンズとのワールド・ツアーのサポートを務め、注目を集めました。なんと言っても久しぶりに登場した、エネルギッシュで、見栄えも良い、カッコいいロック・バンドの登場は、ロック少女たちの胸をトキメかせたものです。
ニュージャージー出身のボン・ジョヴィは、デビュー時から日本を中心に人気が急上昇しましたが、振り返れば、3作目の『Slippery When Wet』(1986年)で世界的成功を収めるまでの2年間は、自分たちの方向性を模索しながらの日々だったのではないでしょうか?
デビュー・アルバムでは、彼ら自身がソングライティングに関わっていない「She Don’t Know Me」のシングル・カットに対するレーベルとメンバーとの葛藤は、あまりにも有名な話です。彼らが、自分たちのスタイルで成功するまでには、そういったレーベル側との壁にぶち当たりながらも、一歩一歩切り拓きながら、地道に進み続けることが必要でした。
日本との関係
そして、そんな彼らを後押ししたのが、日本のロック・ファンだったのです。日本のファンは、クイーン、チープ・トリックがそうであったように、さまざまな思いを抱きながらも、シーンへの第一歩を踏み出したバンドに愛を注ぎました。デビュー年の8月、「スーパーロック84’」で初来日したボン・ジョヴィ。日本盤リリースの5月から、たった3ヶ月での初来日も話題になりました。
当時の西武球場でのロック・フェスには、ホワイトスネイク、マイケル・シェンカー・グループ、スコーピオンズなど、王道のトップ・ロック・バンドが勢揃いし、ボン・ジョヴィは、そのオープニングを飾りました。とにかく初々しいステージでした。
ネット裏から観た彼らのステージは、今でも脳裏に焼き付いています。実は、ホワイトスネイクも楽しみにしていて、デヴィッド・カヴァーデイルのヴォーカルはもちろん、コージー・パウエルのツイン・ドラムが夜空に響き渡り、興奮したのを覚えています(初来日時のエピソードなどはこちらで)。
ファンだけでなく、ボン・ジョヴィからの日本への愛は、セカンド・アルバム『7800° Fahrenheit』に収録されている「Tokyo Road」に溢れています。オルゴールから始まり「サクラ、サクラ」と女性の歌声が流れます。初来日での日本のファンの歓迎が、この曲を誕生させました。
クイーンが「手をとりあって」を日本公演で必ず演奏するように、ボン・ジョヴィも「Tokyo Road」は、必ずと言っていいほど披露してくれます。ライヴには欠かせないファンへの賛歌となったのです。
デビュー40周年の今年
40年が経ち、現在はデビュー時とは様変わりしています。1994年に脱退したアレックは、2022年6月5日に70歳で亡くなりました。ロックの殿堂入りのステージで、サプライズ登場してから4年後のことでした。リッチー・サンボラはアルコール依存症で、ツアーで度重なる不参加が続き、その後、娘と向き合うことを理由に一線を退く決断をして、2014年に正式脱退が発表されています。10年前のことでした。ところが昨年、ボン・ジョヴィのドキュメンタリーが制作され、リッチーが参加したことから、リッチーのボン・ジョヴィ復帰説は、リアルに伝えられています。
ボン・ジョヴィ40周年を、スペシャルな年にするためにも、アレックはいませんが、ロック・スターになることを夢見ていた1984年に戻って、メンバーが共に再出発することができたら、ファンは嬉しいはずです。ファンにとっては、ジョンとリッチーが揃って「Wanted Dead Or Alive」をパフォーマンスする姿が見たいですから。
Written By 今泉圭姫子
ボン・ジョヴィ『Bon Jovi (Deluxe Edition)』
2024年1月24日配信
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今泉圭姫子のThrow Back to the Future』 バックナンバー
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