今TikTokで再びトレンドになっている過去の名曲7選とその背景を解説

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Photo: Sal Idriss/Redferns

今週トレンドになっているのは一体どんな曲だろうか?私たちが日頃目する様々なチャートを賑やかしている楽曲やTikTokでバイラル・ヒットしている曲は、もはや今をときめく最新楽曲だけではない。

TikTokやSNS、サウンドトラック、CMへの起用、そして時には偶然の賜物として、ポップ・カルチャーに再浮上する過去の名曲への関心が高まっている。リックロール(※リック・アストリーの1987年の楽曲「Never Gonna Give You Up」のミュージック・ビデオへの釣りリンクをクリックさせるいたずら行為)やフリートウッド・マックの「Dreams」を聴きながらスケボーを楽しむ若者を見れば一目瞭然だろう。このコラムでは、今再びトレンドになっている古い名曲を紹介し、その理由を解説する。

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1. ドクター・ドレー(Dr. Dre)「Still D.R.E.」

ドクター・ドレーの代表作として知られるセカンド・アルバム『2001』からのリード・シングル「Still D.R.E.」は、その思わせ振りなタイトルとは裏腹に、実はドクター・ドレー自身ではなく、ジェイ・Zが作曲したものだ。全英チャートでTOP10入りを果たしたこの曲は、イギリスでダブルプラチナに認定されている。

今年2月に開催されるスーパーボウルのハーフタイムショーにドクター・ドレーの出演が決定したことで、TikTok上では、この曲への注目が急速に高まり、オリジナル、インストゥルメンタル、リミックスがいずれも人気を博している。

2. ショーン・ポール(Sean Paul)「No Lie」

ダンスホール・レゲエ界のアイコン、ショーン・ポールは、ポップ界のスーパースターであるデュア・リパとタッグを組んで、陽気で爽やかなトロピカル・ポップ・ヒット「No Lie」を作り上げた。ショーン・ポールのEP『Mad Love The Prequel』 に収録されている同トラックは、2016年11月にリリースされるやいなやヨーロッパ中のチャートを駆け上がった。

そして今、特定のトレンドとは関係なく、この曲がTikTok上で人気を集めている。同アプリのクリエイターたちは、“たわいのない嘘”や人気映画シリーズにまつわる“嘘じゃない”エピソードを紹介するなど、この曲をさまざまな動画のサウンドトラックとして使用している。

3. ラビリンス&ゼンデイヤ(Labrinth & Zendaya)「All For Us」

ラビリンスとゼンデイヤは、ラビリンスが2019年にリリースした「All For Us」のオリジナル・ヴァージョンの発表から2ヶ月後に、この新ヴァージョンのためにタッグを組んだ。2019年8月に放送されたHBOのTVドラマ『ユーフォリア』シーズン1(ラビリンスが全スコアを制作)最終話でフィーチャーされた彼らのヴァージョンは、再びドラッグに手を染めてしまったゼンデイヤ演じる主人公のルーが、ダンサーの群れによって持ち上げられ、やがてのみこまれてしまうという非常に印象的なラスト・シーンで使われた。

そしてシーズン2が放送中の今、このトラックがTikTokを席巻しているのだ。『ユーフォリア』のドラマのキャストを、イギリスの人気タレントや様々な装いのテイラー・スウィフトだけで“キャストし直す”という動画に、この曲が使われている。

4. ビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)「I Get Around」

今からおよそ60年前にビーチ・ボーイズが初の全米No.1に輝いた1964年のシングル「I Get Around」は、その陽気なハーモニーと印象的なコーラスによって、グループの最もアイコニックな曲のひとつとして愛され続けている。そして、この曲の人気は、今やTikTokにも及んでいる。

TikTokのあるユーザーが、「I Get Around」の歌詞を、フロー・ライダーの2007年のクランク・チューン「Low」の歌詞に置き換えた動画を投稿したことがきっかけとなり、この2組の全く異色のアーティストによる驚くべきマッシュアップを初めて聴いたユーザーたちによる驚きの反応を投稿した動画は現在までに5万件を超えている。

5. 2パック(2Pac)「Hit Em Up」

史上最強のディストラックのひとつと称される2パックの「Hit Em Up」は、1996年のシングル「How Do U Want It」のB面として、彼が銃殺された3ヶ月前にリリースされ、当時の東海岸と西海岸のヒップホップ・コミュニティ間の対立を激化させるなど、リアルな世界に大きなインパクトをもたらした。

今月初旬に放送されたTVドラマ『ユーフォリア』シーズン2の第1話でフィーチャーされたことを受けて、TikTokでの「Hit Em Up」の人気が急上昇している。現在のところ特定のトレンドとは関連付けられていないが、ユーザーはゼンデイヤ演じる主人公のルーがこのトラックに合わせてラップしているシーンへのリアクション動画を投稿したり、ファンが編集した同ドラマのハイライト動画のサウンドトラックなどとして使用されている。

6. マルーン5(Maroon 5)「Misery」

マルーン5のサード・アルバム『Hands All Over』(2010年)に収録された「Misery」の歌詞の中で、フロントマンのアダム・レヴィーンは恋愛関係を繋ぎ留める方法を模索し苦悩する。ファンク調の軽快なポップに乗せたこの曲は、大切な人と一緒にいたいと思いながらも、パートナーシップが崩壊してしまうという彼自身の経験を掘り起こしたものだ。

TikTokで高い人気を維持していることからもわかる様に、10年以上経った今でも、この曲はファンとの繋がりを見出しているのだ。最近では、「Misery」とシカゴ出身のラッパー、カップケイクの「CPR」とのマッシュアップが人気を集めている

7. ヴァリー(Valee)「Womp Womp」

シカゴ出身のラッパー、ヴァリーは、高い評価を得た2018年のデビューEP『GOOD Job, You Found Me』をリリース後、遊び心とベースのリズムが効いたジェレマイとのコラボ曲「Womp Womp」を同年発表した。リリース時にピッチフォークから「この夏を制する楽曲の有力候補」と称されたこの曲は、以来、チャンス・ザ・ラッパー、トリッピー・レッド、スモークパープらのトラックに挿入されるなど、ヒップホップ界に定着している。

ここ数年、TikTokでも流行しているこのトラックを使った動画投稿は、現在までに13万件を超える。「Womp Womp」は、ある飼い主とそのペットの犬が“無条件にお互いを愛すること”で絆を深めている投稿のように、2つの異なる存在やアイデアが1つの共通項や意見によって融合する様子を表現する投稿のサウンドトラックによく使われているのだ。

Written By uDiscover Team




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