ジョーダン・ピール監督のルーツ「キー&ピール」とは?(後編)

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音楽情報サイト『bmr』の編集長を務めながら音楽評論家/編集者/ラジオDJなど幅広く活躍されている丸屋九兵衛さんの連載コラム「丸屋九兵衛は常に借りを返す」の第7回の後編です(前編はこちら)。今回は見事、第90回アカデミー賞脚本賞を受賞した映画「ゲット・アウト」で監督・脚本を担当したジョーダン・ピールのルーツであるコメディ・デュオの「キー&ピール」について語っていただきました。

*コラムの過去回はこちら


そんな2人ですけど、他にも音楽ネタがまだまだあるんですよね?

丸屋 そうなんです。音楽実演ネタだけじゃなくて、キャラクターを取り出して喋っているものとして「絶縁してはや何年のアウトキャストが、ある日、ジョージアのカフェで出会ってしまったら」っていうやつなんですけど。

── その動画を紹介する前に、アウトキャストのことをふんわりしか知らない人のために、2人のことを簡単に教えて頂けますか?

丸屋 アウトキャストは90年代半ばにデビューした、アンドレ・3000とビック・ボーイのコンビで、ビッグ・ボーイのほうが名前に反して小さいです。ビッグ・ボーイはよりラッパーらしくて、車が好き、犬が好き、女性が好きっていう人ですね。割と最近まで結婚していなかったと思うんだけど、数人の女性の間に子供がいてて。

── “ステレオタイプ”なラッパーって感じですね。

丸屋 家は広いが、冷蔵庫の中にはあまりものが置いてない。なぜならば、近所に住んでいる母親のところに食べに行くからで、お母さんが大好き。で、車が好きなので車の改造工場を経営していてそれがMVにも出てきたり。犬のことも好きなので犬のブリーダーとしても成功していて、実はリル・バウ・ワウのデビュー曲「Bounce With Me」のビデオに出てくる犬は、ビッグ・ボーイが提供しているっていうほど成功してるわけですね。

── 成功した黒人のわかりやすい形の一つですね。

丸屋 我々のステレオタイプではあるんだけど、そういう人ですね。対してアンドレ・3000のほうは、芸術家肌の文学青年で菜食主義者。あ、ビッグ・ボーイが好きなのはもちろんチキンです……これまたステレオタイプ通り。アンドレはエリカ・バドゥとの間に結婚せずに子供を作って、その関係を曲に歌ってこともあったり。たまに絵を描いて、ラップだけじゃなくて歌も得意で。アウトキャストの2人とも楽器は演奏できるんだけど、アンドレはほぼ全ての楽器を自分でやったちょっとプリンスっぽい曲を発表したり、まぁそういう人ですね。典型的なヒップホップの人と、一見ヒップホップに見えないかもしれない人のコンビで、だからこそおもしろかったんだけど、2006年頃からコンビをしては活動しなくなりました。2014年にライブでは復活して40都市ぐらいを公演したりもしたんだけど。とにかくここ10数年、アウトキャストとしてのアルバムは出てないという状態。

── 仲たがいしてたんですね。

丸屋 でも2人が住んでいるところが割と近所で、どどこかの駐車場で2人一緒にいるところを目撃されてるんで、そこまで心配しなくてもいいのかもしれないですね。でも普通にみたら仲たがいなので、その状況を上手く描いたのがこのネタ「Outkast Reunion」。ジョーダン・ピールがビッグ・ボーイ役で、近所の黒人の兄ちゃんみたいな気合いを抜いた服装でいますね。それに対してアンドレのほうがやりすぎなぐらいの服装で。これではラッパーというよりもロビン・フッドやなっていう。

 

丸屋 アンドレの反応は記者会見に相方が来ているのを発見した時のレーザーラモンRGに似てますね。「あれ、私、目がおかしくなってますかね。そこに相方います?」っていう。

── (笑)。

丸屋 割とみんなが考える“変人アンドレ”みたいなものを上手く描いていますね。これもヒップホップをわかっていないとできないというか、ヒップホップで呼吸しているような人達なのでできるのは当たり前なんですけど。そして次のビデオは、黒人のお爺さんたちが最近の若者たちの音楽に対してどう反応するだろうっていう思考実験コントみたいなです。

── 日本人だと高齢の方は演歌とか歌謡曲を聴くっていう勝手なイメージがありますが、では黒人の場合はどうなんだっていうことですね。

 

丸屋 たぶん70才代ぐらいの設定なのかな。バーで飲んでたらお店のBGMでラップがかかって、それにノッていたら若者が来て「おじさんたちもドレイク聞くの?」って聞かれて、「え?ドリンク?」っていう。

── (笑)。

丸屋 これは割としょうもないネタですね(笑)。

── 若者が去ったあとにこの二人は何を話しているんでしょうか?

