エクストリーム『III Sides To Every Story』解説:オリジナル・メンバーでの最後のアルバム
ボストン出身の最も成功した90年代ロックバンド、エクストリームは90年代前半に大きな進歩を遂げた。1992年10月10日に3枚目のアルバム『III Sides To Every Story』で全米アルバム・チャートに登場したのだ。それはオリジナル・メンバー4人で制作した最後のアルバム、そしてUSトップ10入りを果たした最後のアルバムとなった。
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1989年A&Mからリリースされたセルフ・タイトルのデビュー・アルバム『Extreme』と共に最初の成功を収めたバンドは、更なるヒットとなった『Extreme II: Pornograffitti』を1990年代にリリースした。その成功の鍵となったのは、柄にないバラード「More Than Words」がポップ・ラジオで流れ全米シングル・チャートで1位にランク・インし、世界的ヒットとなったことだ。その後に発売されたシングル「Hole Hearted」もトップ5入りを果たした。
『III Sides To Every Story』にはそういったクロスオーヴァーな楽曲は含まれておらず、「Rest In Peace」と「Stop The World」が全米チャートの下の方にランクインしただけだった 。しかし、エクストリームの実力を強調したいのでここに書かせてもらうが 、それでもアルバムは前作と同じく10位にランクインし、23週間チャートに登場し続けゴールドを獲得した。
すべての物語には“相手、自分、そして真実”があるというテーマで作られた『III Sides To Every Story』では、4人組のパワフルでありながらもファンク要素を含んだメロディー感溢れ自信たっぷりのロックが再び披露されている。
ゲイリー・シェローンのリード・ボーカルとヌーノ・ベッテンコートの表現豊かなリード・ギターが、そしてベースのパット・バッジャーとドラムのポール・ギアリから成る才能溢れるリズム・セクションとぴったりと合致している。その後結成メンバーのギアリが脱退し、マイク・マンジーニが代わりに加わり、1995年に『Waiting For The Punchline』をリリースすると90年代の冒険が締めくくられた。
『III Sides To Every Story』のリリース時にベッテンコートはQ誌にエクストリームが典型的なロックン・ロール・バンドになる欲求もエネルギーもないと話している。
「ガンズ・アンド・ローゼズの物語とは違う。僕たちは音楽をやって、ライヴでパフォーマンスすることにしか興味がないんだ」
「お酒やドラッグに溺れている人には、僕たちが1時間半ステージ上でやっていることを決して真似できない。エクストリームは真のバンドで、僕たちはすごいバンドになりたいと思っている。クイーンのように多くの作品を作り、多様性のあるミュージシャンを目指しているんだ」
Written By Paul Sexton
エクストリーム『III Sides To Every Story』
1992年9月22日発売
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