ポリスの3枚目は全米初のプラチナム・アルバム『Zenyatta Mondatta』
イギリスのロック・バンドとしては前代未聞といっていいほどの人気を集めていたポリスだったが、1981年2月27日は、そんな彼らにとって特別な日になった。グループの3枚目のアルバム『Zenyatta Mondatta』が、全米レコード協会によって、彼らの作品としては初となるプラチナム・ディスクに認定されたのである。
イギリス、フランス、オーストラリアでNo.1に輝いたこのアルバムには、スティング、サマーズ、コープランドの3名からなるこのトリオの人気を象徴するヒット曲2曲「Don’t Stand So Close To Me(高校教師)」と「De Do Do Do,De Da Da Da」が収録されていた。しかし、後者のナンセンスな歌詞と共に、スティングは、「When The World Is Running Down,You Make The Best Of What’s Still Around(君がなすべきこと)」「Driven To Tears(世界は悲しすぎる)」「Bombs Away」らの社会的良心に訴える曲が収録されている。
同作は、これに先立ってリリースされた2枚のアルバム『Outlandos D’Amour』と『Reggatta de Blanc(白いレガッタ)』を上回るペースで売れ続け、グループの人気もピークに達し、プラチナムを獲得した。2月28日のチャートでは、『Zenyatta Mondatta』は最高位の5位に達した、これは初登場から19週目のことだった。そしてチャート圏内に153週に亘って留まるロング・セラーを記録した。また「Don’t Stand So Close To Me」はグラミー賞ベスト・ロック・パフォーマンス・バイ・デュオ/グループ・ウィズ・ヴォーカルを受賞、「Behind My Camel」はベスト・ロック・インストゥルメンタル・パフォーマンスを受賞した。
また、この時期にアメリカで彼らのファンになった人たちが、後追いで手を伸ばすようになったことで、最初の2枚のアルバムがコンスタントに売れ続け、『Outlandos D’Amour』はチャート・デビューから5年以上を経た1984年の夏にプラチナム・アルバムに認定。同じく1979年にチャート入りした『Reggatta de Blanc』は2002年初頭に至って遂にプラチナ・アルバムに認定されている。
彼らの目の前にはさらに大きな成功が待ち受けていた。アルバム『Zenyatta Mondatta』に続いて1981年にリリースされた『Ghost In The Machine』はその前作を上回る人気を集め、2001年にはトリプル・プラチナムに認定されるが、ポリスの最後のスタジオ・アルバムとなる1983年の『Synchronicity』は、実に17週に亘って米チャート首位を独占。それまでの彼らの全作品の記録を塗り替えただけでなく、1984年には4×プラチナム、2001年には8×プラチナムに認定されている。
Written by Paul Sexton