1994年に発売されたアルバム・ベスト69:30年前に生まれた名盤たちをランキング【動画付】
ロック、ヒップホップ、その他さまざまなジャンルから名作の数々が生まれた1994年は、音楽業界にとって驚異的な一年だった。誰でも、この年に発表されたアルバムの中にお気に入りが一つは見つかるはずだ。
1994年は素晴らしい出来事もあれば、つらい悲劇もあり、何より名作アルバムがたくさん生まれた年だった。そして、この年には一つの時代が終焉を迎えた。ニルヴァーナのフロントマンであるカート・コバーンの早すぎる死が、音楽ファンを深い悲しみに包んだのである。しかしその後、グランジ・バンドの代表格であるニルヴァーナの功績は高く評価されることとなった。また、同年11月にリリースされたライヴ・アルバム『MTV Unplugged In New York』は、グループの素晴らしい才能を象徴する作品として愛され続けている。
さらに、ジェネレーションXの若者たちが”ウッド・ストック’94″で泥にまみれた週末を楽しんだのもこの年の夏のことだった。伝説的なフェスの25周年を記念して開催されたこのイベントでは、コレクティヴ・ソウル、ヴァイオレント・ファムズ、ソルト・ン・ペパ、エアロスミスら多くのアーティストが記憶に残るパフォーマンスを披露。それに加え、クロスビー、スティルス&ナッシュ、ジョー・コッカー、カントリー・ジョー&ザ・フィッシュなど、1969年のイベントに出演していたアーティストたちもステージに立った。
また、グリーン・デイやオフスプリングといったバンドの活躍によりパンクが復活の狼煙を上げたのもこの年のこと。ほかにも同年にはウィーザー、ノトーリアス・B.I.G.、オアシスなど、各ジャンルを牽引したアーティストが強烈なデビュー作とともに華々しく登場した。TLCの『CrazySexyCool』からベックの『Mellow Gold』まで幅広い作品を含む1994年の名作アルバムを紹介していこう。
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69位:リーバ・マッキンタイア『Read My Mind』
ヒット・シングル「Why Haven’t I Heard From You」を中心とした、カントリー界の女王による20作目のスタジオ・アルバム。この作品で彼女は衰え知らずの実力を示し、”人気アーティスト”から”無敵のアーティスト”へとステップ・アップした。
68位:ベン・ハーパー『Welcome To The Cruel World』
カリフォルニア出身のベン・ハーパーが1994年に発表したデビュー・アルバムは、当時のインディー・シーンに不足していた社会性・政治性を含んだ作品だった。彼はこのあとも美しいサウンドと強い信念を武器に活躍していくこととなるが、同作はそんな彼のキャリアの基礎を築いた1作なのである。
67位:コロージョン・オブ・コンフォーミティ『Deliverance』
ロック・バンドである彼らが、メンバーのペッパー・キーナンをリード・ヴォーカルに据えて初めて制作したアルバム。パンクからメタルへの路線変更が明確になった同作からは、グループ屈指の人気ナンバーがいくつも誕生した。
66位:エンペラー『In The Nightside Eclipse』
ブラック・メタル・バンド、エンペラーによる1994年のアルバム。高いプロ意識やサウンドへの強いこだわりが感じられる同作は、ノルウェーのメタル・シーンの存在を世界に知らしめた。
65位:フューチャー・サウンド・オブ・ロンドン『Lifeforms』
電子音楽グループである彼らの高揚感溢れる1作『Lifeforms』は、テクノ・ミュージックの存在意義がダンスフロアだけにあるわけではないことを示した。この作品を聴くと、足だけでなく脳も動き出すのである。
64位:カイアス『Welcome To Sky Valley』
ロック・バンドのカイアスが、初めてエレクトラ・レコードからリリースしたアルバム。サイケデリック・ミュージックからハード・ロックまで様々な要素を含んだ同作には、彼らの音楽性の幅広さと、聴く者の心を惹きつけるエネルギーがよく表れている。
