ザ・ローリング・ストーンズのファースト・アルバム:ブルースとR&Bに敬意をささげたデビュー作

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そのアルバムが1964年4月16日にリリースされてから4年後、ミック・ジャガーは、ザ・ローリング・ストーンズのファースト・アルバムについて「自分たちのファースト・アルバムのことがとても好きなんだ。だって収録されているのは、俺たちがステージでやってきた曲ばかりだからね」と語った。

バンドが、このアルバムが録音された1月の初めの2日間と2月末の2日間の計4日の間(*訳注:期間は5日間の説もあり)もツアーを行い、毎日演奏していたことを考えると、彼らが当時よく知っており愛した音楽を収録したのは、驚きには値しない。

9曲のカヴァー・ヴァージョン、キース・リチャーズとミック・ジャガーによる1曲のオリジナル、そして、グループで作曲された2曲(1曲はフィル・スペクターの手を借りている)でイギリスにおけるザ・ローリング・ストーンズのデビュー・アルバムは構成された。このアルバムはすべてロンドンにある高性能な(しかもお手頃!)なスタジオのひとつ、リージェント・サウンドで録音された。アルバムにはわずかのオーヴァーダビングがあるが、バンドのライヴで聴くのと近いサウンドとなっている。すべての楽曲は、1年に及ぶ絶え間ないツアーで完璧に仕上がっていた。

このバンドのファースト・アルバムは、アンドリュー・ルーグ・オールダムの裏方におけるクリエイティビティの頂点でもある。彼は自身を信じ、ザ・ローリング・ストーンズを信じ、アルバムのカヴァーには名前を入れず写真のみでバンドを認識させるよう作り上げた。もし許されたなら、デッカのロゴさえも取り除いたに違いない。

『The Rolling Stones』はイギリスで、5月初旬から12週1位をキープし、その年のベスト・セラー・リストを維持した。数か月後、『England’s Newest Hitmakers』とリパッケージされ、アメリカでのファースト・アルバムにもなっている。

それではアルバムに収録された9曲のカヴァーを簡単に紹介しよう。

 

「I Just Wanna Make Love To You(邦題:恋をしようよ)」
ウィリー・ディクソン作詞作曲、1954年4月に、マディ・ウォーターズが録音。

 

「Route 66」
オリジナルは、1946年6月に、キング・コール・トリオがUS R&B chartで1位を獲得。ザ・ローリング・ストーンズ・ヴァージョンは、1962年のチャック・ベリーによる解釈にインスピレーションを受けている。

 

「Honest I Do」
1957年10月のジミー・リードによる全米R&B TOP5ヒット。彼の全米シングル・チャートにおける最大のヒット曲でもある(最高位32位)。

 

「(Mona) I Need You Baby (邦題:愛しのモナ)」
オリジナルは、1957年のボ・ディドリーによる楽曲。

 

「I’m a King Bee」
オリジナルは、1957年のスリム・ハーポによる楽曲。

 

「Carol」
1958年9月のチャック・ベリーの全米R&Bヒット。全米シングル・チャートでも19位を獲得。

 

「Can I Get a Witness」
マーヴィン・ゲイによる1963年11月の全米US R&B、そして全米シングル・チャートのヒット曲。シュープリームスがバック・ヴォーカルを務めた。

 

「You Can Make it If You Try」
1958年1月のジーン・アリソンによる全米R&B Top5ヒット(全米シングル・チャートは36位)。

 

「Walking the Dog」
ルーファス・トーマスによる1963年10月の全米R&B TOP5ヒット。全米シングル・チャートもランク・イン。

Written By Richard Havers





ザ・ローリング・ストーンズ
『Let It Bleed (50th Anniversary Limited Deluxe Edition)』
デラックス・ボックス / CD / LP



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