ABBA/アバの8曲目の全英1位「The Winner Takes It All」と奇妙な動きの「SOS」
アバのシングルはいつだってリリースしたその年にヒットした。しかし、スウェーデン出身のスーパースターにとって、8月9日は彼らの歴史の中でも特に成功した日と言える。
1980年の8月9日は、アバが生涯で獲得した9曲の全英1位のシングルの中で、「The Winner Takes It All」が8番目に1位となった日だった。そのちょうど5年前の8月9日は「SOS」が全米シングル・チャート入りを果たした時でもあった。
「The Winner Takes It All」のリリースはアバをさらに新しいポップスの段階に磨き上げ、より幅広いファン層に絶賛された。結婚生活に終止符を打ったビョルンとアグネッタだけでなく、ベニーとフリーダも彼ら自身の問題を抱えているなかで人間関係の崩壊を歌っていたその曲は、もしかすると、これまでにビョルン・ウルヴァースとベニー・アンダーソンが書いた中で最も辛辣な歌詞だったかもしれない。
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新作『Super Trouper』からの最初のシングルになった「The Winner Takes It All」は、ビョルンとの離婚確定からわずか10日後に、カメラの前でパフォーマンスをしなければいけなかったアグネッタの情熱的なリードボーカルが特徴的だった。何百万という彼らのファンがそれに気付いていようがいまいが、彼らはそのシングル曲を愛していた。
1980年7月21日に発売されたこの曲は9位でイギリスのチャート入りを果たし、その後2週間トップの座をキープ。11月にアルバム『Super Trouper』が発売された時には、イギリスのトップ・チャートの座を9週間、堂々と守り抜いた。
その5年前の1975年には、主にアメリカや他の国にとってアバという存在は「Waterloo」を歌ったユーロビジョン・ソングコンテストの勝者として知られていた。それ以来、全米チャート入りしたのは27位に登場した「Honey Honey」のみだったが、「SOS」がアメリカのラジオで頻繁にオンエアされ、数週間前には他の地域では89位だったにもかかわらず、シングル・チャートにランクインを果たした。
その一週間後、事態は急下降する。Billboardのシンボルである、週間セールスの急上昇を意味する “勢い”を失ってしまい84位と苦戦。そして案の定、その一週間後にはトップ100から姿を消した。しかし驚くべきことに、いつもと違うことが起こったのだ。9月6日、「SOS」が再びチャートで一時的に99位に登場した。そして、徐々に上昇し86位にとなったが、2度目に勢いを無くしたとき、再び運が尽きたかのように見えた。
しかしどういうわけか、シングル曲はそのまま上昇し続け、ラジオでのO.A.も途絶えることもなく、レコード・バイヤーたちも反応し続けた。その曲は勢いを保ったまま76位にたどり着き、そしてそこから本当に急上昇した。53位、40位、24位と力強く駆け上がり、トップ20入りしたのだ。その年の11月、「SOS」は最終的にアメリカで15位まで達した。
Written by Paul Sexton
40年ぶりの新作アルバム
2021年11月5日発売
CD / iTunes / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music
日本盤CDは下記4形態(SHM-CD仕様)
①『Voyage』スタンダード・エディション
②『Voyage』with 『ABBA Gold』(ベスト盤CD)
③『Voyage』with 『ABBA in Japan』(映像商品2DVD)
④『Voyage』with 『Essential Collection』(MV36曲収録DVD)
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