63位:プラスティックマン『Musik』
プラスティックマン名義では2作目となるリッチー・ホウティンの1994年作にして、ミニマル・テクノ・シーンを代表するアルバム。緊張感のあるアシッド・ハウス風のフレーズと、音数は少ないが魅力溢れるパーカッションの組み合わせにより、クラブ界隈で熱烈な支持を集める名作が誕生した。
62位:トーディーズ『Rubberneck』
ポップ・ロックやグランジの要素を取り入れたトーディーズのデビュー・アルバム。ヒット・シングル「Possum Kingdom」を中心とする同作は時を経て、90年代を代表するハード・ロックの名盤として認知されるようになった。
61位:マーヴェリックス『What A Crying Shame』
「O What A Thrill」や「There Goes My Heart」といったヒット・シングルを収めた、カントリー・バンドの1994年作。純然たるカントリー・ナンバーと、ポップスのような独特の装飾が完璧に調和した1作だ。
60位:バッド・レリジョン『Stranger Than Fiction』
パンク・バンドのバッド・レリジョンが、彼らのルーツであるハードかつ高速な演奏に回帰した8thアルバム。この作品で彼らは、たとえメジャー・レーベルで成功を収めても、アンダーグラウンドの精神を忘れていないことをファンに示した。
59位:バーズム『Hvis Lyset Tar Oss (白昼夢/虚無光)』
ノルウェーのブラック・メタル・シーンが生んだ傑作。アルバムの内容とリリースの背景の両面で、控えめに言っても悲惨な作品である。
58位:クロスビー、スティルス&ナッシュ『After The Storm』
数十年に及ぶ活動休止前最後のアルバムとなった『After The Storm』はリリース当時、ファンのあいだで賛否を巻き起こした。だがそれから時を経た現在では、彼ら史上屈指の完成度を誇る作品とみなされている。
57位:エルヴィス・コステロ『Brutal Youth』
コステロがアトラクションズの面々と再び手を組んだ1994年作。昔ながらのロックンロール・サウンドに彼らしい捻りが加わった作風が大きな特徴である。
56位:ジミー・ペイジ&ロバート・プラント『No Quarter: Unledded (ノー・クォーター) 』
音楽番組『MTV Unplugged』の特別企画として、元バンドメイトの二人による待望の再共演が実現した1作。彼らはかつての楽曲に心躍る新たな装いを施し、レッド・ツェッペリンの名曲群を目新しいアレンジで披露してみせた。
55位:セラピー?『Troublegum』
直感に働きかけるような楽曲が全編を通して楽しめる、パンク・メタル界の傑作アルバム。彼らはジャンルの枠にとらわれることなく自分たちの感情に従うことで、聴くたびに魅力の増すレコードを作り上げたのだ。
54位:ジョニ・ミッチェル『Turbulent Indigo (風のインディゴ)』
グラミー賞に輝いたこのアルバムでミッチェルは、環境破壊、家庭内暴力、エイズの危機的な流行に対する無策といった数々の社会悪を厳しく糾弾している。
53位:マドンナ『Bedtime Stories』
ヒット・シングル「Take A Bow」を含む、ポップ界の女王による6作目のスタジオ・アルバム。温かみがある伸びやかなグルーヴを堪能できる同作は、それまでのマドンナの作品の中でも特に魅力的な1作だった。
52位:パール・ジャム『Vitalogy (バイタロジー [生命学])』
「Hey Foxymophandlemama, That’s Me (ステューピッド・モップ<愚かなる掃除用具>) 」、「Aye Davanita」などを収録する同作は、グループのキャリアでもとりわけ実験的で、誰も想像しないような作風のアルバムだった。とはいえ、生と死について考察したその内容は実に素晴らしい。
51位:ピンク・フロイド『The Division Bell (対/TSUI)』
リック・ライトが参加した最後のアルバム『The Division Bell』でピンク・フロイドの面々は、”私たちを結びつける絆”、そして何より、”私たちを分断する壁”というテーマを社会的・情緒的な観点から深掘りした。
