ストーンズはチャートから追放されない:『Exile On Main St』の成功

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もしザ・ローリング・ストーンズが今までに何か恐れるものがあったとしたら、それは彼らが故郷イギリスの高額な税金から逃れるために南フランスへ移住したことで彼らのファンから愛想を尽かされるかもしれないという心配だっただろう。彼らは”脱出”してすぐに、2枚組みのアルバム『Exile On Main St(邦題:メインストリートのならず者)』を発売した。1972年6月17日、その前週にUKチャートで1位を獲得していた『Exile On Main St』が全米チャートで1位に上りつめた。

彼らの故郷イギリスでは『Exile On Main St』は6枚目の1位獲得アルバムであり、TOPにいたのはたった1週であったが、5週間TOP10にとどまった。16週チャートにランクインし、9月の終わりにチャート圏外となった。それは同じく1位を獲得した彼らの前作『Sticky Fingers』が25週間チャートにいたのに比べると大幅に短かった。しかし『Exile On Main St』は大西洋を渡った向こう側では、長い間評価され、9ヶ月もチャートに留まった。

『Exile On Main St』の泥臭いサウンドやあいまいな歌詞のため、すべての批評家がこの野心に満ちた18曲のアルバムを好んでいるわけではない。しかし、そこには、ジャガー/リチャーズの作曲パートナーシップによる多岐にわたる創造性への賞賛が数多く存在している。「ザ・ローリング・ストーンズの音楽のルーツであるブラック・ミュージック(ゴスペル、ブルース、ブギー)を掘り起こす過程となっている」とプレイボーイ誌はそのレヴューで評価している。「このアルバムは、ザ・ローリング・ストーンズがいかに多様なスタイルの音楽を、素晴らしく演奏することができるかを証明している」

プレイボーイ誌こう続ける「’Shake Your Hips’はすばらしいリズムのリフを持ったダークで重い響きのブギー、’Just Wanna See His Face’や‘Shine a Light’では派手にゴスペルが披露され、‘Let it Loose’といったクライディ・キングや、ヴェネッタ・フィールズ、Dr.ジョンらが参加したすばらしいヴォーカル・トラックや、正統なロック・トラック ‘Soul Survivor’などが収録されており、これ以上ない出来のアルバムだ」と評している。

1960年代ザ・ローリング・ストーンズは全米チャートにおいて、『Out Of Our Heads』で1度しか1位を獲得しなかった。しかし、『Sticky Fingers』から始まり次の10年は、すべてのスタジオ・アルバムで1位を獲得している。『Exile On Main St』は10位で初登場してから、ジェスロ・タルの『Thick As A Brick(邦題:ジェラルドの汚れなき世界)』 にかわって1位を獲得、『Sticky Fingers』と同じように4週1位をキープした。その数年後には『Goats Head Soup(邦題:山羊の頭のスープ)』も4週1位をキープしている。『Exile On Main St』は2010年のデラックス盤の再発がUKチャートで1位に返り咲くことにより、後のロックの世代でもその恒久的な魅力を明確にしている。

Written by Paul Sexton





ザ・ローリング・ストーンズ「Living In A Ghost Town」
発売日:2020年4月24日配信 / CD5月29日 / アナログ6月26日
CD / アナログ / Apple Music / Spotify

<発売商品詳細>
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UNIVERSAL MUSIC STORE限定商品
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