リトル・リチャードが生みビートルズもカバーした名曲「Ooh! My Soul」
リトル・リチャードを元祖ロックンロール時代のスターの一人へと伸し上げた成功の追い風は1958年の半ばまでがピークだった。2年半の間に、4曲の全米TOP10ヒットに加え、5曲以上のポップ史に残る名曲を世に送り出した。
1958年1月の「Good Golly, Miss Molly」以降は全米TOP10に入るヒットはなかったが、彼の個性が光るシングル「Ooh! My Soul」で再びラジオやチャートを賑わせた。B面に収録された「True Fine Mama」と共に、1958年の6月上旬にはポップ・チャートに入り、その月の最終日には全米R&Bチャートリストにデビューを果たした。
「Ooh! My Soul」はリトル・リチャードのオリジナル楽曲で、クレジットには彼の本名、リチャード・ウェイン・ペニマンが刻まれている。いつものようにダイナミックなこのロック・ナンバーは、意外にも全米ポップ・チャートでは最高31位で終わってしまったが、R&Bチャートでは15位に食い込み、全英チャートではTOP30に入った。
リトル・リチャードのこの曲は、長く、広く影響を及ぼし、リッチー・ヴァレンスは同じ1958年に発表したデビュー・アルバム『Ritchie Valens』のために、タイトルを「Ooh! My Soul」から「Ooh! My Head」へと変えた自身のバージョンをレコーディング。一方で、大西洋を越えて、この曲を熱心に聴いていたのは、後にザ・ビートルズになる若者たちだった。
ポール・マッカートニーはリトル・リチャードのトレードマークだった「フー!」を彼自身のスタイルにも取り入れたいとよく口にしていた。そして、マンチェスターのプレイハウス・シアターで行ったBBCラジオ主催のライヴにて、ザ・ビートルズは「Ooh! My Soul」を彼らのバージョンで録音し、この演奏はコンピレーション『Live At The BBC』に収録されている。
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