50位:ブラックストリート『Blackstreet』
テディ・ライリー率いるブラックストリートのデビュー・アルバム。緻密なハーモニーと、ヒップホップならではの自信みなぎる態度が共存した同作は、2000年代の中ごろにおける”R&Bのヒップホップ化”を先触れしたような1作だった。
49位:オウテカ『Amber』
電子音楽ユニット、オウテカの2nd アルバム。前作より温かみのある作風となった同作で彼らは、この上なく創造性に富んだサウンドを作り上げた。
48位:ブランディ『Brandy』
いまでこそ”ヴォーカル・バイブル”として知られるブランディだがデビュー当時は、耳に残る素敵なヒット曲と底知れぬ魅力を武器にしたR&B界の若き歌姫だった。
47位:アイリス・ディメント『My Life』
シンガーソングライターのディメントが亡き父に捧げた2ndアルバム。胸が張り裂けそうになるほど美しい楽曲群を通して、深い悲しみと向き合った作品である。
46位:ジェルー・ザ・ダマジャ『The Sun Rises In The East』
ヒップホップ界のレジェンドがDJプレミアをプロデューサーに迎えて制作したデビュー・アルバムにして、ニューヨークのラップ・シーンを代表する人気作。1stアルバムであるにもかかわらず、当時のジェルーよりはるかに年上のベテラン・アーティストかと思うほどの知性と誠実さが感じられる。
45位:リズ・フェア『Whip-Smart』
シンガー・ソングライターのリズ・フェアによる2作目のスタジオ・アルバム。ローファイ・サウンドと痛烈な皮肉を特徴とする同作は、インディー・ロック界におけるトレンド形成の一翼を担った。
44位:ニール・ヤング『Sleeps With Angels』
ヤングが死というテーマに向き合った感動的なアルバム。ハード・ロック、ソウルフルなバラード、グランジなど幅広いジャンルの要素を取り入れることで、悲しみの様々な在り方が表現されている。
43位:パンテラ『Far Beyond Driven (脳殺)』
テキサス出身のヘヴィ・メタル・バンド、パンテラによるキャリア最大のヒット作。ラウドで、不穏で、血も涙もないサウンドの『Far Beyond Driven』は、彼らのあとに続く無数のヘヴィ・メタル・バンドにとってのお手本となった。
42位:プライマル・スクリーム『Give Out But Don’t Give Up』
スコットランド出身の彼らがアメリカ、特にメンフィスの音楽へと接近した4作目のスタジオ・アルバム。王道のロックンロール・サウンドに、確固たる自信と攻撃性が加わった1作である。
41位:ストーン・ローゼズ『Second Coming』
ファンからの人気が高い「Ten Storey Love Song」や「Begging You」などを収めた、グループ2作目にして最後のスタジオ・アルバム。思わず身体が動いてしまうリズムや、ゾクゾクするようなギターを堪能できる作品だ。
40位:ザ・ローリング・ストーンズ『Voodoo Lounge』
ベテランの域に達したザ・ローリング・ストーンズの面々が、その原点に回帰した1994年作。彼らは最先端の音楽を取り入れるのではなく、自分たちが優れたバンドとして名を上げたそもそもの理由を再確認するという賢明な選択をしたのだ。
39位:トーリ・エイモス『Under The Pink』
シンガー・ソングライターのトーリ・エイモスによる2作目のスタジオ・アルバム。「God」や「Cornflake Girl」などのヒット曲を含むこのアルバムで、彼女は同世代を代表するストーリーテラーとしての地位を確立した。
38位:ヴェルーカ・ソルト『American Thighs』
高揚感のある甘口のポップ・サウンドを堪能できるヴェルーカ・ソルトのデビュー作。耳に残るメロディーやキャッチーなフレーズが満載で、聴いていて実に心地の良いアルバムだ。
37位:NOFX『Punk In Drublic』
アメリカ西海岸出身のロック・バンド、NOFXの1994年作『Punk In Drublic』は、これまでの彼らのキャリアの中でも指折りの成功を収めた。このアルバムで彼らは、90年代を代表する有名パンク・バンドになったのだ。