丸屋 バーで流れているのがドレイクであるということを理解して、今度はその知識を利用して、後から来た老人に「あんたらもドレイク聞くのかい?」って言ってみる。そしたら返しが凄かったっていう。

── 知ったかをしちゃったんですね。

丸屋 知ったかしてしっぺ返しきちゃったね~(笑)。これは、たぶん2015年のネタなので、今だったら「エクスエクスエクステンタシオン(XXXTENTACION)聞く?」みたいな感じになるのかな。

── しかもこのネタで面白いのが、バーのシーンでかかってる曲は、本当はドレイクじゃないんですよね。ムーチョ・デニーロの「24/7」っていう曲みたいで、ドレイクですらなかったっていう(笑)。

丸屋 (笑)。 アメリカのコメディを見ていると、本当に面白いコメディは、ほぼマストといっていいぐらい人種ネタが含まれているんですね。今日思いついたんですが、白人のコメディアンがあんまり面白くないのは、人種カードが使えないからだと思うんです。

── なるほど、白人の方がマジョリティだからですね。

丸屋 そうそう、マジョリティで自分たちのほうが“偉い”から、コメディで人種カードが使えないんですよ。ところが、黒人、ラティーノ、アジアン、パシフィック・アイランダー、ネイティブ・アメリカンは人種カード使いまくれますから。

── 「俺ら差別されてますやん」と言えるってことですね。

丸屋 ナチュラルボーン日陰者だから、なんぼでも言えるやんと。

── たしかに、今のスタンダップ・コメディアンでも白人もいますけど他の人種に比べると少ないイメージですね。

丸屋 白人に見えるけど実際はユダヤ系とかね。ユダヤ人は当然人種カード使えるから。「The Hebrew Hammer」って映画にあったんですが、ユダヤ人であることを確認するためにズボンおろして、ちゃんと割礼されているかせなきゃいけないとかね。あとはバイオリンを渡されると、「屋根の上のバイオリン弾き」を弾かなくちゃいけないとか。そういうステレオタイプを逆に利用することは、マイノリティ側はできるけど、白人はそれを基本的にできないから。だから白人コメディアンは他と比べて、面白くないんだと思うんです。

── 4枚の手札でポーカーしてるようなもんですね。

丸屋 でも黒人のほうはそれがいくらでもできるんですよね。その中でも、音楽ネタでもあり、人種ネタでもあるのが次の「Negrotown」っていうネタなんです。これはある意味「ゲット・アウト」ですね。黒人の青年が白人警官から横暴な扱いを受ける。

── 夜、歩いているだけで。

丸屋 さっき言った、カリミオネアの「Driving While Black」というよりも「Walking While Black」でもあるから。無実の黒人がどんな目に合おうとアメリカの警察は助けてくれない、っていうのもまさに「ゲット・アウト」ですね。そこを描いて、なおかつミュージカル!この色彩の派手なこと。歌あり踊りあり。ここでジョーダン・ピールが見せる歌が、明るいサッチモみたいな感じで。

 

丸屋 このスーツの色が素晴らしい! 私がお金持ちになったらスーツを仕立てたいと思っているオズワルド・ボーテングという仕立て屋がロンドンにあるんですが、そこのスーツのようなすっごい色だ。

