ステッペンウルフ『Rock & Roll Rebels』、最後の全米チャート入りアルバム
1987年9月まで、ステッペンウルフは波瀾万丈の長い道を旅してきた(もちろんオートバイに乗って)。1968年のデビュー・アルバム『Born To Be Wild』以来、ゴールド・アルバムを6枚出し、さらにはプラチナ・アルバムも1枚手にしていた。そして1987年に出したアルバム『』も、ビルボード誌のアルバム・チャートにランク入りした。彼らがアルバム・チャートに登場するのは、それが最後になった。
そのアルバム『Rock & Roll Rebels』(ジョン・ケイ&ステッペンウルフ名義)は、クウィル・レーベルから発売された(一方、1984年の前作『Paradox』はブラック・レザー・レーベルから出ていた)。この新作では、ケイは1曲を除いて全曲で曲作りに参加。その共作パートナーは、当時のメンバーであるロケット・リショット(ギター)やマイケル・ウィルク(ベース)が務めていた。この3人はアルバムのプロデュースも共同で手がけている。残る4人目のメンバーはドラマーのロン・ハーストだった。
ステッペンウルフは、1975年にエピック・レーベルから出した『Hour Of The Wolf』(最高155位)を最後に全米アルバム・チャートから遠ざかり、3枚連続でチャート入りを逃していた。しかし1987年9月26日、『Rock & Roll Rebels』はアルバム・チャートの175位になんとか喰らい込んだ。この週の初登場作品の中には、他のジャンルのベテラン勢も含まれていた(ケニー・ロジャースの『I Prefer The Moonlight』やラッシュの『Hold Your Fire』)。
この週は、派手な髪型の「ヘア・バンド」勢(たとえばホワイト・ライオンやアーマード・セイント)の新譜もチャートを賑わせていた。また同じ週には、マイケル・ジャクソンが『Bad』で初登場1位を記録している。ピンク・フロイドの『A Momentary Lapse Of Reason』やR.E.M.の『Document』もチャートに初めてランク入りしていた。
このステッペンウルフの新譜は4週間チャートに留まり、最高171位を記録。その後このバンドは1990年にアルバム『Rise & Shine』を発表し、1996年には『Rock & Roll Rebels』のリミックス・ヴァージョン、『Feed The Fire』も出している(こちらには新たに2曲が追加された)。残念ながらチャートではガス欠状態になってしまったが、ケイとステッペンウルフは今も散発的にライヴ活動を続けている。2016年8月には、ミズーリ・ステート・フェアでも元気な姿を見せていた。
By Paul Sexton
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