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グラミー新人賞チャペル・ローン、新曲「The Giver」を公開。本人が語るゲイとカントリー
第67回(2025)グラミー賞にて「最優秀新人賞」を受賞したチャペル・ローン(Chappell Roan)が2024年4月に配信し全米4位/全英2位を記録した「Good Luck, Babe!」以来となる新曲「The Giver」を2025年3月13日に配信した。
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レズビアンによるカントリー曲
荒々しいウエスタン風のサウンドと心をさらけ出した歌詞が特徴的なこの新曲「The Giver」で、チャペルは自身初のカントリー・ソングに挑戦。豪快にブーツを鳴らし、フィドルが鳴り響く、献身と圧倒的な力強さを表現した楽曲となっており、次のように歌っている。
All you country boys, saying you know to treat a woman right
Well, only a woman knows how to treat a woman right
She gets the job done
田舎の男たち 女の扱い方を知っていると言ってるけど
女を扱う方法を知っているのは女だけ
女が仕事を成し遂げるんだよ
この楽曲は2024年11月に米人気番組「Saturday Night Live」で初めて披露されたが、そのタイミングではリリースせず、男性優位とされる職業の服装を着たチャペルのポスターなどの広告で話題を作ったあとに公式で配信された。
本人が語る新曲
レズビアンということを公言しており、LGBTQ+コミュニティから支持されているチャペルだが、この楽曲について、Amazon Musicでのインタビューでは次のように語っている。
「カントリーミュージックを侵すつもりでカントリーソングを書いたわけではありません。私が思うカントリーミュージックの本質、つまり、ノスタルジア、夏やフィドルやバンジョーの楽しさ、カントリークイーンになったような気分、といったものを本当に表現したかったのです。(カントリーは)ポップミュージックでは感じられない、ある種の自由を感じさせてくれる。面白いし、やらなきゃと思いました。カントリーソングを書いて、それを自分の曲、“Casual”や“My Kink is Karma”や“Super Graphic Ultra Modern Girl”の隣で歌うことが実際どんな感じなのか、自分の目で確かめるために、やらなきゃと思ったんです」
さらにApple Musicでのインタビューではゲイがあまり受け入れられていないジャンルであるカントリー・ミュージックとして新曲を作ったことについては次のように語っている。
「たとえゲイのアーティストが(カントリーを)歌っていなくても、バックコーラスやツアー中の女性たち、バンジョーを演奏する人など、音楽を作っている人の中にはゲイがいるのです。世界には、カントリーミュージックを演奏するドラァグクイーンがたくさんいます。キャリー・アンダーウッドの“Before He Cheat”を歌ったことのない女性を挙げてみてください」
そして「カントリーを愛するゲイのファンを排除しないでください」とカントリー・ファンへメッセージを伝えている。
ファンに対しては次のようなコメントを伝えている。
「ダン・ニグロと一緒にこの曲を書いたんだけど、本当に楽しかった!! これまでカントリーソングは作ったことがなくて、でも私にとってカントリーミュージックはすごく特別な存在なの。学生の頃は毎朝毎晩スクールバスで聴いてたし、焚き火の周りやスーパー、カラオケバーでもいつも流れてたから。たくさんの人から“これってカントリーアルバムを作るってこと?”って聞かれるんだけど、今のところの答えは…うーん、今はただ自分が楽しくて幸せな気持ちになる曲を作ってるだけかな。“The Giver”は私なりの“cuntry”へのアプローチ。クラシックなカントリーのディーヴァたちがこのジャンルを引っ張るべきで、私はただくるくる回って、みんなのためにちょっとゲイなヨーデルをするだけ *✲☆⋆」
Written By uDiscover Team
チャペル・ローン「The Giver」
2025年3月13日配信
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チャペル・ローン『The Rise and Fall of a Midwest Princess』
2024年4月5日配信
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