── 全員原色で、60年代のミュージカルのようで。

丸屋 何を歌っているかというと、「この街では俺達がタクシーを止めようとしたら、ちゃんと止まってくれる、それがニグロタウンだ」っていう。

── こういう衣装や美術のミュージカルはいくらでもありますが、全員が黒人っていうのはおそらくないですよね。

丸屋 しかも人種ネタを盛り込みながら、音楽としても相当面白い。最後には黒人だけの町はこんなに楽しいぞと。台湾を代表するメタルバンド、ソニックのフロントマンで国会議員でもある我が友フレディ・リムもこのネタが大好きで、なんで台湾でこれが受けるのかが謎なんだけど。台湾人はキー&ピールを知ってるみたいですね。

── アメリカだったらHuluとかで配信してたり、日本でもこうやってYouTubeで見られるんですけど。残念ながら一回も日本では放送されたことがないんですよね。

丸屋 こういうコメディは字幕付けても難しいですよね。事前解説、事後解説が必要ですね。さて、次も人種ネタですね。黒塗りギリギリみたいな話があって、「お父さんのハリウッド・シークレット」というタイトル。お葬式のシーンから始まります。喪主を務めるのが息子のキーで、「父は公民権運動などで活躍した地域リーダーでありましたが、実は若いときにハリウッドで俳優をやっていたことがあります。その時の活動をまとめたリールを先ほど発掘しました。私もまだ見ていませんが、皆さんと一緒にみたいと思います」といって映るのが、まぁこれがかつてのハリウッドにおける黒人のステレオタイプなイメージという。

 

丸屋 怠惰で愚鈍で嘘つきで……かつて白人が考えていたところの黒人、ハリウッドで演じられてきた黒人像に手を貸していたのが、実はお父さんだったっていう。

── しかも意識が高かったはずの。

丸屋 人生の後半は意識が高かったかもしれないが、前半生が実は!

── お父さんが愚鈍な黒人を演じてしまった時の参列者の「はっ!」っていう深く息をのむようなリアクションは、若干日本人には伝わりにくいかもしれないですね、「演技だからいいじゃん」って思う人もいると思うのですが。

丸屋 それは、“レプリゼンテーション(レぺゼン)”というものがわかっていないからですね。特にマイノリティがメジャーなものに出演する際は、常に自分の人種を背負っていることを自覚しなければいけない、その際に自分達の悪しきステレオタイプを助長することは人種や民族にとって物凄い打撃になるので。それをあの高名な死んじゃったお父さんがやっちゃってたとは!っていうおかしさですね。

── この映像の感じはおそらく50年代かもっと前ぐらいで、この頃の映画はショウビジネスのメインストリーム中のメインストリームだったのに、そこでこんなことを!っていることなんですね。

丸屋 靴磨きの場面で「うちの母親のケツみたいに黒く磨いてみせまさぁ」とかね。そりゃもう息をのみますよ。最後には、“未開のジャングル”の黒人像を投影したもので終わって。

── 締めくくりには「これらの役はスタントを使ってません」というお父さんの演技アピールのテロップがでるという。

丸屋 あたりまえですよね(笑)。こういう過去の負の遺産を笑いにかえてみせる一方で、すごく現代的な人種ネタで「Substitute Teacher」、「代理先生」っていうのもあります。これが本当に最高で、いつもの先生じゃない代理の先生が教室に来て、これをキーが演じてます。その先生が「俺はシティ」、この場合はほぼゲットーの意味ですが、「俺はシティの極悪生徒たちに教えてきたようなコワモテ教師。だから俺に刃向うんじゃないぞ!」っていう。

── 怖い先生ですね。

丸屋 「グレート・ティーチャー・オニヅカ」どころじゃない気迫で迫ってきて、まずは出欠をとるんだけど……。

── 始めにドンときて、生徒側も怖い先生来たなぁって委縮してて。

丸屋 とりあえず全ての白人生徒の普通の名前を全て黒人っぽく読む。「ジャクリーン(Jacqueline)」を「ジェイクオリン」と呼ぶ。「ブレイク(Blake)」っていうごく普通の名前は、「バラーケイ」。最後の「e」を無理やり「エイ」と呼んでますね。「デニース(Denise)」を「ディーナイス」とか、「アーロン(Aaron)」を「エイエイロン」とか。

── 間違えまくってるのに、先生が「I’m For Real」(私は本気だぞ)って何回も言うっていう。(笑)。

丸屋 オチとして、普通の英語名であるティモシー(Timothy)を「ティモーシー」という妙なアクセントで呼んで、呼ばれて出てくるのがピール。

── そこだけ先生は何もつっこまないと。このネタには解説が必要だと思うんです。そもそも、この先生はなんで間違えちゃうんでしょうか?

