サム・クック最後の1位になった「Good Times」

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サム・クックが1964年初夏の「Good Times」でアメリカンR&Bチャート、そしてポップ・チャート入りを果たしたとき、彼はまだ33歳でありながらアメリカで最も偶像化されたジャンルの垣根を越えて成功したソウルスターのひとりだった。1964年7月11日のR&Bチャートを制覇した「Good Times」が彼の最後の1位獲得曲となった。そのわずか5ヵ月後に彼はその人生を終えてしまったのだ。

ゴスペルをルーツに持つサム・クックがポップスへとマーケットを移行した後すぐに、彼はレコーディング・アーティストとビジネスマンの両方で成功を収めることになる。彼の最初のR&Bチャート1位となった1957年の不朽の名曲「You Send Me」は、サム・クック本人が書いたが、クレジット上は実の兄弟L.C.クックによって作曲されたことにした。翌年早々、彼は「I’ll Come Running Back To You」でチャートのトップを再び手にした。

奇妙なことに、我々がサム・クックの最も彼らしい曲だと感じるものは、「Wonderful World」や「Chain Gang」、「Everybody’s Cha Cha Cha(邦題:皆でチャチャチャを)」といった、ソウル・チャートのトップ・ヒット曲ではないが、彼の人気と存在感が増すとともに、彼はヒット曲を世に送り出し続け、1962年には「Twistin ‘The Night Away(邦題:ツイストで踊りあかそう)」でR&Bベストセラーのトップに舞い戻った。

翌年には、「Another Saturday Night」がチャート1位に輝いた。この曲は後に完全なポップ・チューンとしてキャット・スティーヴンスや、ロッド・スチュワートザ・ローリング・ストーンズがカヴァーし、当時の最高の作曲家、そしてパフォーマーとしてサム・クックを尊敬されていたことが伝わってくる。 1964年の初めには、ヒューゴ・ペレッティとルイージ・クレアトールのプロデューサー・チーム‘ヒューゴ&ルイージ’がいつものように仕上げたサム・クックの新曲、思わず指を鳴らしたくなる洗練された「(Ain’t That) Good News」がR&Bチャートの王座を手にする。ディオンヌ・ワーウィックの「Walk On By」から引き継ぐ形で、アメリカのR&Bベストセラーとして2週間トップの座を維持した。

サム・クックはまた、シングルのB面として発表したパティ・ペイジの1940年のヒット曲「Tennessee Waltz」のカヴァーでR&Bトップ10入りを果たす。1965年には、ザ・ローリング・ストーンズが自身のアルバム『Out Of Our Heads』で「Good Times」をカヴァーしたが、もちろんサム・クックは曲を聴くことはできなかった。彼は1964年12月にモーテルで起こった未だ不思議な事件でて撃たれ、命を落としてしまったからだ。

「Good Times」は後にアレサ・フランクリンによって作り直され、曲とサム・クックの継続的な関連性を継承しつつ、1990年にはダン・シールズによってカントリー・チャートで1位を収め、2011年にはナイキのバスケットボールのCMで使用された。

Written By Paul Sexton


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