リトル・リチャードがロックに戻ってきた『Little Richard Is Back』
リトル・リチャードは1964年のアルバムのタイトルで『Little Richard Is Back』と宣言した。1960年にゴスペルに移行したものの、その2年後にロックン・ロールに戻り、当時上昇中だったプロモーターのドン・アーデン主催でパッケージ・ツアーを世界的に行い、ハンブルグのスター・クラブではザ・ビートルズと共演し、すでに彼の影響を受けていたリヴァプール出身の4人組グループにさらなる影響を与えたのだ。
1963年、リトル・リチャードはザ・ビートルズとツアーし、その後エヴァリー・ブラザーズと公演してから、1964年3月にヴィージェイ・レコードでの一連のレコーディング・セッションを開始し、その夏にアルバム『Little Richard Is Back』をリリースした。最初にレコーディングした曲のひとつが、1964年9月12日に僅かながらチャート入りしたことが、彼がロックン・ロールの元祖が認められている由縁でもある。
1957年にジェリー・リー・ルイスの名作「Whole Lotta Shakin’ Goin’ On’」のリトル・リチャードによるカヴァーは全米ポップ・チャート入りしなかったが、B面の「Goodnight Irene」は全米シングル・チャート入りのすぐ手前のところで沸々とし、128位を記録した。これは、Billboard誌がR&Bチャートを発行しなかった14か月間の間の出来事で、A面の「Whole Lotta Shakin’ Goin’ On」はライバル出版社であるキャッシュボックスのトップ50のR&Bチャートには入っており、1964年9月12日に初登場し、42位まで達した。
アルバムのフル・タイトルは『Little Richard Is Back (And There’s A Whole Lotta Shakin’ Goin’ On!)』で、他にもリトル・リチャードが自身の解釈を収録した名作がいくつもあった。それは、「Money Honey」、「Short Fat Fannie」、「Blueberry Hill」といったロックン・ロール界からの楽曲もあり、「Memories Are Made Of This」のようなそれ以外にも及んだ。このアルバムはチャート入りしなかったものの、すぐ後にリトル・リチャードは自身のヴィンテージのヒット曲をヴィージェイ・レコードのために再度レコーディングし、1965年のアルバム『Little Richard’s Greatest Hits』のリリースに至った。
Written by Paul Sexton
リトル・リチャード『Little Richard Is Back』