ザ・ローリング・ストーンズの初の1位は?

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ヘッドライナーとしての初ツアーに出発してから数日後、ザ・ローリング・ストーンズはデビューEPを発売した。これは1964年1月18日から1年間もEPチャートに留まり続け、そのあいだに14週間連続で首位を守っている。こうしてこのEPは、ストーンズ最初のナンバーワン・レコードという栄えある作品になった。これがチャートに初登場した日、ストーンズはヘイスティングス・ピアでライヴを行っていた。
このEPのジャケットに印刷された解説は興味深い内容だった。これを読むと、当時デッカ・レーベルがこの若き新鋭バンドをどう見ていたのかがうかがえる。「ストーンズの音楽的アプローチは、現在ビート・ブームに乗っているグループの大半よりも、むしろ耳障りで猛烈なシカゴ・スタイルのリズム&ブルースのほうにずっと近い。このバンドが大勢のファンを獲得したのは、おそら‘流行りのサウンド’に合わせて妥協することを拒否しているせいだろう。ストーンズの演奏には正直さとパワーがあり、そのせいで同時代の他のバンドは退屈に見えてしまう。彼らが取り上げる曲の多くは、5年ほど前にポップ・ミュージックを探求していた人にはピンとくるだろう。なぜなら今、かつての名曲の多くが再び人気を盛り返しつつあるのだから……。今の音楽の流行がどこに向かおうと、ストーンズは同じ場所に留まりそうだ。その場所の頂点で、他にはない新鮮なサウンドを奏でてポピュラー・ミュージックに貢献しながら、スウィングし続けているに違いない」……確かに、その通りになった!

EPに収められていたのは、チャック・ベリーの「Bye, Bye Johnny」、モータウン・レーベル初のヒットとなったベリー・ゴーディ&ジェイニー・ブラッドフォードの共作曲「Money」、アーサー・アレキサンダーの「You Better Move On」、リーバー&ストーラーの「Poison Ivy」の4曲。どれも1963年を通してライヴで取り上げていた曲で、特にB面の2曲はたくさん演奏していた。ミックも当時こう語っている。「「You Better Move On」はもう何年もライヴでやっていて、いつもウケがいい。だから録音することにしたんだ」。「Bye, Bye Johnny」と「You Better Move On」は、1963年8月8日にウェスト・ハムステッドのデッカ・スタジオで録音された。また他の2曲は、同年11月14日にロンドン・キングズウェイにあったディー・レイン・リー・スタジオで吹き込まれている。

ジャーナリストのロイ・カーはこう語っている。「このEPがチャートで大ヒットしたのは、間違いなく「You Better Move On」のおかげ。この曲は、もしシングルで出ていたらそちらでも1位になっていただろうし、ストーンズ最初のナンバー・ワン・ソングになっていたかもしれない」。ちなみにこの「You Better Move On」では、ブライアン・ジョーンズとビル・ワイマンがバック・コーラスも担当している。

このEPの発売から2日後、サウスエンド出身のバンド、パラマウンツも「Poison Ivy」のカヴァーを発表。そちらは全英シングル・チャートの下位を7週間漂い、最高35位に達している。このパラマウンツは、ロビン・トロワー(ギター)、クリス・コッピング(ベース)、B・J・ウィルソン(ドラムス)、ゲイリー・ブルッカー(ピアノ/ヴォーカル)という顔ぶれのバンドで、のちにプロコル・ハルムとなった。またバーン・エリオット&ザ・フェンメンが録音した「Money」のカヴァーは、1963年12月に全英シングル・チャートで最高14位に達している。

By Richard Havers


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