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サブリナ・カーペンターが音楽以外で愛される理由10選:ウィット&キュートな人物像とは?

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Photo: Astrida Valigorsky/Getty Images

2024年8月にリリースしたアルバム『Short n’ Sweet』や、シングル「Espresso」「Please Please Please」が大ヒットを記録したサブリナ・カーペンター。以下の記録が示すとおり、2024年は彼女の年だったといっても過言ではないであろう。

・Spotifyで「Espresso」が最も再生された楽曲に(年間・全世界)
・「Espresso」がSpotify史上最速で15億回再生を達成
・「Espresso」がApple Musicで最も再生された女性アーティストの楽曲に(年間・全世界)
・『Short n’ Sweet』はSpotifyで3番目に多く再生されたアルバムに(年間)
・第67回グラミー賞にて主要4部門含む6部門にノミネート
・全米シングル・チャートにて24週にわたって複数の楽曲を同時にトップ10にランクイン(ソロ・アーティストとして史上最長記録)
・全英シングル・チャートにて71年ぶりに20週連続1位を達成
・全英チャートにおいて女性アーティストとして史上初めてアルバムとシングルの1位を同時に獲得

そんな彼女がここまで愛される理由は、楽曲やパフォーマンスはもちろんだが、そのキャラクターと自虐を含めたジョークや恋愛感、キュートでウィットにとんだ言動が受けていることも一因であろう。そんな愛される要素について、様々なメディアに寄稿されている辰巳JUNKさんにベスト10を順不同で解説いただきました。

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1. 小悪魔キューティ

「彼女はどこにでもいる!小さくてかわいい!最近、あらゆるところで見かける存在」

そんな宣伝文句を繰り出すほどのブレイクを遂げたアーティストこそ、サブリナ・カーペンターだ。

1999年生まれ、現在25歳のサブリナは、身長154センチのキューティブロンド(米女性の平均身長は163センチ/共演したテイラー・スウィフトは178センチ)。お人形さんのようなビジュアルで世界的スターになった彼女の個性とは、自信に満ちたアティチュード。彼女がつむぐ夢見心地なポップサウンドには、小悪魔風のリリックがおどる。

あなたが賢い男なら ほかの女子に目もくれず 私を一番にするでしょ
お金を使ってね 私のために
(「buy me presents」)

Sabrina Carpenter – buy me presents (Lyric Video)

 

2. 芸人顔負けのジョーク

女性らしい自信を放つサブリナの作品で重要なのは、嫌味のないユーモア。ブレイクのきっかけとなった2022年のバズヒット「Nonsense」は、新しい恋の到来に興奮して我を失う様をユーモラスに歌ったジョークソングだ。

この曲が口コミで話題になると、サブリナは持ち前のユーモアスキルをフル活用した。自身の公演、そしてテイラー・スウィフトのツアーの前座として、アウトロの歌詞を開催地ごとのご当地ネタに変えていくアドリブを披露していったのだ。

たとえば、大阪公演では、漫画『NARUTO -ナルト-』でも有名なチャクラを採用。

「彼ったら、私にメロメロすぎてお医者さんが必要だって。熱すぎて私のチャクラもひらいちゃった」

世界中の観客を魅了していったサブリナだが、自虐ネタも忘れない。

「私ったら個性はあるんだけど、胸はない」

ツアー中に考案した「Nonsense」ご当地ネタは900個に及ぶそう。芸人も顔負けレベルのコメディエンヌだ。

sabrina carpenter nonsense outros [select] compilation

 

3. 代表作エスプレッソながら紅茶派

サブリナ・カーペンターのスターダムを決定的にした代表曲こそ、TikTokで2024年トップ・アーティストとなった要因でもある「Espresso」。意中の男子を夢中にさせて夜も眠れなくする自分の魅力をカフェイン飲料にたとえるディスコポップだ。

大ヒットを受けて、すっかりエスプレッソの代名詞となったサブリナ。おかげで、カフェに行っても注文を期待される場面が増えたという。

「店員さんからあまりに期待されるから、こう言ってます。『紅茶ください』」

【和訳】サブリナ・カーペンター – Espresso / Sabrina Carpenter

 

4. リアルな恋愛

明るく楽しいポップスターとして音楽界に新鮮な風をもたらしたサブリナだが、ファンを惹きつけているのは、リアルで鋭い恋愛ソング。

キャリア初のBillboard 1位を獲得したカントリーポップ「Please Please Please」では、愚行を繰り返す恋人に「これ以上私に恥をかかせないで」と懇願し、憤りと惚れた弱みを吐露。さらに辛辣な「Dumb & Poetic」では、文化人気取りの恋人に対して「自己啓発書で知った言葉を自分が考えたように披露する」薄さを指摘している。

元カレと絶縁した爽快さを歌う「Feather」も、共感を呼びそうだ。

「良い気分、もうあなたのお気に入りのワインを好きなふりをしなくても済む」

【和訳MV】Sabrina Carpenter‐ Feather

 