丸屋 それこそ、私のトークイベント「Soul Food Assassins」で話した「黒人らしい名前」、あれがまさにそういうことですね。

── 先生のなかでは、「黒人らしい名前」っていうのが頭にこびりついていて。

丸屋 そう、アメリカ黒人には、標準的な英語から外れた名前の人たちがかなりいるんです。

── 初見で読めないのが多いですよね。

丸屋 あとは本名がプリンスとか。他にもダイヤモンド、ジュエル、サンシャイン、ロイヤル。それにデューク、カウント、バロン、マーキス、と爵位総ざらいみたいになってるし。そこに加えて、ラヒーム、ラキームとか。そもそもディアンジェロ(D’Angelo)ってアンジェロの前になんで「D」と「’」が付いているんだ!

── 日本のキラキラネームの目立ちたいからっていうのとはちょっと違いますよね。

丸屋 違いますね。黒人は、アメリカの主流社会からどれだけ遠くに行けるかっていうことに挑戦し続けてる気がします。普通ならディオンヌだろうに、ティオンヌ(Tionne)という名前を作ったり……これはTLCのT-BOZのことですが。微妙にひねってくるなぁと。

── 普通だとわからないっていうのがアメリカ社会では普通のことなんですね。あとは名前で人種がわかるとか。

丸屋 例えば、ジャマール・ジョンソンっていう名前だったら黒人だなとか、ドゥウェイン・ジョンソンも黒人、ショーン・カーターも黒人。

── ジョン・スミスだったら白人ですよね。そういうのと初見で絶対に読めない黒人の名前っていうのを逆手にとったギャグなんですね。

丸屋 そして次なんですが、キー&ピールの最高到達点として、オバマ大統領との絡みがあるんです。

── ちょうど番組が放送していたのがオバマ政権の時でしたね。

丸屋 オバマ政権第2期の頃ですね。ジョーダン・ピールがオバマの役をやるんです。オバマって凄い丁寧で感情を表さずに喋るタイプの政治家で、そのオバマに扮したジョーダン・ピールが冷静に喋るんだけど、心の中では白人やメインストリーム社会に対して怒りを感じているに違いないと勝手に想定して、その怒りをオバマ大統領のスピーチの行間を読む係りとして「怒りのトランスレーター」、「怒りの通訳者」というのを勝手に想定して、それをキーが演じるんです。

 

丸屋 ピール演じる大統領が、普通のことを言ってるんだけど、実は心のなかではこう思っている……というのをキー演じる「怒りのトランスレーター」であるルーサーが喋るというシリーズ。それが凄く受けたらしく、ホワイトハウスの晩餐会でオバマ大統領が喋っている横に、キーがでてきて喋ることになったんです。

 

── それが許される寛容さは凄いですね。

丸屋 オバマが「この会食は非常に重要です」と言った後に「この食事会なんやねん!」とキーが言う。こんなことを言っていいんやね、アメリカは。みんな大歓迎してますもんね。

── 素晴らしい文化ですよね。コメディアンがちゃんと評価されているというか、よく言われますけど、王様に対して唯一批判をできる存在の「道化」の役割をしてるんですね。

丸屋 アメリカのコメディアン、特にマイノリティは人種カードを使っている限りは、常にソーシャル・コメント(社会的な発言)をせざるを得ない。

── 何も反応しない場合は「いつも人種ネタやってんのに、なんかあった時には何も言わんのかい!?」ってなりますもんね。

丸屋 人種ネタのお笑いには、体制に対する批判とか問題意識が必ず潜んでいるから、それを表舞台で取り上げることを社会は評価するんですね。逆にそれなしで笑わせようとしている社会だと、たぶんこうはならないですよね、永遠に。