36位:ジャネイ『Pronounced Jah-Nay』
クラブ界隈で人気を博した名曲「Hey Mr. DJ」を収めたR&Bデュオのデビュー作。90年代のR&Bサウンドを形作ったアルバムの一つである。
35位:ブラー『Parklife』
イギリスのバンド、ブラーによる3作目のスタジオ・アルバム。ヒットを記録したタイトル・トラックや、シングル曲「Girls & Boys」などを収録した同作には、90年代イギリスの世相が反映されている。
34位:コモン『Resurrection』
不朽のヒット曲「I Used To Love H.E.R」を収めた、シカゴのラッパーによる2ndアルバム。流行に乗ることはせず、ジャズや詩、社会批評などを取り入れることでいかに自身のヒップホップの質を高められるかを探求した作品である。
33位:フランク・ブラック『Teenager Of The Year』
謎めいたポップ・シンガーのブラックが、元のグループであるピクシーズのそれとは一線を画す作風で作り上げたソロ・アルバム。キャッチーでポップなフレーズが満載ながら随所に奇抜な工夫が施されることで、90年代らしい名作に仕上がった。
32位:ジョニー・キャッシュ『American Recordings』
有名カントリー・シンガーであるジョニー・キャッシュの復活作にして、彼がリック・ルービンをプロデューサーに迎えて制作したシリーズものの第一弾。彼はこのアルバムをきっかけに、再びメインストリームへと躍り出たのである。
31位:ベック『Mellow Gold』
複数のジャンルを融合させた作風を得意とするアーティスト、ベックによる1994年作。彼はこのアルバムにロック、ヒップホップ、フォーク・ミュージックの要素を取り入れ、多様なスタイルが融合したまったく新しい独自のサウンドを作り上げた。
30位:O.C.『Word…Life』
ナズがラップ界のメインストリームを席巻する中で、同じくアメリカ東海岸のラッパーであるO.C.は、この驚くべきデビュー・アルバムを発表。それにより彼はアンダーグラウンド・シーンの覇者となった。
29位:ペイヴメント『Crooked Rain, Crooked Rain』
インディー・ロック・バンドのペイヴメントがその真価を発揮した1994年作。それまでの作品の混沌とした魅力は残しつつ、サウンドの多様性と纏まりを見事に両立させたアルバムである。
28位:スカーフェイス『The Diary (ザ・ダイアリー~ギャングスタ・ラッパー的日常)』
ヒューストン出身のラッパーであるスカーフェイスの1994年作『The Diary』は批評家から絶賛されたものの、心臓の弱い人にはお勧めできないアルバムだ。暴力や死が精神に及ぼす影響を考察した同作は、才能溢れる彼の内に秘められたトラウマを明らかにしている。
27位:プロディジー『Music For The Jilted Generation』
電子音楽グループ、プロディジーによる2作目のスタジオ・アルバムにして、90年代イギリスにおけるレイヴ・カルチャーの克明な記録としても機能する1作。ここに収められているのは、厳しさを増す警察の取り締まりに対し、パーティーの自由を求めて闘う若者たちのサウンドだ。
26位:アンダーワールド『Dubnobasswithmyheadman』
電子音楽グループのアンダーワールドが思いのままに作り上げたアルバム。アシッド・ハウス、テクノ、ダブなど様々なスタイルを”いいとこ取り”した同作は、時の経過とともにカルト的な人気を得るようになっていった。
25位:カフェ・タクーバ『Re』
ファンクからメキシコの伝統音楽まで幅広い要素を含んだラテン・ロックの名盤。同ジャンルの中でもサウンドの振り幅が特に大きく、傑作として広く認められているアルバムだ。
24位:アリス・イン・チェインズ『Jar Of Flies (アナザー・サイド・オブ・アリス)』
ハード・ロック・バンドのアリス・イン・チェインズが、大半をアコースティックの演奏で作り上げた1作。後悔や悲しみを滲ませたその内容からは、攻撃的な外見に隠された彼らの弱い一面が垣間見える。