5. ライブにトイレ登場&じつは深い哲学

2024年秋から2025年春にかけてワールドツアーを行っているサブリナ。豪華なステージでは、トイレのセットが登場し、便座に座って歌う面白い一幕も。

これは、ヒット曲満載の最新アルバム『Short n’ Sweet』にかけた演出。じつは、タイトルの真の意味は「小さくてかわいい」本人のことではない。「短くて甘い」、すぐに終わってしまった思い出こそ深い意味を与えることがある、という人生観の象徴なのだ。

つらい恋愛経験を歌っていくなかでは、化粧室で悶々と巡らせてしまうようなシリアスな悩みごとも流れていく。笑いに傾きすぎない深さとバランスこそ『Short n’ Sweet』が高評価された理由。

Sabrina Carpenter performs a song in the bathroom during her concert 😂🚽🧻🤭

 

5. 女子不滅のサブリナワールド

俳優としてのキャリアも持つサブリナは、ミュージックビデオも映画並のクオリティ。

Netflixシリーズ『ウェンズデー』のジェナ・オルテガと共演した「Taste」では、同じ男性を愛した二人の女性が血みどろの争いを繰り広げる。それでも、深刻になりすぎないのがサブリナ流。最後には、衝撃の結末が待ち受けている。

無敵のガーリィワールドについて、当人はこう語る。

「サブリナ映画の世界では、女性は絶対に死にません。残念ながら、男性が苦しんでしまうルールになってます。“Taste”の場合、いくらなんでも女性が死ななすぎて笑える領域ですよね」

【和訳】サブリナ・カーペンター – Taste / テイスト 【Sabrina Carpenter】

 

7. 友情も面白い

女友達とのかけあいから楽曲のヒントを得ることが多いと語るサブリナ。R&Bポップ「Bed Chem」もそのひとつだ。恋愛相手との「ベッドでの相性」を意味するタイトルは、もともと、親友とのお泊り会で生まれた。

二人で同じベッドを共有した際、寝相やいびきで相手をわずらわせるかもしれない「友情の試練」にさいなまれたものの、同時に寝つき、ぐっすり眠れて、同じ時間に起床できたそう。お互いを「最高のベッド相性」とたたえあったことで、タイトルになる造語が誕生した。キュートな友情こそ、サブリナの創造の秘訣なのかもしれない。

【和訳】サブリナ・カーペンター – Bed Chem (Lyric Video) / Sabrina Carpenter

 

8. スキャンダルにも余裕の対応

大人気になるあまり、政治スキャンダルに巻き込まれた一幕も。

「Feather」のミュージックビデオにおいて、セクハラ男たちを成敗していったサブリナ。舞台となったニューヨークの教会では、関係者がビデオの内容に驚く騒動が起こった。このカオスを受けたサブリナは、撮影許可を得ていた旨を伝えながら、ジョークで反応する大物ぶりを見せた。

「イエス・キリストもカーペンターでした」
(彼女の名字のカーペンターは大工を意味する言葉で、イエスは大工一家の生まれ)。

https://www.youtube.com/watch?v=2kI8HUBGwxw

 

9. きわどいクリスマス

サブリナは、クリスマスも自分色に染めあげる。彼女のホリデーEP『Fruitcake』は、大衆音楽であまり扱われないクリスマスのきわどい一面も突いている。収録曲「is it new years yet?」のテーマは、退屈な親族の集まり。苛つきをつのらせる主人公は「クリスマスソングは楽しいけど流石にかかりすぎ」と不満を漏らし、いち早く新年があけることを願っていく。

これらの曲のパフォーマンスを観られる番組が、Netflixで配信された『ナンセンス・クリスマス with サブリナ・カーペンター』。歌唱からトークまでこなしたサブリナは、チャペル・ローンやタイラ、シャナイア・トゥエインとの豪華デュエットも披露している。季節を問わず楽しめること間違いなしだ。

『ナンセンス・クリスマス with サブリナ・カーペンター』予告編 – Netflix

 

10. グラミーでベテラン賞?

第67回グラミー賞では、主要4部門をふくむ6部門でノミネートに輝いたサブリナ。敬愛するビートルズと同じレコード・オブ・ジ・イヤーに選ばれた瞬間など、叫んで歓喜するリアルタイムの反応も公開している。

そのなかで、最優秀新人賞に指名されて「私は最優秀年長賞」とおどける場面も。じつは、サブリナは、芸歴10年をこえるベテラン。ディズニーアイドルとしてキャリアを始めて以来、6枚ものアルバムを出している。

歌唱、作曲、演技、トークまでできるポップスターとしてブレイクしたサブリナには、その技術と自信を裏づける長く深い道のりがあったのだ。当人いわく「サブリナは一日にしてならず」

2025年、新年の抱負に「下ネタ封印」を掲げたサブリナ・カーペンター。2025年2月3日(日本時間)開催予定のグラミー賞授賞式では「上品にやる」とも予告されている。今後もつづくポッププリンセスの大舞台に期待が増すばかりだ。

Written By 辰巳JUNK


サブリナ・カーペンター『Short n’ Sweet』
2024年8月23日発売
CD&LP / iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music



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