ザ・フーの「My Generation」はスローなブルースになる予定だった
ブリティッシュ・ロックの歴史に燦然と輝く記念碑的名曲が、1965年10月13日に誕生した。その日、ザ・フーがロンドンのパイ・スタジオで「My Generation」のレコーディングを行ったのだ。
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ピート・タウンゼントが作曲した「My Generation」がどれほどのインパクトを持って登場したか、十分に理解するには当時のイギリスのトップ・グループの動向を振り返ってみるといい。
ザ・ビートルズは「Help」をリリースし、まもなく「Day Tripper」と「We Can Work It Out」を制作しようとしていた。ザ・ローリング・ストーンズは「Get Off Of My Cloud」のリリースを控えていた。ザ・キンクスはトップ10ヒット曲「See My Friend」を放ったばかりで、アニマルズは「It’s My Life」をリリースしていた。これらのシングルも、いずれも強力なタイトルだったが、獣のように激しいエネルギーと怒りを感じさせる「My Generation」は、当時の時代を代弁していたといってもいいだろう。
ザ・フーがスカンジナビアとオランダでツアーを行っていた1965年の夏、ピート・タウンゼントは「My Generation」を完成させようとしていた。モーズ・アリソンの「Young Man Blues」(のちにザ・フーによるカヴァー・ヴァージョンもリリースされている)に着想を得たこの曲は、当初、スローなブルース・ナンバーになる予定だった。自身の著作『ピート・タウンゼンド自伝 フー・アイ・アム』の中で、ピートはこの曲のために複数の歌詞を書き、3種類のデモをレコーディングしたと語っている。
「My Generation」を現在よく知られるあの曲に仕上げる上で一役買ったのが、ザ・フーのマネージャーの一人だったクリス・スタンプである。彼は、この曲の2つ目のデモで、仮歌を歌っていたピート・タウンゼントが言葉を詰まらせて歌っているパートを聞き逃さなかった。
そしてピート・ダウンゼントはジョン・リー・フッカーの「Stuttering Blues」(*訳注:吃音のブルース)を参考に、ヴォーカリストのロジャー・ダルトリーに吃音を強調して歌うよう指示した。さらにジョン・エントウィッスルの印象的なベース・ソロが加えられ「My Generation」は完成したのだった。
この曲は、翌年にリリースされた「I’m A Boy」と同様、英チャート2位を記録。ザ・フーの最大のヒット曲として今でも知られている。
Written by Paul Sexton
『My Generation』スーパー・デラックス・エディション
ザ・フー/50周年記念日本盤シングル再発
ザ・フー『The Who Sell Out (Super Deluxe Edition)』
2021年4月23日発売
CD / iTunes / Apple Music / Spotify / Amazon Music
<国内盤情報>
輸入国内盤仕様/完全生産限定盤/日本盤のみSHM-CD
◆5CD+7インチ・アナログ盤2枚、未発表音源含む全112曲収録
◆80Pハードカバー・ブック(ピート・タウンゼントによるライナーノーツ、当時の関係者やメディアによるコメント、レア写真を掲載)
◆ポスター9枚、パンフやステッカーのレプリカ他を収納
◆各ディスク詳細:
CD 1:オリジナル・モノ・アルバム
・モノAB面及び未発表モノ・ミックス
CD 2:オリジナル・スタジオ・アルバム
・オリジナル・ステレオ・ミックス+ステレオ・ボーナス・トラック
CD 3:スタジオ・セッションズ1967/68(未発表音源)
・スタジオ・アウトテイク
・アルバム・セッションの初期テイク
・スタジオでの雑談 他
CD 4:ロード・トゥ『Tommy』
・1968年録音スタジオ・トラックのステレオ・ミックス(未発表音源含む)
・1968年のシングルAB面のモノ・ミックス(ザ・フー所蔵のオリジナル4トラック及び8トラックのセッション・テープからリミックス)
CD 5:ピート・タウンゼント・デモ
・ピート・タウンゼントのオリジナル・デモ(未発表音源、スーパー・デラックス・エディションにのみ収録)
7インチ1:Track UKシングルの複製
7インチ2:Decca USAシングルの複製
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