23位:ロバート・フッド『Minimal Nation』
ミニマル・テクノの起源を遡るとこのアルバムに行き着く。それは、同作がその一番最初の作品だから、というわけではない。ミニマル・テクノというジャンルはこのあと爆発的に流行することとなるが、『Minimal Nation』はその中でも最高の完成度と純度を誇る1作なのだ。
22位:ホール『Live Through This』
グループを率いるコートニー・ラヴの私生活での不幸があった直後にリリースされた代表作。前作に込められていた猛烈な怒りを、心を浄化するような落ち着きのあるサウンドで表現したアルバムだ。
21位:ジェフ・バックリィ『Grace』
名曲「Hallelujah」を収録したバックリィ唯一のスタジオ・アルバム。彼の早すぎる死から長い年月が経ったいまも新たなファンを獲得し続けている傑作だ。
20位:ボーイズIIメン『II』
R&Bグループ、ボーイズIIメンによる3作目のスタジオ・アルバム。「I’ll Make Love To You 」や「On Bended Knee」といった記憶に残るヒット曲を含む『II』で彼らは、”優れたヴォーカル・グループ”から”世界的スター”へと飛躍を遂げたのである。
19位:エイフェックス・ツイン『Selected Ambient Works Volume II』
ビートのない電子音楽に変革をもたらした、アンビエント・ミュージックの傑作。一般的なパーカッションの音を加えることなくサウンドに動きや緊張感を加える方法を編み出すことで、常識を打ち破った1作である。
18位:マニック・ストリート・プリーチャーズ『The Holy Bible』
ウェールズのロック・バンドであるマニック・ストリート・プリーチャーズが、リッチー・エドワーズの失踪前最後に制作したアルバム。リリース後に起こる悲劇と同じくらい陰鬱で絶望的な内容の作品だが、そんな暗い作風にもかかわらずバンドのキャリアを代表する名作として愛され続けている。
17位:オアシス『Definitely Maybe』
「Live Forever」や「Supersonic」などのヒット曲を含む、イギリスのロック・バンド、オアシスのデビュー・アルバム。彼らは歴代の英国ロックからの影響を取り込みつつ、一時代を画すような刺激的で目新しいサウンドを作り上げた。
16位:アウトキャスト『Southernplayalisticadillacmuzik』
サザン・ヒップホップ界の旗手であるアウトキャストのデビュー作。アトランタ特有のラップ・スタイルと、その最高峰に位置する二人のラッパーの名を世界に知らしめ、ヒップホップ界の潮流を変えたアルバムだ。
15位:ポーティスヘッド『Dummy』
トリップ・ホップ・グループであるポーティスヘッドのデビュー・アルバムにして、ブリストルの音楽シーンの知名度を高め、権威ある賞にも輝いた1作。遅めのテンポのビートが、反抗的な若者の苦難を歌った歌詞を引き立たせる効果を生んでいる。
14位:サウンドガーデン『Superunknown』
レッド・ツェッペリンからの影響の大きさが窺える、シアトル出身のロック・バンドによる1994年作。大ヒットを記録した「Black Hole Sun」を含む同作により、サイケデリック・ミュージックはかつてのような輝きを取り戻したのだった。
13位:サニー・デイ・リアル・エステイト『Diary』
90年代のエモ・シーンは、広くそのサウンドの起源とみなされている『Diary』なしでは存在し得なかっただろう。そんな同作は、パンク、グランジ、アンセム調のロック、そして心を揺さぶるようなメロディーといった要素をすべて組み合わせた傑作である。
12位:ザ・ルーツ『Do You Want More?!!!??!』
ヒップホップ・バンド、ザ・ルーツのメジャー・デビュー・アルバム。ジャム・セッションとサイファーの魅力を抽出して組み合わせたようなその作風は、まったく新しいジャンルの誕生に繋がった。この1作によって、ラップ界のメインストリームにおける音楽性や即興の可能性は大きく広がることとなったのである。
