リドリー・スコット監督映画『1492 コロンブス』、ヴァンゲリスが担当したサウンドトラック

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ヴァンゲリスが手掛けたサウンドトラック『1492: Conquest of Paradise(邦題:1492 コロンブス)』は、いわば500年の年月を経て完成したアルバムだ。ギリシャの作曲家兼アーティストである彼がリドリー・スコット監督の同名映画『1492 コロンブス』(1992年公開)に提供したこの作品は、映画と同じくクリストファー・コロンブスのアメリカ大陸への旅を題材にしている。また、同作は映画と同じくその歴史的偉業の500年記念の日に発表された。1992年10月24日、同アルバムはイギリスでチャート・インした。

このサウンドトラックにはヴァンゲリスの新しい一面と、変わらない一面が混在している。イングリッシュ・チェンバー・クワイアとはこれまでも仕事を共にしてきたが、ここでも彼らの合唱を取り入れることで作品を壮大なものにしている。合唱団はラテンの讃美歌を3曲歌っているが、一方でヴァンゲリスはフランスのエンジニア/コラボレーターであるフレデリック・ルソーと初めて共演している。他にも、ジェノヴァ出身の探検家コロンブスが新大陸を発見する物語にちなみ、ふたりのフラメンコ・ギター・ヴォーカリストを迎えて作品の民族的な背景も表現している。

アルバムはイギリスのチャートで最高位33位を記録し、1993年にはシルバー、1995年にはゴールド・ディスクにそれぞれ認定されている。また、フランス(同国のスターであるジェラール・ドパルデューが映画でコロンブス役を演じたこともあり、ダブル・プラチナに認定)やオランダではそれ以上の成功を収めている。

シングル・カットされた「Conquest of Paradise(邦題:新大陸発見~コロンブスのテーマ)」はヨーロッパで大ヒットを記録し、オランダやドイツでは数週間に亘り首位に立った。作品全体としては1993年1月、ゴールデン・グローブ賞の最優秀作曲賞にノミネートされたが、アラン・メンケンの『Aladdin』に敗れ受賞は叶わなかった。

Written by Paul Sexton



ヴァンゲリス『1492: Conquest of Paradise』

   

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