トータル売り上げ3,000万枚のR&Bレジェンド、シールはなぜ「ジャズ」を歌おうと思ったのか?

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シールは1963年、イギリス市内のパディントンでナイジェリア人の母とブラジル人の父との間に生まれたが、養子に出されウェストミンスターで育った。

学校を卒業後はローカルクラブで歌っていたが、1987年にファンク・バンドのプッシュに参加。その後エス・エクスプレス全英5位のヒット曲「Superfly Guy」に参加するなど活動しているなかで、DJ/プロデューサーのアダムスキーと出会い「Killer」を歌うとUK1位を獲得し、ようやくソロ・ミュージシャンとして歩み始めることになる。

トレヴァー・ホーンをプロデューサーに迎えて制作された1991年のソロ・デビュー・アルバムからイギリスだけではなくアメリカでもセールスの結果を残し続け、90年代、00年代を通して第一線で活躍。2008年にはデヴィッド・フォスターのプロデュースでソウル・クラシックスのカバーをリリースし好評を得た。

そんなR&Bレジェンドの彼がデビューから一貫してリリースしていたワーナーミュージックから離れ、デッカに移籍。そして、ジャズのスタンダード・アルバム『Standards』を2017年11月10日に発売することになった。彼はなぜ「ジャズ」を歌おうと思ったのか?

「いつかは、こういうアルバムを作りたいとずっと思っていたんだ。アルバムのセッションの間にいつもシナトラの「I’ve Got You Under My Skin」やナット・キング・コールの「Mona Lisa」を歌って、いつかこういうスタンダード曲を集めたものを作りたいと話していたんだ」。

シールは特にシナトラが好きなようで、「Luck Be A Lady」や「I’ve Got You Under My Skin」、「It Was A Very Good Year」などが今作に収録されている。

「シナトラは本当に素晴らしくて、なんでもスウィングさせるんだよ。まるで彼自身がオーケストラの中の何かの楽器のようなんだ」。

レコーディングはそのシナトラの主要作品がレコーディングされた由緒正しいキャピトル・タワーにあるキャピトル・スタジオで行われ、その時のことをこう語っている。

「このアルバムは特別にキャピトル・タワーのスタジオでレコーディングしたんだ。歴史的建物に足を踏み入れて、そこは私たちが人生の中で聴いて育った偉大なレコードが作られた場所で、歴史が感じられるとこだったよ。あんなところでレコーディングできるだなんて本当に光栄に感じるよ、忘れがたいね」。

キャピトル・スタジオで撮影された映像↓

しかもレコーディングには、実際にシナトラのバンドに参加していたピアニストのランディー・ウォルドマンらが参加している。

「今回のアルバムでは、シナトラが生前最後のバンドに参加していたミュージシャンに参加してもらったんだ。彼らはシナトラのレコードで演奏してたんだよ、それだけで尊敬せざるを得ないよね」

今まではトレヴァー・ホーンやデヴィッド・フォスター、スチュアート・プライスらのプロデューサーと仕事をしてきたシールだが、今回は、2016年にプレスリーとロイヤル・フィルとの共演作をUK1位にし、イル・ディーヴォやジプシー・キングのプロデュースで知られるニック・パトリックが新たに起用された、

「今回のプロデューサーのニック・パトリックと一緒に作業できたのは、楽しかった。彼は愉快な人で、尊敬できて、全てに対して情熱もある人だ。アルバムの進むべきところや、どの曲にするのかということに対して同じ哲学を持っていたんだ」。

彼にとってジャズのスタンダードを歌うことはどんな意味があったのか?

「ジャズのスタンダードを歌う経験から本当に多くのことを学んだよ。自分の声の使い方をもう一度考えることができたし、今までに使っていなかったような声や歌い方にも挑戦したんだ。もし君がシンガーなら、こういう曲を歌うのが大好きなはずさ。なぜならこの曲たちは「歌」のために作曲されたんだからね。「歌」のために作曲されて、アレンジされているんだ」。

アルバム『Standards』は、11月10日に発売。iTunesではプレオーダー中。プレオーダーすると先行して5曲がダウンロードできる。


■リリース情報

 

シール『Standards』

 

発売日:2017年11月10日
品番:UCCU-1561
価格:2,808円(税込)

 

【収録曲】
1. ラック・ビー・ア・レディ / Luck Be A Lady
2. 枯葉 / Autumn Leaves
3. アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー / I Put A Spell on You
4. 誰も奪えぬこの想い / They Can’t Take That Away From Me
5. エニワン・フー・ノウズ・ホワット・ラヴ・イズ / Anyone Who Knows What Love Is
6. ラヴ・フォー・セール / Love For Sale
7. マイ・ファニー・ヴァレンタイン / My Funny Valentine
8. アイヴ・ガット・ユー・アンダー・マイ・スキン / I’ve Got You Under My Skin
9. スマイル / Smile
10. アイム・ビギニング・トゥ・シー・ザ・ライト (featuring ザ・プッピーニ・シスターズ) / I’m Beginning To See The Light (featuring The Puppini Sisters)
11. イット・ワズ・ア・ベリー・グッド・イヤー / It Was A Very Good Year
12. ニアネス・オブ・ユー / The Nearness Of You
13. レット・イット・スノウ!/ Let It Snow, Let It Snow, Let It Snow
14. クリスマス・ソング / Christmas Song (Chestnuts Roasting)


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