サウンドガーデン『Superunknown』:全米初登場1位となった90年代を代表する“修飾語不要のロック”
ナイン・インチ・ネイルズに良いニュースがあったのと同じ1994年3月末の全米アルバムチャートは、サウンドガーデンにとってはさらに良い結果となった。3月26日、ナイン・インチ・ネイルズの『The Downward Spiral』が全米アルバムチャート2位を獲得し、サウンドガーデンの『Superunknown』はチャート初登場1位を記録したのだ。そして『The Downward Spiral』はバンド史上最高売り上げを記録するアルバムとなった。
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1994年3月8日にリリースされたバンド4枚目のスタジオ・アルバム『Superunknown』は、1991年にリリースされた前作『Badmotorfinger』の期待を裏切るものではなかった。バンドは『Badmotorfinger』で全米アルバムチャート最高位39位を獲得し、シングル「Jesus Christ Pose」はトップ30入りを果たした。
そして新作『Superunknown』は、サウンドガーデンのトレードマークとなったいくつかのシングルのおかげで、バンドをロック・シーンのトップまで押し上げた。アルバムの3枚目のシングルとなった「Black Hole Sun」はオランダからオーストラリアまでトップ10入りを果たし、UKでは12位のピークを記録している。
全米レコード協会は1994年6月に『Superunknown』を、ゴールド・ディスク(50万枚)だけではなくプラチナ・ディスク(100万枚)の両方に認定し、8月には2プラチナ、10月には3プラチナ、そして1996年には4プラチナへと売れ続けた。
“修飾語不要のロック”
2014年に20周年を記念した5枚組のデラックス・エディションがリリースされたとき、批評家たちはこのアルバムを再度絶賛し、ローリング・ストーン誌はこのアルバムを「90年代のベンチマーク」と称した。ピッチフォークは、このアルバムが活躍していたロックの環境がこの20年の間に計り知れないほど変化したとはいえ、サウンドガーデンのこのアルバムは時代を代表するものに変わりはないと認めている。
「『Superunknown』とは、修飾語を必要としないまさにロックの定義そのものである。かつて支配的だった美学の墓標であると同時に、周囲の環境がどれほど劇的に変化したとしても不動のものであり続けている」
サウンドガーデンの35周年記念ヴァイナル・リイシューは、『Superunknown』のカラー・ダブル・ヴァイナル・リイシューと限定版ヴァイナル・バンドルを含むもので、2019年にリリースされている。
Written by Paul Sexton
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サウンドガーデン『Superunknown』
1994年3月8日発売
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