大物ミュージシャンが参加したロバート・パーマーの2ndアルバム『Pressure Drop』

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1975年11月、26歳だったロバート・パーマーは、ニューオーリンズやジャマイカのキングストンから集めた最高の材料を基に、ブルー・アイド・ソウルをますます洗練されたセンスで生み出していた。

アラン・バウン・セット、ダダ、そしてヴィネガー・ジョーと共にロバート・パーマーはUKロック・シーンで活躍し始めていたが、その1年以上前に、『Sneakin’ Sally Through The Alley』でソロ・デビューを果たしていた。独自の曲作りの才能と、南部の要素を含んだR&Bを混合したアルバムは、タイトル・トラックを作曲したアラン・トゥーサンやリトル・フィートのローウェル・ジョージのようなサウンドに仕上がっている。

ローウェル・ジョージはこのアルバムに貢献した大物ミュージシャンの中の一人で、他にはミーターズのメンバーたち、一流のアメリカ人セッション・ミュージシャン、そしてサイモン・フィリップスやスティーヴ・ウィンウッドなどの有名なイギリス人が参加している。ロバート・パーマーが次作を作る時には、ローウェル・ジョージがリトル・フィートのメンバーたちと共に再び参加し、『Pressure Drop』が制作された。

裸の女性が写っているアルバムのジャケットは現代だと所によっては不適切だと思われるデザインだが、1970年代半ばの様々な社会環境の中でも物議を醸した。発売時にタワー・レコードはそのジャケットを理由にアルバムの発売はしないと発表する必要があるほどだった。

デビュー・アルバム『Sneakin’ Sally Through the Alley』に続き『Pressure Drop』もスティーヴ・スミスが再びプロデューサーとして参加。ローウェル・ジョージとアラン・トゥーサンも再び作曲を手掛けており、他にもリトル・フィートの1972年のアルバム『Sailin’ Shoes』に収録されている「Trouble」と、1970年にリー・ドーシーが最初に歌ったアラン・トゥーサンの「Riverboat」をロバート・パーマーはカヴァー。タイトル・トラックとして、レゲエ好きなイギリス人のロバート・パーマーがトゥーツ&ザ・メイタルズをカヴァーした。

しかし、その他の残りの曲は、ロバート・パーマーが一人前の作曲家であることを表しており、パーカッション調の「Work To Make It Work」、豪華な「Back In My Arms」やヴィネガー・ジョーで一緒にバンドを組んでいたピート・ゲージと共作した「Here With Me Tonight」などが収録されている。

特にアルバムの豪華なオープニング・トラック「Give Me An Inch」と、最終トラック「Which Of Us Is The Fool」は素晴らしい。典型的なブルー・アイド・ソウルで、ロバート・パーマーがシンガー・ソングライターとしてのキャリアを勢い良く積み上げていく様子を象徴している。ジーン・ペイジのストリングス主要のアレンジは魅力たっぷりで、アルバムはその他にもマッスル・ショールズ・ホーンズの才能を誇らしげに披露している。ビルボード誌は作品を「ロックン・ロールが持つ多様性の素晴らしい例である」と評価した。

UKアルバム・チャートへのデビューを果たすまではそれから1年かかるが、『Sneakin’ Sally Through The Alley』はアメリカのチャートでは最高107位に、そして15週間ランク・インした。セカンドの『Pressure Drop』は最高136位、そして8週間ランク・インし、多くのファンを惹きつけた。ローリング・ストーン誌はそれを「誰でも好きになれる親しみのある作品」と評している。

同じ1976年2月の記事ではバッド・スコッパが「こってりした熱いサウンドを好みながら増え続けていく白人たちの行進にロバート・パーマーも加わった(最近の例としてはボウイ、ケイト・ブラザーズ、フランキー・ミラー、リトル・フィートがいる)。パーマーは才能あるカメレオンで、彼は自身が何を望んでいるか把握していて、それを手に入れる方法も把握している」と評している。

 



ロバート・パーマー『Pressure Drop』

   

 

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