ニルヴァーナ『Nevermind』のセールス推移:発売当初はヒットとはほど遠い売れ行きだった名盤
ワシントン州アバディーン出身のバンド、ニルヴァーナ(Nirvana)は、サブ・ポップからデビュー・アルバム『Bleach』をリリースするも、当時はチャート入りを果たせなかった。その後、ゲフィンと契約を交わした彼らは、1991年9月24日に『Nevermind』をリリースすることになるが、待ち受けていたのは想像を超えた展開だった。
このアルバムは10月初頭にイギリスのアルバム・チャートに36位でランクイン。同月12日はアメリカでもチャート・デビューしたが、このときの順位は144位というもので、リリース当初はヒットとはほど遠い売れ行きだった。
しかしながら1992年1月11日、『Nevermind』は米チャートの1位に到達。マイケル・ジャクソンの『Dangerous』に取って代わったこの快挙で、ニルヴァーナは名実共にアメリカを代表する存在になっていくのだった。
『Nevermind』の売り上げは、アメリカでのリリースからほどなく、急激に勢いづき、1991年11月上旬にはトップ20圏内に登場。そしてその月の後半にはゴールド・ディスクとプラチナ・ディスクに併せて認定された。ニルヴァーナの代表曲のひとつ「Smells Like Teen Spirit」もアルバムのチャート上の成功に一役買っている。
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アルバムは商業的にも圧倒的な記録を残し、各方面からも称賛を浴びた。雑誌ローリング・ストーンは、同誌の選ぶ’「All Time Top 500 Album」の17位にこれを選出。アルバム・チャートに留まった期間は252週で、5年に亘ってチャート入りを果たした計算になる。そうした中、多くの聴き手が注目を浴びることのなかったデビュー・アルバムにも関心を抱き始め、発表から2年半が経過した1992年1月、『Bleach』もまたアルバム・チャートにランクインすることとなった。
『Nevermind』がとりわけ際立った動きを示したのは1991年のクリスマス前後の1週間だった。同作は、そのわずか7日で37万4,000枚という驚異的なセールスを記録。また、「Smells Like Teen Spirit」は1992年1月にビルボード誌のチャートの’Dance Club Songs’部門でもトップ15に入る成功を収めた。
『Nevermind』の勢いは止まらず、ごく短期間でマルチ・プラチナ・ディスクの認定を受けている。チャートの首位に立ったその週のうちにダブル・プラチナ・ディスクに認定された同作は、それから1ヶ月でトリプル・プラチナに認定。さらに1992年6月には4プラチナ、11月には5プラチナに認定された。
同作の記録更新はさらに続き、1994年10月には6プラチナ、1995年9月には7プラチナ、1996年10月には9プラチナの認定を受けた。最後にこの記録が更新されたのは1999年3月で、アメリカ国内の出荷枚数が1,000万セットを超えたことから、『Nevermind』はこのときダイアモンド・ディスクに認定されている。
Written By Paul Sexton
ニルヴァーナ『Nevermind』
2021年11月12日発売
(*国内盤Super Deluxeのみ12月1日発売)
国内盤:Super Deluxe Edition (5CD + Blu-Ray)
国内盤:2CD
輸入盤
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