11位:ビースティ・ボーイズ『Ill Communication』
ヒップホップ・グループのビースティ・ボーイズがリー・スクラッチ・ペリーの助力を得て制作した4thアルバム。パンク、ジャズといった音楽の要素を組み合わせつつ、彼らのルーツであるDIY精神を感じさせるサウンドの1作である。
10位:グリーン・デイ『Dookie』
ポップ・パンク・バンドのグリーン・デイが、サンフランシスコ・ベイエリアのアングラ・シーンで名を上げたあと満を持して発表したメジャー・デビュー作。彼らはグループの初期の魅力を活かし、生意気で、メロディックで、活気溢れるアルバムを作り出した。
9位:メアリー・J. ブライジ『My Life』
R&B界の女王であるブライジはこの2ndアルバムで、自身の薬物依存・乱用を果敢にも嘘偽りなく告白した。結果として彼女は90年代随一の率直さと説得力を持ったシンガー・ソングライターと評価されるようになり、現在でもそうであり続けている。
8位:マッシヴ・アタック『Protection』
トリップ・ホップの先駆的グループであるマッシヴ・アタックの1994年作。彼らは「Weather Storm」や「Protection」などを収録する同作で、自分たちのサウンドの幅をさらに広げてみせた。
7位:ナイン・インチ・ネイルズ『The Downward Spiral』
「Closer」や「Hurt」といった人気曲を収めた、トレント・レズナーによる素晴らしいコンセプト・アルバム。その特徴は革新的なサウンドと極めて多様なスタイルにあるが、それでも纏まりのある作品に仕上がっているのはアルバム全体が陰鬱さに包まれているからにほかならない。
6位:セレーナ『Amor Prohibido (禁じられた愛)』
テハーノの女王と呼ばれるセレーナの『Amor Prohibido』はスペイン語のアルバムだったが、彼女は同作で局地的なポップ・スターから国際的な人気歌手へと変貌を遂げた。このアルバムの成功をきっかけに、彼女の名前は全米チャートの上位にも登場するようになったのである。
5位:ノトーリアス・B.I.G.『Ready To Die』
間違いなく、ラップ史に残る偉大なデビュー・アルバムの一つといえる傑作。ヒップホップ界のレジェンドが世界にその名を轟かせたアルバムであり、卓越したその技術は90年代屈指だが、悲しいことにそのタイトルは彼の運命を予言しているかのようだった。
4位:TLC『CrazySexyCool』
90年代の典型的な女性ヴォーカル・グループといえるTLCのスタイリッシュな2ndアルバム『CrazySexyCool』は、並大抵の作品ではない。R&Bの温かみとヒップホップのクールな格好良さを巧みに融合させ、独自のサウンドを作り出したことこそが同作の人気の秘訣なのである。
3位:ウィーザー『Weezer』 (通称:ブルー・アルバム)
ロサンゼルス出身のロック・バンドであるウィーザー。そのデビュー・アルバムに対するリリース当時の評価は二極化していた。だが時の経過とともに、世間はリヴァース・クオモの生み出す独特なポップ・ロック・サウンドを支持するようになっていった。そんな同作には「Undone – The Sweater Song」や「Buddy Holly」といった不朽のヒット曲が収められている。
2位:ナズ『Illmatic』
ニューヨークのラッパーが1994年に発表した、先見性のあるデビュー・アルバム。彼のキャリアの行く末を決定付けた同作で彼は、”クイーンズブリッジ団地出身の有望株”から”ヒップホップ界の救世主”に変貌した。現在でも史上最高のラップ・アルバムの一つと認められている傑作だ。
1位:ニルヴァーナ『MTV Unplugged In New York』
言わずと知れたシアトルのバンド、ニルヴァーナによるこのアコースティック・ライヴは、間違いなく『MTV Unplugged』のシリーズを代表する名演であり、グループのキャリアにおいてもとりわけ感情のこもった演奏として歴史に刻まれている。
Written By Sam Armstrong
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