全米ラジオチャートでニルヴァーナ史上最高位を記録した「About A Girl」
1994年10月15日、ニルヴァーナの「About A Girl」が全米ラジオチャートに登場した。カート・コバーンが作曲したこの曲だが、元々は1989年に発売されたニルヴァーナのデビュー・アルバムの『Bleach』に収録されていたものだ。1993年の終わりごろニルヴァーナは、MTVの番組で出演者がアコースティックで演奏する人気シリーズ『MTV Unplugged』に出演。この模様は『MTV Unplugged In New York』として発売され、このアルバムからの唯一のシングルとして発売されたのが「About A Girl」で、このヴァージョンが1994年10月のチャートに入ったのだ。発売されたのはカートの死の6か月後だった。
あまり知られていないが、バンドが有名になる前の1990年2月にオレゴン州ポートランドで行われたライヴ音源の「About A Girl」がシングル「Silver」のB面に収録されている(カートはこの時のパンドの演奏には満足していなかったそうだ)。「MTV Unplugged」ヴァージョンの「About A Girl」は、全米ラジオチャートで22位まで上昇。特に「About A Girl」はロック・ラジオ局でよくかかり、モダン・ロック・トラックス・チャートで1位を獲得。オーストラリア、デンマーク、フィンランドではTop10ヒットとなった。彼らの他のライヴ・ヴァージョンは、『Live At Reading』として2009年にDVDとアルバムで発売されているレディング・フェスティヴァルが有名だ。
スタジオ・ヴァージョンの「About A Girl」を演奏しているニルヴァーナのオリジナル・ドラマー、チャド・チャニングは、この曲のタイトルは文字通りのものだったと語る。「まずカートがその曲を演奏して、それからみんなで取り掛かることになってんだ。カートに『この曲はどんな曲なんだ?』と聞いたら、カートは『うーん、なんて言ったらいいかわからないよ』って感じだった。そこで『じゃあ何について歌った曲なんだ?』と訊くと、彼は『女の子についての曲だよ』と答えた。だから『この曲のタイトルは“About A Girl”でどうかな?』って俺が言ったんだ。そしたら、カートは俺を見て笑って『オーケー』って言ったんだ。だからこのタイトルになったなんだ」。
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ニルヴァーナ『MTV Unplugged in New York』