レイ・チャールズのイギリス最初のヒット曲「Hit The Road Jack」
ヨーロッパの音楽ファンは、そのものズバリ”天才 / Genius”というニックネームを持つ天才ミュージシャン、レイ・チャールズに気づくのが少々遅かった。しかし1961年10月21日、レイ・チャールズは「Hit The Road Jack(邦題:旅立てジャック)」で全英シングル・チャートのトップ10に向けて初めて上昇し始めた。
レイ・チャールズがアメリカのポップ・チャートで初めて大ヒットを出したのは1959年のこと。実に魅力的な即興R&Bサウンドの曲「What’d I Say」が全米チャートのトップ10にまで駆け上がったのである。ただしこの曲はアメリカ以外の国(特にイギリス)ではチャート入りしなかった。
1960年11月、レイ・チャールズはさらに大ヒット曲「Georgia On My Mind(邦題:我が心のジョージア)」をリリースし、同曲は全米ポップ・チャートの1位を獲得した。「Georgia On My Mind」はホーギー・カーマイケル&スチュアート・ゴレル作のスタンダード曲だったが、このレイ・チャールズのヴァージョンが決定版となった。このシングルで彼は初めて全英チャートに登場するが、そちらでは最高24位にまでしか到達しなかった。翌1961年の前半、レイ・チャールズはクローヴァーズの「One Mint Julep」のカヴァーでまたもや全米ポップ・チャートのトップ10入りを記録。これもまたアメリカ以外ではチャート入りしていない。
この曲で、レイ・チャールズは世界的なスターとして認められることになった。続く「I Can’t Stop Loving You(邦題:愛さずにはいられない)」は1位を獲得し、さらに「You Don’t Know Me」のヒットでレイは3枚連続トップ10入りという記録を打ち立てる。彼はついにイギリスをも掌中に収めたのだった。
Written by Paul Sexton
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