あなたが知らない(かもしれない)ザ・ローリング・ストーンズ「Satisfaction」の14の真実

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ザ・ローリング・ストーンズの初期のラジオライヴ音源『On Air』。彼らが20代だった頃の若さと勢いが溢れるこのライヴ作品から先行公開されたのがザ・ローリング・ストーンズで最も有名な楽曲のひとつ「(I Can’t Get No) Satisfaction」。この楽曲についての基礎知識からあなたが知らない(かもしれない)真実をご紹介。


1. 1965年に発表されたローリング・ストーンズの楽曲。作詞・作曲はミック・ジャガーとキース・リチャーズ。ストーンズを世界的に有名なバンドにした劇的名曲。

2. 発売日はUSで1965年6月6日。UKでは同年8月20日に発売。

3. USでは4週連続シングル・チャート1位(年間3位)、UKでは2週連続1位。

4. 他にはオーストリア、ドイツ、アイルランド、オランダ、ノルウェーでも1位を獲得。

5. 歌詞の「I Can’t Get No Satisfaction」は見かけ上は「Can’t」と「No」の2重否定(満足できないことはない)で「満足できる」という意味っぽいが、実は強い否定(ぜんぜん満足できない)を表す。文法上正しくは「I Can’t Get Any Satisfaction」となる。これはアメリカ黒人によって使われた黒人英語「Ebonics(エボニックス)」から来ているといわれている。さすがブルースに憧れてバンドを始めただけの事はある。

6. 特徴的なギターのリフは曲の仕上げで悩んでいるときにギブソンから送られてきた「ギブソン製マエストロのファズ・ボックス」を使用したもの。これにより曲は一挙に完成へと近づいた。

7. リフはキースが夢の中で思いついた。その夢を見た日は1965年5月6日の夜にフロリダ州タンパ・ベイのジャック・ラッセル・スタジアムでコンサートを行った翌日未明、すなわち5月7日。そのコンサートでは200人の警察と若者の暴動騒ぎがあり、彼ら若者のフラストレーションがキースの夢に現れリフを書かせたのではないかとの説がある。

8. キースはそのリフにホーンをかぶせたい意向を持っていたが、マネージャーのアンドリューが断りなくそのままの音でシングルを発売。キースは怒ったが、バンドのアメリカ・ツアー中に「(I Can’t Get No) Satisfaction」は1位を獲得してしまった。

9. キースはその経験から以下の教訓を得たという。

「人はときにやり過ぎる。何もかもが自分好みで良いというわけじゃない」

曲の内容とは真逆だが、アンガー・マネージメントのひとつとして「(I Can’t Get No) Satisfaction」を聴いて、このエピソードを思い出し、落ち着く、というのが今流か。

10. 全米1位を取ったことで文句を言えなくなったキースだが、「ライヴ向きではない」との理由でしばらくライヴでの演奏を嫌がっていた。しかし、その間にオーティス・レディングが、カヴァーを発表。そのカヴァーはキースが本来やりたかったホーンを使用したもので、それを聴いたキースは「(I Can’t Get No) Satisfaction」を好きになりライヴで演奏するようになった。オーティスのカヴァーはとても嬉しかったらしい。

11. バッキングのアコースティック・ギターは、キースかブライアン・ジョーンズによるものかは判然としていない。タンバリンとピアノはジャック・ニッチェ。ステレオ・ヴァージョンではピアノが良く聴こえる。

12. ライヴでは、本編ラストまたはアンコールで演奏されることが多い。1965年の時点でもすでにラストで演奏されていた。ストーンズの公式ライヴ盤(イーグル・ロックから発売の映像関連除く)では、1966年の『Got Live If You Want It!』、1982年の『Still Life American Concert 1981』、1991年の『Flashpoint』、2004年の『Live Licks』、2008年の『Shine a Light』に収録されている。

13. 他の代表的カヴァーは以下

アレサ・フランクリン / 1968年 全英37位

マウンテン / 1974年のアルバム『雪崩』に収録

ディーヴォ / 1977年 全英41位 1978年のアルバム『頽廃的美学論』にも収録

ブリトニー・スピアーズ / 2000年のアルバム『ウップス!…アイ・ディド・イット・アゲイン』に収録

14. カヴァーにまつわるディランとのお話し

キースがボブ・ディランと初めて会った際の会話。

ディラン「僕には”Satisfaction”は書けたと思うけど、君には”Desolation Row(邦題:廃墟の街)”は書けなかっただろうね」

キース「じゃあ君はなぜ先に”Satisfaction”を書かなかったんだ?それにオーティスは”Satisfaction”をカヴァーしたけど”Desolation Row”はカヴァーしてないぜ」

やはりオーティスのカヴァーはとても嬉しかったらしい。



ザ・ローリング・ストーンズ
『Let It Bleed (50th Anniversary Limited Deluxe Edition)』
2019年11月1日発売
デラックス・ボックス / CD / LP



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