── その理想形の最高到達点ということですね。

丸屋 本物のオバマがいるから、残念ながらこの晩餐会にはピールはいないんですが。

── こういうネタを日本でできるのかな、と考えた時にはなかなか難しいですよね。でもオバマはこういうこと好きですよね。晩さん会にミュージシャン呼んだりとか。

丸屋 オバマの最後の演説、憶えてます? 締めにマイク・ドロップしたんですよ! 私もいつかやってみたいんだけど、絶対怒られるし、「マイクを弁償しろ」となっちゃいそうなのでやらないですが(笑)。オバマは選挙の時に、共和党から個人攻撃されたんです。ベネズエラのチャベス大統領の発言を引用して、「バラク・オバマはこんな人物が率いる国と親交を結ぼうとしているようです」って共和党が攻撃した。それについてどう思われますか?と聞かれたオバマは、サッサッて肩を払うジェスチャーをしたんですよ。こいつは粋ですよね。

── そんな時でも冷静であったという共通認識があるからこそ、ああいう「怒りのトランスレーター」のネタができたんですね。キーがやっている最中にオバマが一切笑わないのも凄いですよね。

丸屋 笑わないってのはいいコメディアンの素質ですよね。コメディアンは自分のネタで笑っちゃだめですよ。私もトークイベントではなるべく鉄面皮でいようと心掛けてるんですが。バーニー・マックも全然笑わないですもん、有名な持ちネタ「motherfuckerの使い方」でも、全然笑わないですね。

── というわけで色々なキー&ピールのネタを紹介頂きました。

丸屋 こういう時代を代表するコメディアンで、なおかつ笑いだけではなく、ソーシャル・コメンタリーがある人だからこそ、ある意味必然だったかもしれないというのが、映画「ゲット・アウト」だと思いますね。だったら「キアヌ」はどうなんだってなりますが、あれは必然でもなんでもないんでしょうね。

── ひとネタで一点突破ですもんね(笑)。

丸屋 楽しいからいいじゃないか!(笑)。ひとネタっていったら「ゲット・アウト」もひとネタなんだけど。 有名俳優は誰もいないし。ダニエル・カルーヤは映画「ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬」で知ってたんですが、諜報部員ジョニー・イングリッシュの弟子みたいな役で、「まだ二十歳なのでお酒は飲めません」みたいな役でしたね。

── では、今から「ゲット・アウト」を見ようと思っている人にこれだけは押さえていた方が面白いというものはありますか?

丸屋 こういうのを一言でいうのは難しいですね。 そのあたりは……3月25日に、私のトークライブ「Soul Food Assassin」で「黒塗り総決算!」というのをやりますので、こちらに来たらいいんじゃないかな。

── 綺麗なまとめになりました(笑)。ちょうど4月に「ゲット・アウト」のDVD/Blu-rayも発売になりますので、その前煽りとしてもちょうどいいですね。

丸屋 「ゲット・アウト」の中になぜかUFCがどうのこうのっていうセリフがあって……UFCといえば総合格闘技の大会ですね。そんな話がでてくるのも、かつての白人は黒人を怠惰で愚鈍で考えていたが、今の白人は心の中で黒人をどう思っているのか、ということです。

── 今のアメリカを凝縮してるんですね。

丸屋 本当にそうだと思います。今見るべき差別っていうのは「ゲット・アウト」で描かれていますね。日本人が一番わかりづらい部分でもあると思いますが、だからこそ日本人が見なくちゃいけないという部分でもあると思います。

── そういうのを抜きにしても、映画として面白くて評価もされているんですよね。

丸屋 おもしろい、むっちゃ面白い!


映画『ゲット・アウト』
全国ロードショー/4月11日Blu-ray&DVD発売

映画公式サイト
公式Twitter
公式Facebook


■プロフィール

丸屋九兵衛(まるや きゅうべえ)

音楽情報サイト『bmr』の編集長を務める音楽評論家/編集者/ラジオDJ/どこでもトーカー。2018年現在、トークライブ【Q-B-CONTINUED】シリーズをサンキュータツオと共に展開。他トークイベントに【Soul Food Assassins】や【HOUSE OF BEEF】等。

【今後のトークイベント】
2018年3月25日(日)
東京 13:00~「【Soul Food Assassins】黒塗り総決算!」
東京 15:00~「【Q-B-CONTINUED vol.22】コスプレと仮面の世界史!」

bmr :http://bmr.jp
Twitter :https://twitter.com/qb_maruya
手作りサイト :https://www.qbmaruya.com/

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