マーヴィン・ゲイを中心にしたモータウン最高のデュエット22曲
1967年9月9日のビルボード誌のヒット・チャートでマーヴィン・ゲイとタミー・テレルの「Your Precious Love」は73位を記録。その週でチャートに初登場したシングルで最高位となり、最終的には5位まで順位を上げた。ヒットを連発したこのふたりをはじめとして、我々は「モータウンで最高のデュエット」のプレイリストを作成した。
「Your Precious Love」を作曲したのはタムラ・レコードのヒットメーカー、アシュフォード&シンプソンで、プロデュースを務めたのはハーヴィー・フークワとジョニー・ブリストルだった。同曲はマーヴィンとタミーの歌声の相乗効果を楽しめる、数ある好例のひとつだ。だがこの後、タミーは若くして悲劇に見舞われてしまう。「僕らはふたりの人物になりきって、お互いに向かって歌い合うことをした」。マーヴィン・ゲイは後になって、ライターのデヴィッド・リッツの取材にそう話している。「そうしてマーヴィンとタミーのキャラクターが生まれたんだ。歌っている間だけ、僕らは恋に落ちていた。音楽が終われば、頬にキスを交わしてさよならを言うのさ」。
モータウンにおいてデュエットは、ほとんどマーヴィン・ゲイの専売特許になっていた。今回紹介するプレイリストの22曲中、彼の参加する楽曲は13曲もある。そのパートナーは曲によって変わり、テレル、キム・ウェストン、ダイアナ・ロス、マリー・ウェルズの4人がいる。だがタムラ・レコードの歴史には他にもたくさんの名デュエットがある。例えばラフィン兄弟や、1980年代のリック・ジェームスと愛弟子のティーナ・マリー、そしてジョニー・ギルとステイシー ・ラティソウなどだ。
それ以外にも、チャック・ジャクソンとイヴォンヌ・フェア(彼女は「It Should Have Been Me」でよく知られる)や、バラードを得意としたスモーキー・ロビンソンとバーバラ・ミッチェル、エドウィン・スターとソンドラ・ブリンキー・ ウィリアムスなどが名を連ねる。最後に、元テンプテーションズのデニス・エドワーズとサイーダ・ギャレット、ライオネル・リッチーとダイアナ・ロス、ビリー・プレストンとシリータといったコンビの作品はヒットを記録している。ふたりだからこそできる、それは間違いない。
Written By Paul Sexton
♪ プレイリスト『Motown Duets』