サム・クック、死後初のヒット作「Shake / A Change Is Gonna Come」
1964年12月11日に起きてしまった、あまりに突然でショッキングなサム・クックの死は、音楽界にとって多大な損失であった。彼は33歳という若さで謎の銃弾に倒れた。その類いまれなるヴォーカル・スタイル、ソング・ライティング、そしてパフォーマーの死に数多くのファン達の心は癒されることはなかった。そしてファンたちは、事件の10日後にリリースされたシングルを買い求め、サム・クックは死後初となるヒットを生んだのである。
サム・クック自身によって作曲された「Shake」は、彼の死のちょうど1ヶ月前にハリウッドにあるRCAスタジオでレコーディングされた最後のセッションからの曲であった。この曲は、後に市民権運動と深く関わりを持つこととなった伝説的且つ哀愁の漂う「A Change Is Gonna Come」との両面シングルとして彼の死から10日後にリリースされた。(このページに上部に掲載されている画像はEPヴァージョンのもの)
「A Change Is Gonna Come」は1965年1月9日に全米シングル・チャートに73位で登場し、R&Bチャートには翌週チャート入り。そして「Shake」はポップ・チャートでは7位まで上り、ソウル・チャートでは3週に渡り2位を記録し、両ジャンルでヒットを飾った。
その後も数多くのアーティストによってこの曲はカヴァーされ、1967年にはオーティス・レディングがR&Bチャートのトップ20入りを記録、そして若きロッド・スチュワートがスモール・フェイセスでポップ調にカヴァーした。他にもアイク& ティナによるヴァージョンや、サム・クックの死後4ヶ月後に『We Remember Sam Cooke』というトリビュート・アルバムをリリースしたシュープリームスによるヴァージョンも存在している。このモータウンのトリオによる5枚目のアルバムとなったこの追悼盤には「A Change Is Gonna Come」の他にも「You Send Me」、「Chain Gang」、「Only Sixteen (邦題:あの娘はたったの16歳)」と言ったサム・クックの名曲の他にも、フローレンス・バラードがリード・ヴォーカルをとった貴重な「(Ain’t That) Good News」が収録されている。
Written by Paul Sexton
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