エリック・クラプトン、ソロ第4作目『No Reason to Cry』

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エリック・クラプトンの4枚目となるソロ・アルバム『No Reason to Cry』は、1976年8月27日にリリースされた。40周年を超えた今でも彼の終わることのない新たな意欲を象徴する作品となっている。

「僕は色んなミュージシャンを聴いて、そこからものすごく大きな影響を受ける」と、アルバム発売当時‘サウンズ’誌に語ったクラプトン。「そしてアルバムを作るとなっていざスタジオに入り、新しい何かをやろうとするとまた僕の作品になってしまう」

彼のファンはみんなそれを望んでいた。全米チャート1位を獲得した1973年発売『461 Ocean Boulevard』、そして翌年発売の『There’s One In Every Crowd(邦題:安息の地を求めて)』に続いてリリースされた新作は、再充電されたクリエイティヴィティと彼と音楽との素晴らしい関係を祝っている。

『No Reason to Cry』は1976年3月にザ・バンド所有のシャングリラ・スタジオにてレコーディングされ、多くのファンに崇拝されるカナダ/アメリカ系のメンバーたちが深く関わった。メンバー5人全員がアルバムにフィーチャリングされている。リック・ダンコとリチャード・マニュエルがリラックスした雰囲気のオープニング・トラック「Beautiful Thing」を制作し、その他にもダンコは感動的な「All Our Past Times」をクラプトンと共作し、素晴らしいヴォーカル・パートも披露している。そしてボブ・ディラン本人も登場している。「Slowhand」でデュエットを歌っただけではなく、未発表の新曲「Sign Language」を提供した。

エリックのイギリス人の友人たちも参加しており、ロン・ウッドがギターに、そしてジョージィ・フェイムがキーボードを演奏している。その他にも側近のイヴォンヌ・エリマン、ビリー・プレストン、そして後にシェイクスピアズ・シスターの一人としてチャートで大成功を収めるマーシー・レヴィも迎えられた。レヴィとディッキー・シムズがアルバムの最後から2番目に収録されている「Hungry」を制作。これは見事なライヴ・バンド感溢れる作品となっており、クラプトンのその並外れた演奏を聴くことができる。特にオーティス・ラッシュの「Double Trouble」を陰気な雰囲気でカヴァーしたトラックは素晴らしい。

『No Reason to Cry』はUKで8位まで上昇し、デンマークとオランダではトップ10入り、そしてUSチャートではたくましくも21週間ランクインし続け、最高15位についた。当時のクラプトンはヒット・シングルなど気にしていなかったが、自分で作曲を手掛けた「Hello Old Friend」は24位にランクインされるヒットとなった。

サウンズ誌のインタビューでアルバムのルーツっぽい雰囲気について語るクラプトンは、ファンをこう観察している「彼らはヘヴィ・メタルの作品を望んでいる訳じゃないと思うんだ。少なくともそうであって欲しいと僕は思う。だってもうそういう作品を作るつもりはないから。そういうのは卒業したし、長続きしないと思うんだ」

Written By Paul Sexton


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