クイーンの初の全米1位獲得シングルは?
1980年2月23日、クイーンは米Billboard誌のシングル・チャートで初の1位を獲得した。79年末にイギリスでのチャート首位を逃していた「Crazy Little Thing Called Love(邦題:愛という名の欲望)」が、1か月のあいだアメリカで首位を独占したのである。
この曲の作曲をひとりで手掛けたのはフレディ・マーキュリーである。彼のヴォーカルに深いエコーがかかった正統派ロックン・ロール・スタイルの同曲は、1979年の11月に本国イギリスで2週の間2位を記録した。その間1位の座を守っていたのはドクター・フックの名ポップ・ナンバー「When You’re In Love With A Beautiful Woman」だった。
一方、アメリカではキャプテン&テニールの「Do That To Me One More Time」を退けて1位に浮上した。そして、ピンク・フロイドの「Another Brick In The Wall」に取って代わられるまで4週間の間そのポジションを維持し続けた。
それまでアメリカでは4位(「We Will Rock You」と「We Are The Champions(邦題:伝説のチャンピオン)」を併録したシングル)が最高位だったクイーンにとってこれは大きな出来事だった。「Crazy Little Thing Called Love」はアメリカとイギリス、オランダでもゴールド・ディスクを獲得した。
「ミュンヘンのヒルトン・ホテルの風呂で物思いに耽っていたときに書いた曲なんだ」マーキュリーはフレッド・ブロンソンの著作『The Billboard Book of Number One Hits』の中でそう語っている。彼はバスタブから出てすぐにギターとピアノでメロディを考えたと言われている。「次にはバンドのリハーサルでアレンジを考えて、僕もリズム・ギターを弾くことにしたのさ」
さらに、マーキュリーは続ける。「みんなすごく気に入ってくれて、レコーディングすることになった」という。「完成した音源はまるで風呂場で録ったみたいだった。僕の曲らしくはないけど、僕の曲らしさなんてないのかもしれないね」
クイーンのローディのリーダーだったピーター・ヒンスはMojo誌の2009年の取材で、この曲の誕生秘話について認めている。「風呂に入っているとき、彼はこの曲のアイデアを思い付いたのさ。彼は飛び出してタオルを巻き、僕が手渡したギターですぐにコードを考え始めた。彼はすばらしいポップ・ソングを生み出すコツを知っているんだ」。
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クイーン『Bohemian Rhapsody (The Original Soundtrack)』
映画『ボヘミアン・ラプソディ』
2018年11月9日日本全国ロードショー
配給:20世紀フォックス映画
© 2018 Twentieth Century Fox
映画公式サイト